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もり
「桜の下には死体が埋まってる」
なんて、よく言いますね。
実際のところ人の死体一個分ほどの栄養で桜が綺麗に咲かせられるなら今頃土葬の墓場は森にでもなってないと可笑しいわけですが。
そういえばマンドレイクとは絞首刑に処された罪人の精子から生えるなんて逸話もありました。
ただのタンパクの塊から植物が生えるなんてこれもまた甚だおかしな話です。
しかし植物には人の命を吸い取っている、と認識されることが日本でも海外でもあるわけです。
ところで日本の家屋の9割以上は木造の建築なんです。
いいですよね、木の棚とかベッドとか温かみが感じられて、温もりがあります。
先ほど人の死体程度の栄養で木が育つなんておかしな話だと一蹴しましたが、人の命と植物には密接な関係があるのかもしれませんね。
人の命を魂を奪い取る、多くの人にそう感じさせられる何かが植物にあることは確かなのですから。
やっぱり無骨なコンクリートやレンガより木の温かみってなんだか安心しますよね。
人の温もりのようで。