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86 豪快採取

  

 最初に見つけた岩泉樹にはもうジュエルアップルはなっていないので他の岩泉樹を探しに行く。


「次の採取方法は先に説明するよりも見てもらってから改めて説明した方が面白いと思うので、とりあえず新しい岩泉樹を見つけて採取することにします」


[おもしろい・・・?]

[どういう事なんだ]

[聞くより見る方がわかり易いこともあるからね]

[採取に面白いって何だ?]

[面白いって変な採取の仕方なのか]


 比較的近くにあった新しい岩泉樹を見つけたので、そのまま採取に移ることにした。


「それじゃあ、新しい岩泉樹も見つかったことですし、さっそく採取していきますね」


 そう言って道具の入った鞄の中から大き目のハンマーを取り出す。そしてそのハンマーを岩泉樹の本体である幹に思い切り叩きつけた。


[ちょ!?]

[え?]

[はんまああああああああ!?!?]

[ぶっ壊したああぁぁぁあ!?]

[はぇ?]

[嘘でしょ]


 岩泉樹の幹を壊したことでその岩泉樹についていた枝が先ほど採取した時と同じように崩れていく。そしてそれと同時に枝についていたジュエルアップルは、枝が崩れた衝撃でさっきとは違いあらぬ方向へ飛んでいった。

 それを落ちないように急いでかつ傷付けないように慎重にキャッチする。今回は岩泉樹になっていたジュエルアップルの数は2つだったので、どうにか両方とも落とさずに確保することが出来た。


「これが今回紹介しようと思った本命の採取方法です」


[いやいやいやいや]

[こんな採取方法ある?]

[キャッチした時の動きエグかったけど!?]

[宝石リンゴ変な方向飛んで行ってたけど、良く落とさなかったな]

[そもそも岩泉樹壊して大丈夫なのか]

[次に取りに来る人からしたら最悪の取り方じゃない? これ]


 採取すると言って突然岩泉樹を壊してジュエルアップルを手に入れたことで、困惑しているようなコメントやその後を心配しているコメントがいくつも流れてくる。


「岩泉樹については時間が経てば普通に元通りになるので問題ないですよ。岩泉樹もあくまでダンジョン内の生成物の1つなので」


 先ほど折った枝も時間経過で元通りになるし、岩泉樹を根元から破壊しても数時間で完全に元通りになるのだ。それに枝を折ろうが本体を破壊しようが、ジュエルアップルがまた採取できるようになるまでにかかる時間はほとんど変わらない。


[ほんまか?]

[それもそうか。鉱石だって採取した後しれっと採取した場所元通りになっているんだよな]

[にしてもいきなり壊すのはびっくりするわ]

[確かに事前に説明されるより反応はよくなるだろうけども]

[面白いって、それ朱鳥ちゃん側から見た時のことじゃね?]


 視聴者を驚かせるようなやり方に少し不満がありそうなコメントがいくつか流れてきたが、無視して話を進める。


「今回の方法で採取すると少しだけジュエルアップルの見た目が変わるんです。先ほど採取したジュエルアップルと比べてみるとよくわかると思います」


 対応する枝を折って採取ジュエルアップルと今採取したジュエルアップルを一つずつ手に取り、比べ易いように横に並べる。

 枝を折った方は普通に綺麗な透明を保ったジュエルアップルだが、今採取したジュエルアップルは透過する光の角度によって表面が虹色に見える状態になっている。


「見てわかる通り、岩泉樹を破壊して採取した方はアイリスクォーツ、俗に言うレインボークリスタルのような見た目になります」


 アイリスクォーツは水晶内にあるクラックなどにより表面が虹色に光るなるもので、このジュエルアップルの表面が虹色に光る原因はおそらく違うけど、実物に起きている現象はほぼ同じものだ。


[おぉ]

[確かに光が反射しているところ虹色になっているな]

[何がどうしてこうなるんだろうか]

[ちょっと派手かも?]

[レインボークリスタルの置物とかあるし、それと同じような感じで置くのかな]


 そしてこの採取方法の一番いいところは、今まで採取する時にハードルとして挙がっていた魔力操作を必要としないところだ。


「今回の採取方法、気づいている人もいると思いますが、魔力関連の技術を一切使わないで採取できるものなので、コツさえつかめば誰でも採取は可能です」


 失敗すると最初に採取したジュエルアップルと同レベルの質まで落ちてしまうから、諸刃の採取方法ではあるけどね。


[ぶっ壊すだけだから確かにそうか]

[魔力使わないのはいいけど、失敗した時のリスク高そう]

[そもそも吹っ飛んだジュエルアップルを無傷でキャッチするのが難しい気が…]

[1人じゃ厳しそうだよな]

[朱鳥ちゃんが1人で採取しているのがおかしいだけでしょ]


「そうですね。モンスターも普通に出てきますし、複数人で採取しに来た方が安全にうまく採取できると思います。

 この採取方法のコツは躊躇わず勢いよく岩泉樹の根元付近を一気に破壊することです。幹の上の方だったり躊躇って中途半端な力で破壊してしまうと、破壊した時の衝撃でジュエルアップルが枝から落ちてしまい、最初に採取したような中身が霞んだ物になってしまいます」


 コツさえつかんでしまえばそこまで難しい採取方法ではないので、この階層まで到達して普通に採取できるシーカーやコレクターであれば容易に取ることはできると思う。


[やっぱそうなのね]

[失敗リスクはちゃんとあるのね]

[だるま落としとか、クロス引きみたいな感じで上に乗っているのを落とさないようにしないといけないって感じか]

[だるま落としは確かにそうか]

[売値ってさっき採取したのと違ったりするん? こっちの方が高い?]


「確かに採取方法のイメージとしてだるま落としはかなり近いと思います。

 ギルドの卸値は先ほど採取した物と値段はほとんど変わりません。買い取りのタイミングによってはこちらの方が高くなったり低くなったりすることもありますが、現在はほぼ同じ価格での買い取りだったはずです」


 この方法で採取しても表面の光方が変わるだけで質自体に変化はないんだよね。だから売った時の値段はほとんど変わらない。

 状況というか在庫数によって買い取り価格が変わるくらいかな。基本的にダンジョン産のこういった物は需要の高低で値段が大きく変動するものだから、ジュエルアップルも売った時に需要が高い方が高く買い取ってもらえる。


「一応値段としては、このジュエルアップルなら50万円前後だと思います。先ほど採取した物も同じくらいです」


 ただ、このダンジョンで採取できるジュエルアップルの色は地味目だから、今採取した虹色に光る方が高額になりそうだけども。


[50万……]

[高いのかな]

[採取自体は簡単だし 数は取れないけど]

[クレセント鉱石とかに比べれば高いが、じゃあ稼ぎやすいかと言われれば微妙]

[50万で微妙な感覚になるのかなり金銭感覚バグってて草]

[適当にモンスター倒して魔石取った方が楽そう]


「あくまでこのダンジョンで採取できるジュエルアップルの値段なので、人気のある色や香りであれば100万円を超える物あります。まあ、この値段が綺麗に採取したジュエルアップルの最低買い取り価格みたいなものですね」


 色や香りの他にもサイズで値段は変わるから、本当に人気の色、人気の香りでサイズも申し分なければ買い取り価格が1000万を超えるものも存在していたりするんだよね。

 

[ふーん]

[サイズも大きくないし、採取の仕方もそこまで難しくないのなら、見かけたらちょっとした足しとして取ってくるのはありなのかな]

[これって朱鳥ちゃんが採取した物って売り出されたりしますか]

[売りに出しても即行で売り切れそう]

[宝石樹は即効で売り切れたから、それと同じことになりそう]


 前の将軍豚の肉や宝石樹のかけらみたいにギルドの直売所で売り出してもらうことはできるけど、この階層にあるジュエルアップルを採取し尽くしてもそこまで多くは取れないと思うから、売るってなってもなかなか難しいところ。


「どうしよう。うーん。とりあえず取れるだけ採取してみて、その数を見てから判断することにしましょうか」


[おkよ]

[ありがとー]

[普通に買うことはできるけど、配信中に採取した物を手にするってなかなかできることじゃないのよね]

[たくさん取れろ沢山取れろ]


 そうして、このエリアに存在しているジュエルアップルをすべて採取するため、新たな岩泉樹を探し始めた。

 

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