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第十一話『貧しき者に畑を、裕福な者に呪詛を──知力2神の

「貴様ら、このままモンスターのエサにしてやる」


 とらえた盗賊に怒り心頭のディルさまが凄んでいる。


「そ、そんな......」  


「すまねえ、見逃してくれ!」 

 

「人を襲っておいてそれは通らないでしょう?」  


「......俺たちだってこんなことはしたくないんだ......」


「だけど、国から追われていくところがない」


「国から追われた?」


 盗賊たちの話によると、彼らは隣国アスワルドの国民で、モンスターの襲撃で土地を奪われこの地に逃げ延びてきた。 だが土地も仕事もなく、やむなく盗賊に身をおとしたという。


「国はどうしたのだ?」


「おれたちのことなどほったらかしだ」


「貴族たちは自分達の生活しか考えていない」


「他国に逃れようとしても国から申請も降りず、国を逃げ出してきた」


「ふむ、不法移民ですか...... とはいえ、この国の人に迷惑をかけていい理由ではないでしょう」


「そ、それは......」


「......わかってはいるが、家族もいるからなんとかしないと......」


「しかし農民のおれたちは仕事にもつけない」


(まあ、ぼくたちも冒険者が少額の雑用しかなかったしな。 この国にも仕事がたくさんあるわけじゃない)


「むう......」


「どうします?」


「ようは土地があればよいのか......」


「え、ええ、まあ......」


「ディルさま」


「かなりの報酬があろう。 あれだけあれば空いてる土地をかえるはずだ」


「おそらく買えますけど、多分、生活困窮に戻りますよ」


「......し、しかたあるまい。 女神としての役目もある」


(めちゃくちゃ唇を噛んでる...... 無理してるな)


 おれたちは町に戻り、大きな土地を購入、肥料や種、苗などを買い、小さな建物などの建設を依頼した。


「本当にいいんですか!」


「ここなら畑も作れる!」

   

[しかし、そなたら! もはや罪を犯すことはまかりならん! そして女神ディルディナの慈愛としれ!」


「はい!!」


「わかりました! 聖女さま!」


 盗賊とその家族に当面の生活費をわたし、おれたちは戻る。


「いいんですか? 完全に無一文になりましたよ」


「仕方あるまい...... わらわは神なのだ。 困るものがいれば手をさしのべ、悪にはしるものをいさめるのも役目。 くぅぅ......」


 ディルさまは泣いている断腸の思いだったようだ。


「仕方ない! 再び稼ぐぞ!」


「もうだめです。 王都にいかないと、きっとカレンが剣を研いでますよ」


「ひっ!! 仕方ない。 王都にむかうか......」



 数週間かけ、ぼくたちは王都についた。


「な、な、なんだこれは......」


「え、え、ええ......」

 

 そこは予想以上の人があふれ、巨大な建物が並ぶ大都市だった。


「い、一度、でて態勢をたてなおそう!」


「は、はい、いきましょう!」


「なぁにぃぃ...... してたのよぉぉ......」


 向こうからとてつもない殺気を感じる。 それは大剣に手をかけたカレンだった。


「ひぃぃカレン!」


「ち、ちがうんだ! これにはわけが!!」


 ぼくたちは事情を話した。


「ふーん...... 人助けねぇ、まあディルちゃんは聖女だから仕方ないわね」


(ふぅ、怒りがおさまったか......)


「それにその人型のアンノーン? 私も前にみたわよ」


「ほんと!?」


「ええ、国の調査団の護衛で遺跡に入ったとき、卵型の装置からでてきたわ。 姿はすこしちがうけど、人型でとてつもなく強かったわ。 よくあんなのを二人で倒せたわね」


「それでなにかわかったの?」

 

「調査団の研究家たちによると、古代人の作った何からしいわ。 魔力を使った装置からうまれたもので、それ以外はわかってないの」


(やはり古代技術か)


「まあ、それより今日はもう遅いからホテルにとまりましょう」


「うむ、100ゴールド手に入れたからの。 どこでもとまれるぞ!」 


「100...... それじゃここのペット用のホテルにもとまれないわよ」


「なっ!? わらわたちが野宿してきりつめ、一日の楽しみとして干しにくをわけあってまで貯めた金がペット用のホテルにまけるだと!」 


 わなわなとディルさまが震えている。


(まあ、物欲しそうにするからほとんど干しにくはディルさまが食べてましたけどね)


「こっちよ。 私が泊まってるホテルにいくわよ」


 カレンについていく。



「ええええ!?」


「ここホテル...... 城じゃないの」


 そこは巨大な建物で今までみたどの建物より大きく。 中は人ではスタッフがひっきりなしに動いていた。


「ひっ! すみません! あっ! すみません」


 ディルさまが人にぶつかり、謝っている。


「......こんな場所はもういやだ。 金持ちたちはわらわたちを見下しておる。 どうせわらわたちはあわれな存在なんだ......」


 そう爪を噛みながらぶつぶついっている。


(すごい、卑屈になってるな...... まあ、無理もない。 こんな豪華な所は始めてだ) 


「なにしてんの? はやくこっちにきなさいよ」


 小さめの部屋にカレンはまねいた。


「ふぅ、このぐらいの部屋なら、落ち着くね」


「ここは部屋じゃないわ」


 部屋が動き出した。


「これは!?」


「まあ、わかりやすくいえばエレベーターね。 魔力を動力とした装置よ」


「そんなものもあるのか」


「......かってにわらわの力をつかいよってぇぇ! 滅ぼしてやるぅぅ」


 そうディルさまが唇をふるわせている。


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