表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/84

13 コレクターはやっぱり人気がない


 私、自分の身長が低いの結構気にしているんだよ。特に一番仲のいい友達のスタイルが良いから余計気になるんだよね。


[ちょっと待って]

[奥多摩ダンジョンって国内で一番危険度高いところじゃなかったっけ?]

[イキるのはいいけど、奥多摩はほら吹き杉w]

[深層の20とか大学生がいけるところじゃないぞ]


 私が普段潜っている奥多摩にあるダンジョンは国内で1番階層が多くて危険度も一番高く設定されている。


 このダンジョンに潜れるのはダンジョンを管理しているギルドから許可を貰わないといけないので、ここに潜れる人はダンジョンに関係している人のうち半分もいない。

 半分って聞くと多いように感じるけど、大半のダンジョンは年齢制限で入れない以外、ギルドからの許可をもらわなくても入ることができるので、奥多摩ダンジョンに潜れる=上位の存在となるのだ。


「嘘じゃないですよ。証拠として私の免許証を見せますね」


 私が言った内容を配信を見ている視聴者たちに信じてもらうように、ダンジョンギルドに登録すると発行される免許証を見えるように出す。当たり前だけど、IDや住所などの見られたらまずいものを隠したうえでカメラの前に出している。


[確かに許可出てるな]

[隠してる部分多いからダメ]

[免許の書き換えは捕まるぞ?]

[もしもし管理ギルド?]


「臨時職員しているので免許を勝手に書き換えたら捕まるのは知っていますよ。なので書き換えたりはしてないです」


 免許を見せたのに信じてくれる人意外と少ないような。見ている人の人数が多くないから目立っているだけ? 今この配信を見ている人は……ん? ちょっと待って!

 

 タブレットに表示されている視聴者数を確認してみると51,475と表示されていた。

 配信を始めた時にはまだ4桁前半だったはずなのに、いつの間にこれほど配信を見ている人が増えたのか。


 私の言葉を信じていない人たちが一気に[通報します]コメントを流しまくっているけど、本物だから通報したところで意味ないんだよね。とはいえ、これで信じてもらえないとなればどうしたらいいのか。


[【ダンジョン管理ギルド_公式✪】 この免許証は正式に発行されたものです。そのため違反報告をする必要はありません]

[通報しとくね]

[公式!?]

[嘘だろと思ったけど、公式マークついてるやん]

[本物ぉ?]

[よ、よくできた仕込みだなぁ(汗]

[公式の※来たのに朱鳥ちゃんが焦っていないのが気になる]


「あの配信のことに触れるので事前に連絡してます。チャット欄に出てくるとは思っていませんでしたけど」


 あの配信はギルドが関わっている以上、触れるなら知らせておいた方がいいって社長にアドバイスをもらったんだよね。だから配信予定を立てる前に連絡して、やってもいいか確認はしていたのだ。

 ただ、チャットにコメントを出してきたってことは、この配信を見て問題があるって報告をした人が多かったってことだよね。

 配信が終わったら感謝の連絡をした方がいいかも。


[仕込みだったってことぉ?]

[ギルドからの依頼で撮ったやつなら連絡を入れるのは当然か]

[コレクター?]


 ギルドが正式に発行されたものってコメントしてくれたことで、信じられたみたいなコメントがちらほら出てきたので、免許証をしまおうとしたところで、私の職に触れるコメントが流れてきた。


[シーカーでしょ? あれだけのことができるんだから]

[見間違えじゃね]

[コレクターはない。ない。ない]

[大事なことだから3回言いました]


「間違ってないですよ」


 そう言ってもう一度免許証をカメラの前にかざす。


[コレクターじゃん]

[メインコレクターでメイカーサブ? ふつう逆じゃ?]

[さっき気づかなかったけどシーカー以外の資格全部持ってて草]

[なんでシーカーじゃないんだよ]

[メイカーの資格取れればコレクターはごみでしかない]

[まだポーターの方がましまであるw]

[そもそもシーカーの資格取得してないの意味不明すぎるんだが]


 やっぱりコレクターに対して否定的というかあまり好意的なコメントは出てこないね。想定した通りだけども、ちょっと悲しい。


「私のメイン資格がコレクターなのは好きでそうしているからです。それと、これから説明するスキルにも関係しているので」


[好きでコレクターになるとか変わり者すぎる]

[あのスキル、なんなん]

[動画の説明よりあのスキルの説明さっさとしてほしい]

[あれってユニークスキル?]

[ちょっと不満そうなの草]


 私がスキルについて言及すると言ったとたん、動画の説明を始めた時よりもチャットに流れるコメントの動きが爆速になった。さすがにここまで早いとコメントをいちいち確認することができない。


「とりあえず、ここで説明するよりもモンスターを倒しながら説明した方が分かりやすいと思うので、場所を移動しますね」


[場所移動OK]

[カメラどうやって動かしてんだこれ?]

[前の配信もそうだったけど、どうやってカメラ追従させてんのやろ]

[そいうか、ここどこですかね?]

[聞いたけど、最初コメント爆速で流された]

[どこ?]


「あ、そういえば言っていませんでした。ここは奥多摩ダンジョンの下層の46になります」


 私がそう言うとまたチャット欄に流れているコメントの速度が上がった。

 

本日はもう1話、夜に更新します。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ