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第88話 休憩時間

 そして、その音を聞くと。

「……はい」

 綾香は控えめにそう返事をすると、彼女は立ち上がってから一輝の部屋のドアを開けた。すると、

「あっ、立花さん、そろそろ3時だからおやつを持って来たわよ」

 ドアを開けると、一輝の母は綾香の顔を観てそう言った。なので、

「ありがとうございます、お母さん」

 綾香がそう答えると。

「いえ、気にしなくてもいいわよ」

 そう言って、一輝の母は一輝の部屋に入って来たので、綾香と一輝は机の上に広げていた勉強道具を片付けると。

 一輝の母は机の上におやつとジュースの乗ったお盆を机の上に置いた。そして、

「立花さん、今日は何時まで家にいる予定なの? もし遅くまで居るのなら、今日は立花さんの分の夜ご飯も私が用意するわよ」

 一輝の母はそんなことを言ったのだが。

「いえ、おやつまで用意してもらったのに晩御飯まで作ってもらうのはさすがに申し訳ないです。それにまた外が暗くなって、一輝くんに家まで送ってもらうわけにもいかないので、今日は17時くらいには私は家に帰ろうと思っています」

 綾香は少し申し訳なさそうにそう言った。すると、

「そう、それは残念ね、でも、今度家に来た時にご飯が欲しくなったら遠慮なく言ってね、立花さんの為なら、私は腕によりをかけて美味しい料理を作るから」

 一輝の母は張り切った様子でそう言ったので。

「分かりました……その、お母さん、色々と気を遣って頂いてありがとうございます」

 綾香がそう答えると。

「気にしなくてもいいわよ、立花さんには色々と息子がお世話になっていると思うし、それにもしかしたら、立花さんは一輝のお嫁さんになってくれるかもしれない女性だからね、今の内に家の家庭の味を知っておいてもらうのも悪くないと思っただけよ」

 一輝の母はそんなことを言ったので。

「ちょっと母さん、何を言っているんですか、急にそんなことを言われたら、綾香さんが困ってしまうよ」

 一輝が慌ててそう言ったのだが。

「いえ、そんな事はありません、このまま私と一輝くんが上手く行き続けたらそうなる未来もあるかもしれません、なので、もし私が一輝くんのお嫁さんになったら、お母さんはこの家の家庭の味を教えてください」

 綾香は笑顔でそんな事を言ったので、その言葉を聞いた一輝の母はテンションを上げてしまい。

「ええ、勿論よ!! それじゃあ二人はそんな素敵な未来を迎えるためにおやつを食べ終えたら勉強を頑張ってね!!」

 笑顔でそう言い残すと、そのまま一輝の部屋を出て行った。そして、

「それでは一輝くん、お母さんが持って来てくれたおやつを早速頂きましょうか」

 綾香がそう言ったので。

「ええ、そうですね……あの、綾香さん」

「何ですか?」

 綾香がそう聞き返すと。

「母さんにあんな事を言ってよかったんですか? 綾香さんは冗談のつもりだとしても、母さんは本気にしてしまうと思いますよ」

 一輝は綾香の事を心配してそう言ったのだが。

「大丈夫ですよ、一輝くん、私が一輝くんのお嫁さんになりたいという気持ちは冗談ではなく私の本心ですから、でも、一輝くんは私と結婚するのは嫌なのですか?」

 綾香はそう言い切って、その後、一輝に向けてそんな質問を投げかけて来たので。

「いえ、そんな事はないです、僕は綾香さん以上に素敵な女性はこの世には居ないと思っています。だから、そんな世界一素敵な女性である綾香さんと結婚できるのなら、僕にとってはこれ以上に無いくらいに幸せなことですし、僕も出来るのなら綾香さんと結婚したいと思っています」

 一輝は正直に自分の気持ちを答えると。

「もう、一輝くんは相変わらず大袈裟ですね、世の中には私なんかより素敵な女性なんて幾らでもいると思いますよ。でも、例えお世辞でもそう言って貰えて嬉しいです」

 綾香は少し頬を赤く染めながらそう言った。しかし、

(お世辞じゃないんですけどね……)

 一輝は心の内でそう突っ込んだ。すると、

「それより一輝くん、早くおやつを食べませんか? あんまりのんびりしていると、勉強をする時間がなくなってしまいますから」

 綾香はそう言ったので。

「分かりました、そうしましょう」

 一輝はそう返事をすると、一輝は綾香の隣に座った。そして、机の上に置いてあるお盆を観ると。

「わあ、凄いですね、一輝くん、ケーキですよ」

 綾香はそう言った。そして、彼女の言う通りお盆の上にはショートケーキとチョコレートケーキが一つずつお盆の上に置かれていた。そして、

「一輝くんはどちらのケーキを食べますか?」

 綾香は一輝に対してそう質問をして来たので。

「綾香さんが選んでいいですよ」

 一輝がそう答えると。

「えっ、私から選んでいいのですか?」

 綾香はそう言ったので。

「ええ、勿論です、今日は綾香さんがお客様ですし、それになにより、このケーキは母さんが綾香さんのために買って来たモノなので、綾香さんが好きな方を食べて下さい」

 一輝がそう答えると。

「そうですか、分かりました」

 綾香はそう言うと、二つのケーキをそれぞれ見比べていたのだが。

「えっと、それなら私はショートケーキを頂きます、チョコレートも好きなのですが、ショートケーキの上に乗っているイチゴが魅力的なので」

 綾香は最終的にそう言ったので。

「分かりました、それなら僕はチョコレートケーキを食べますね」

 一輝はそう言うと綾香の前へショートケーキを持って行き、自分の目の前にはチョコレートケーキを置いた。すると、

「それでは一輝くん、早速ケーキを頂きますね」

 綾香はフォークを手に取ると、嬉しそうな笑顔を浮かべながらそう言ったので。

「ええ、どうぞ」

 一輝がそう返事をすると、綾香はフォークを使ってショートケーキを一切れすくってから、綾香はケーキを口に入れた。

 そして、綾香はその一切れを食べ終えると。

「うん、とても美味しいです、一輝くんも食べましょう」

 綾香は満足そうな笑顔を浮かべながら一輝に向けてそう言ったので。

「ええ、分かりました」

 一輝もそう返事をして、ケーキを一口分、口に入れた。そして、ケーキを食べ終えると。

「ええ、とても美味しいです、でも、綾香さんの食べているショートケーキもすごく美味しそうですよね」

 一輝がそう言うと。

「ええ、このショートケーキも凄く美味しいですよ、でも、一輝くんのチョコレートケーキも美味しそうですね」

 綾香はそんな事を言ったので。

「えっと、それならこのケーキを一口食べてみますか?」

 一輝がそう言うと。

「えっ、いいのですか?」

 綾香は少し驚いたようにそう言ったので。

「ええ、勿論ですよ、何なら一口とは言わず好きなだけどうぞ」

 一輝はそう言って、綾香の方へケーキを少し寄せたのだが。

「……もう、違いますよ、一輝くん」

 綾香はそう言ったので。

「えっ、あっ、その、何がですか?」

 何の事か分からず、一輝がそう質問をすると。

「ケーキをくれるのなら、一輝くんがあーんをして私に食べさせて下さい」

 綾香は少しだけ頬を赤く染めながらそう言った。しかし、

「えっ、もしかして、このフォークでですか?」

 その言葉を聞いて、一輝は自分の手元にあるフォークを観てそう言った。

 何故ならそのフォークは先程まで一輝が使っていて、このフォークを使ってあーんをすると綾香と間接キスをすることになってしまうからだ。

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