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第89話 彼女の甘い誘惑

 しかし、そんな一輝を観て、綾香は直ぐに一輝が何を思っているのか悟ったのか。

「あっ、もしかして、一輝くんはこれが間接キスになるからとドキドキしているのですか?」

 綾香はそんな事を聞いて来たので。

「……まあ、そんな感じです」

 一輝が正直にそう答えると。

「もう、気にしなくても大丈夫ですよ、一輝くんは私の彼氏ですから、それに私たちはもう本当のキスも何度もしているので、今更間接キス位で恥ずかしがることもないですよね?」

 綾香はそう言ったので。

「……まあ、そうですね」

 一輝はそう返事をすると、フォークでチョコレートケーキを一口サイズすくった。そして、

「綾香さん、どうぞ」

 一輝はそう言って、綾香の口元へケーキを持って行ったが。

「もう、違いますよ、一輝くん」

 綾香はそう言った。そして、その言葉を聞いた一輝は数ヶ月前のことを思い出して。

「そういえばそうでしたね……綾香さん、あーん」

 少し恥ずかしがりつつも、一輝がそう言うと。

「あーん」

 綾香もそう言いながら、自分の口元をゆっくりとケーキの元へと持っていき、そのままケーキを口元に入れた。

 そして、綾香は暫くの間、口元を可愛らしくモグモグとさせていたが、その後、少ししてケーキを飲み込んだので。

「えっと、どうでしたか?」

 一輝がそう質問をすると。

「ええ、一輝くんの言う通り、このケーキもとても美味しいですよ」

 綾香は笑顔を浮かべてそう言ったので。

「そうですか、それはよかったです、わざわざ綾香さんが来てくれたので、きっと母さんがいいケーキを買ってくれたんでしょうね」

 一輝はそう答えると。

「確かに一輝くんの言うことも一理あると思います、でも」

 そこまで言うと、綾香は一度言葉を切ってから。

「一輝くんのフォークで食べていたのも理由の一つだと思います、そのお陰で一輝くんとキスをしていた時の感触も少しだけ感じられた気がしましたから」

 綾香はそんな事を言ったので。

「……そうですか」

 一輝は何と言っていいか分からずそう答えた。すると、

「ええ、そうです……えっと、それではお返しに一輝くんもどうぞ」

 そう言うと、綾香はショートケーキを一口サイズ分、自分のフォークですくってから持ち上げると。

「一輝くん、あーん」

 綾香はそう言いながら、ケーキが乗ったフォークを一輝の口元へと持って来たので。

「……あーん」

 少し恥ずかしいと思いつつも、一輝は素直に綾香のケーキをそう言って食べた。すると、

「一輝くん、どうですか?」

 綾香はそんな事を聞いて来たので。

「……ええ、とても美味しいです」

 一輝はそう答えると、恥ずかしさを誤魔化すようにコップに注いでいたジュースを飲み始めた。すると、

「そうですか、それならよかったです……ところで一輝くんは私とキスをしていた時の感触を感じられました?」

 綾香は唐突にそんな事を言ったので。

「ぐほっっ!!」

 唐突にそんな事を言われて、一輝は思わず飲みかけていたジュースを喉に詰まらせてしまった。すると、

「一輝くん、大丈夫ですか!?」

 綾香は驚いて、少し慌てつつも一輝の背中を優しく擦り始めた。

 そして、暫く綾香に背中を擦ってもらえたので、一輝は落ち着きを取り戻してから。

「……はあ、ありがとうございます、綾香さん、お陰で落ち着きました」

 一輝がそうお礼を言うと。

「いえ、気にしないで下さい、そもそもそんな事になったのも全て私が原因ですから」

 綾香はそう言った。そして、

「ところで、一輝くんはケーキを食べた時に私とキスをした時の感触はしましたか?」

 綾香は改めてそんな事を聞いて来たので。

「……正直、僕にはその感覚はよく分かりませんでした、恥ずかしい話ですが綾香さんとキスをしている時はいつも緊張してしまっていて、キスをしている時の感覚がどんな感じなのか、全く覚えていませんから」

 一輝がそう言うと。

「そうなんですか……」

 綾香は少しだけ残念そうな口調でそう言ったが、その後、何を思ったのか小さく笑みを浮かべると。

「それでは一輝くん、今から私とキスをしますか? そうすれば私とキスをしたらどんな感触がするのか分かると思いますよ」

 綾香は唐突にそんなことを言ったので。

「えっ、今ですか?」

 一輝が少し驚いてそう言うと。

「ええ、そうです」

 そう言うと、綾香は座ったまま自分の体を一輝の方へ向けて来た。

 そして、綾香は自分より少し背の高い一輝のことを上目遣いで見つめながら。

「一輝くんは今私とキスをしたくはありませんか?」

 綾香はそんな事を聞いて来た。

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