第1章 「女の子になっちゃった!?」
「チュンチュン」
スズメの鳴き声で、朝が来たことが分かる。珍しいな~目覚ましより…先に目が覚めるなんて。
ゆっくりと目を開けると…見慣れた天井…そう俺の部屋だった…なんだ~やっぱり夢だったか…。
まぁいいや…せっかくの早起きだし…起きようかな?
「ふぁ~~よく寝た…」
欠伸しながら上半身を起こし、ゆっくり体を伸ばしてみる。
しかし…変な夢を見たようだが…内容をまったく思い出せない。
喉の奥まで出てきてるのに…思い出せないという…もどかしさを感じながら、起きようとする。
う~ん…何かが違う。いつもの朝なのに…何かが違う感じがする。
なんだろう?すごく違和感を感じる。
「俺、こんな声してたっけ?……あーあー…まるで…女の子の声じゃん…」
さっきから感じていた違和感が…現実になりつつある。
ゆっくり自分の体を見てみる…。細い腕…細い足……胸!?
そーっと自分の胸に手を持っていき…揉んでみる…柔らかいな~。
おかしい…なぜ俺に胸があるのか…どうみても…女の子に?なってるじゃないか!
「…まだ夢の続きなのかな…そうだ!そうに決まっている…」
もう一眠りするかな…おやすみ~。
ベットに潜りなおして…しばらくすると…。
『コンコン』
俺の部屋をノックする音がする…あれ?ここ夢じゃないの!?
『さっさと、起きてきなさい!学校、遅刻しちゃうわよ!!』
え??母さん……夢にまで起こしてくれるなんて…なんて…息子思いなんだ~。
…それにしても…夢としては、すごく…リアル過ぎ…じゃないですか…。
ここはベターだけど…ほっぺたをつねってみることにした。
むぎゅう!!!
「痛いっ!?…本当に…夢じゃないのか。」
まっまさか…本当に女の子になってしまったというのか…とにかく…確認だ!
部屋の中にある、姿見鏡の前に近づいてみる…。
「鏡ー!鏡っと!……なんだ、これ?…女の子に…なってる……しかも…かなり可愛い…」
鏡に映っている…女の子は、言葉で言い表せれないほど…綺麗な…どちらかと言えば、可愛い部類だ。
とても自分とは思えない…芸能人を間近で、見ている感覚…。
やばい…可愛すぎる…これ本当に俺なのか?鏡の前で、右手を挙げてみる…。
『ヒョイ』
当然、鏡の中の女の子も…右手を挙げている…次は…そうだな、笑ってみることに…。
『ニコッ』
うわっ…すごく可愛い…ポッ…顔が赤くなってる…なにこれ!?マジやばい…可愛すぎるんだけど!
『ねぇー起きてるの!?さっさと着替えて、朝ご飯を食べにきなさいよ!』
『スタスタ…』
母さんは階段を下りていった…はっ!?現実に…戻されてしまった…。
時間を見るために…部屋の時計を確認する…やばい!学校に遅れてしまう!!
…その前に…この状況をどうする!?どう説明すれば…いいのだろうか…。
「女の子に…なっちゃいました~てへ♪」
うわっ…自分で言って、吐きそうになったし…何を言ってるんだ?俺は…キモすぎるだろう!
そんなバカげたことをやってる時間もないし、兎に角、着替えて…学校へ行かないと!
いつものように…洋服ダンスから、制服を出してって…何だ!?これは!
「…俺の服…女物しかない…どっどう言う事だよ、これは…」
俺は男だよな?でも今は女…どうなっているのだ!?いくら考えても…答えが出るはずもない。
昨日までは確か…男だった…はず、その記憶も…全部は覚えてないが…かすかに覚えている。
今は…ゆっくりと考えている暇はない!兎に角、着替えることにした。
『ヌギヌギ…パサッ!』
パジャマを脱ぎ捨て、下着姿になる。
え!?…下着まで…女性物だよ…いつの間に…着替えたんだよ…。
ふふ~ん♪俺好みの下着じゃないか…青と白のストライプ…しましま…可愛いな~。
「は!?見とれている場合じゃ…なかった…ホントに時間がない!さっさと着替えよう」
見とれている自分から…我に戻して…制服に手をかける。
しかし…どうやって着るんだ!?女子の制服って…。
そう思っていたものの…いざ着替え始めると…身体が覚えてるような感覚と言うのか…勝手に動いて、
あっという間に着替えることが出来た…なにこれ!?意味が分からない…。
我が高校のセーラー服…いつも女子達を見ては…短いスカートに興奮を覚えていたのだが…。
いざ自分が着ると…なんて短いんだよ…。こんなの、パンツ見えちゃうじゃん!?
良く平気な顔して、動き回ってるものだよな…恥ずかしくないのか?まったく…。
…でも、よく見ると…制服姿も可愛いな~。
鏡に映る…制服姿の女の子…学校一の美少女にも、負けるとも劣らない…その可愛さ!
ヤバイ…調子に乗ってポーズをとってしまう…楽しすぎる!
「ダメだ!ダメだ!…マジで時間がないぞー!さっさとご飯を食べないと!」
『ガチャ…バタン』
自分の部屋を出て、階段を下りて…1階の台所から、母さんの声が聞こえてくる。
「はやくしなさいよ!!さっさとご飯食べちゃいなさーい!」
「はいはい、今行くよー!」
あわてて食卓に向かうと、母さんはまだ台所で何か作業をしていた。
朝ご飯の用意をしており、すぐに食べられる状態だった。
「母さん、おはようー」
簡単に挨拶を終え、すぐさま、朝ご飯を食べようとすると…。
「あなたも、もう高校生なんだから…自分で起きるようにしないと…ダメよ?」
「分かってるよ、頑張って起きるから…それよりも…朝ごはん食べるから!」
母さん…時間がないのだから…説教は後々!母さんの話を半分、聞き流しながら…。
焼きたてのトーストに、バターを塗って…そのまま頬張る。
「深雪…あなたは、女の子なのだから…もっと、行儀よく食べなさい!」
え!?ちょっと待って…俺のこと…女の子…だって!?
その言葉を聞き、俺は思わず、声を出した。
「へ!?…母さん、今…なんて言った?」
「ん?…行儀よく食べなさいって、言ったわよ?」
「…違う…その前」
「女の子ってこと?…今更、何を言ってるの?あなたは…自覚ないの??」
ちょっちょっと、まてまてまて!本当に…何を言ってるのだ?母さんは…。
俺のことが…女の子になっているだと?部屋の中にある服と良い…母さんの言動と言い…、
俺は…男ではなくて…女として…扱われているのか!?理解できず…悩んでいると…。
「深雪!ゆっくりしてる時間なんて…ないでしょ?早く、学校へ行きなさい!!」
はい!?名前すら変わってるじゃないか…しかも深雪ってなんだよ…女の名前じゃん!
俺は良大って名前だったのに…これからの生活が…やりづらいな…。
兎に角…時間がない。あれこれと…うるさい母さんを無視して、
朝ご飯を終えて、玄関に向かった…。
「行ってきますー」
「気をつけて行ってらっしゃいー!」
「うわ…やばい!これは走らないと…絶対に間に合わないぞー!」
母さんに見送られ、元気よく外に飛び出した。
あれこれと色々と考えたいのだが…今は仕方がない、学校を遅刻するわけにも行かない!
学校に着いてから、ゆっくり考えることにしよう…兎に角、今は走ろう…。
走って、学校に向かうことにした…。




