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乙女《おんな》になっていく…。  作者: アルシィア
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第13章 「恋人事情…アイツと俺?…私??」

上機嫌な朋成と話しながら…俺の家に向かって帰る…今日は、朋成とゆっくりと話がしたかった…。

でも…いったい何を話するつもりだったのだろう…ホント、なんだっけ!?

最近の俺は、以前に比べて…そこまで悩むこともなく、今の日常がとても心地よく感じている…。

今だって…そう…。


「深雪が、マネージャーしてくれると…サッカー部のみんなは喜ぶぞ~♪」


「そっそうかな~でも…みんなのために私、頑張りたいな~」


「…でも、待てよ?マネージャーになると…深雪を独占…できなくなるよな…」


「んっ?独占??」


朋成がブツブツと…大きな独り言を言っている…俺のことで悩んでいるのかな??

こちらが話しかけても…答えることなく独り言は続く…。


「ぐわー!深雪が…可愛すぎるからな…俺の彼女とは…みんなには言いふらしているけど…」


「みんなの世話をして…笑顔を振りまいていたら…絶対…部員の誰かが、深雪を好きになるよな…」


さっきから何を言ってるのかな!?可愛いだの…好きになるだの…って、恥ずかしいのだけど!

でも…いったい誰に向かってしゃべっているの!?ちょっと…怖いんですけど!


「…そうだな…ここは、男として…決めるしかないな…」


「朋成~朋成ったら!」


「おうっ!?どっどうした、深雪?」


「どうしたも何も…さっきから1人で…ブツブツと、何を言っているの?」


「なっ何でもないぞ!?ちょっとした独り言だからな…気にするな~」


変なワードが、いっぱい出て来てたんですけど…気にするなとか言われても…、

とっ~ても、気になるんですけど!…もうすぐ、俺の家に着くし…そこできちんと話しようかな?

家には、母さんがいるし…朋成も変な気を起こして、手を出すとか…無いと思いたい…。


朋成と俺の家の距離は、そんなにも離れていない…。

俺の家があって…ナンパされた小さな公園を挟んで…向かいに朋成の家がある。

結構、ご近所さんだったりする。中学の時は…良く行き来をしたのだけど、高校になってからは、

行き来しなくなったよね…お互い、意識していたのかな?中学時代より…成長したからね。


自宅についたので、ドアを開け…中に入る。


『ガチャ』


「ただいま~」


「お邪魔しま~す」


「おかえり~深雪、あら…朋成くんじゃない?久しぶりね~いらっしゃい~」


母さんは、嬉しそうに朋成を迎え入れてくれた…良かった…母さんが家にいてくれた…。

俺は安心して、靴を脱ぎ、玄関に上がる…。そうだ!何か飲み物でも持って行こうかな?


「朋成、飲み物を持って行くから…先に上がってて」


「あいよ~」


朋成を俺の部屋へ行くように促した…、朋成はそれに応じて、階段を上がっていく…。

飲み物は何にしようかな?確か…冷蔵庫の中にカルピスが入っていたはず…それにしようかな?

朋成は、甘いものにも抵抗がないし…冷蔵庫で色々と物色していると…母さんが話しかけてきた。


「どうしたの?朋成くんを深雪の部屋に呼んだりして…あなたたちって、そんなに進展してたんだ?」


「えっ!?そっそんなんじゃないよ?…ちょっと、朋成と話したいことがあるだけ…だから」


何もない!…はず、疚しいことなんか…考えていないし…。

でも…俺は、いったい…何の話をするつもりだったんだろう…?

何に拘っていたのか…う~ん、思い出せない…大した内容じゃなかったのかな?まぁいいかな。


母さんと話しながら、冷蔵庫にカルピスを発見し、2つコップを食器棚から取り出す。

冷凍庫から氷を取り出して、カルピスを注ぎ…水を足してスプーンでかき混ぜる。

よし!これでOK~丸形のトレーにコップを乗せて、ストローつけてっと…これで完成!

トレーを持って、リビングから出ようとすると…母さんは話し続けていた…。


「ふ~ん、そんなの…別に家じゃなくても、良いじゃないかしら?」


「はは~ん、深雪~!あなた…期待してるんじゃないの?」


「ばっ馬鹿なことを…言わないでよ!そんなのじゃないし!!…母さん、もう行くね」


早く部屋に上がらないと…何時までも…母さんに弄られてしまう…。

ニヤけてる母さんを無視して…さっさと行くことにした。


「…みゆき~、ちゃんと…避妊はしなさいよね?」


「もうー!違うって!!」


急に何を言いだすかな…この親は!?…何もないから…あるはずもないから…。

そう自分に言い聞かせながら…自分の部屋へ行くために階段を上がっていく…。


自分の部屋の前に来ると…さっきの母さんの言葉が蘇る…ドキドキしてきた…。

1回、深呼吸をして…すーはー…、うん、大丈夫!ドアノブを回して…扉を開ける。


『ガチャ…』


部屋の扉を開けて、中の様子を伺って見ると…朋成の様子が、なんだか怪しい…。

何を焦っているのか…あたふたしている…しかも手を後ろにして…何かを隠している感じだし…。


「お待たせ~…って、朋成~何をしいてるの?」


「えっ!?いっいや…何もしてないぞ?」


ますます怪しいと感じ、朋成の目をジーっと見つめる…あっ!目を反らした!?

俺の部屋で、何かしてたな~隠した右手がすごく気になる…。


「んー…その隠した…右手を前に出して…」


「はい…」


「左手じゃないから!…もう、良いから早くー!!」


「深雪ー!何でもないから、気にするなって!!」


俺は持ってきた、飲み物をテーブルに置いて…朋成の隠した右腕を掴んで…

前に持ってこさせようとする…むー抵抗してるし…こうなったら…!朋成の脇腹を擽ることにした…。


「うひゃひゃ!?…深雪~まっ待って、待ってくれって~!」


朋成は、脇腹が弱いことを知って…その脇腹を擽ると、あっという間に力が抜けていって…、

何とか…朋成の右腕を前に持ってきてのだけど…何を掴んでいるのか…。

よく見てみると…え!?俺のパンツ…だと??…もう、何を考えているの…このバカは…。


「朋成の…変態…」


「あ~いっいや…なんだ、その…久しぶりにさ~深雪の部屋に来て…なんだか興奮してしまって…」


「洋服ダンスが、な?…ちょっと開いていたから…つい、覗き込んでしまったんだ…深雪、ごめん!」


朋成は…しどろもどろになりながら、何とか俺に…弁解しようと必死だった…。

何て顔をしているのだろう…この世の終わり?みたいな顔をしちゃって…すごく笑える。


「…もう~私の下着なんて持って、どうするつもりだったの?」


「…本当に、ちょっとした出来心なんだ…ごめん、深雪ー!こんな俺を…許してくれー!!」


ついに…土下座までしてきちゃったよ…そこまで俺は…怒ってはいないのだけど…。

下着を返してくれたら…別に良いかな?…これ以上、朋成を責めるのも可哀そうに思えてきた…。

ホント、仕方ないな~もう…。


「…土下座なんていいから…私の下着を返して」


「…はい、ごめんなさい…」


「…何を考えてるの…もう…」


ちょっと変な雰囲気になっちゃったけど…朋成の…バカな行動のおかげで、

少し、肩の力が抜けて緊張が解けたし…兎に角、さっさと下着を片づけてよう…。

がっくりしている朋成を余所に、洋服ダンスの方へ向かい、下着をたたんで…中に入れて…っと。

開いていた洋服ダンスを閉めて、朋成の方に振り返ろうとすると…。


「…深雪」


「え!?…朋成?」


一瞬、何が起きたのか、分からなかった…俺の背中に、熱いものを感じるのだけど…。

朋成が、俺を後ろから…抱きしめてきたのだった…この流れで…いったい何が!?

せっかくさっきの出来事で収まっていた、胸のドキドキが…止まらなくなってしまった…。

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