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第61話 二つの告白

 そして、その言葉を聞いた一輝は、

「えっ、僕たちのためですか?」

 颯太に向けてそう質問をすると。

「ああ、そうだ、少し前まで立花さんは色んな男子生徒から告白されて二人とも困っていただろ? だから、俺が黒澤さんに頼んでこの状況を変えてもらおうと思ったんだ」

 颯太はそう言った。しかし、

「少しだけ違いますね、正確には私から提案したんです、二人の現状を変える作戦を思いついたので、その作戦を実行してもいいですかと颯太先輩に伝えたら、先輩は了承してくれたので、お二人には迷惑をかけるとは思いましたが、最終的には上手く行くと思っていたので、私の兄さんにも協力をして貰って、一芝居打たせて貰いました。ただ、兄さんは茶番だと分かっていても、かなり負けず嫌いな性格なので、毎日本気でトレーニングをしていましたけどね」

 心愛はそんなことを言った。そして、その言葉を聞いた一輝は、

「そういう事ですか、でも、確かにこの勝負には色々と違和感があったので、黒澤さんの話を聞いて一応は納得しました。でも、黒澤さんはどうして僕たちのためにそこまでしてくれるのですか?」

 心愛に対してそう質問をした。すると、

「別に佐藤先輩のためではありませんよ、私がこんな作戦を実行したのは颯太先輩のためです」

 心愛はそんな言葉を口にしたので。

「颯太のためですか?」

 一輝がそう聞くと。

「ええ、そうです、私は小学生の頃から颯太先輩とは仲が良くて、先輩には色々とお世話になっていました。でも、最近の颯太先輩は佐藤先輩と立花先輩のことで悩んでいたので、私がその悩みを解決してあげて、今までお世話になった恩を返したいとそう思ったんです」

 心愛はそんな言葉を口にした。すると、

「そうなんですか、黒澤さんは先輩思いのいい後輩ですね」

 その言葉を聞いた綾香は心愛に笑顔を浮かべて、感心した様子でそう言った。しかし、

「立花さん、騙されない方がいいぞ、こいつはそんな純粋な人間じゃないからな」

 颯太は綾香に向けてそう言った。すると、

「もう、斎藤くん、幾ら仲のいい後輩だからって、女の子にそんなことを言うのは失礼ですよ」

 その言葉を聞いた綾香は颯太に向けてそう言ったのだが。

「いえ、大丈夫ですよ、立花先輩、私が純粋な人間では無いのは疑いようのない事実ですから」

 心愛はそう言ったので。

「黒澤さんがそう言うのでしたら、別に構いませんが」

 渋々ながら、綾香は納得した様子でそう言ったので。

「えっと、それなら、二人が今日話したかった事とは、その勝負のことですか?」

 一輝がそう質問をすると。

「まあそれも話したいことの一つですね」

 心愛はそう言った。なので、

「えっ、他にも話したいことがあるのですか?」

 一輝がそう質問をすると。

「ああ、そうだ」

 颯太はそう言ったので。

「えっと、それは何ですか?」

 一輝がそう質問をすると。

「……ああ、それはな」

 そこまで言うと、颯太は言い辛いことがあるのかその場で黙った。すると、

「先輩、約束はきちんと守ってくれますよね?」

 颯太の隣に座っていた心愛は彼の顔を観て、そんな言葉を口にした。なので、

「……ああ、分かっているよ」

 颯太はそう言うと、改めて一輝と綾香の顔を見てから。

「……突然だけど、俺は先週の日曜日から、ここに居る黒澤心愛と付き合っているんだ」

 二人に向けてそんな言葉を口にした。すると、

「……えっ、そうなのか?」

 一輝は驚いたようにそう言った。しかし、

「そうなのですね、おめでとうございます」

 綾香はそう言って素直に二人を祝福した。すると、

「ありがとうございます、立花先輩、颯太先輩と佐藤先輩は仲のいい友人同士なので、私は立花先輩とも仲良くなりたいと思っているのですが、いいですか?」

 心愛は綾香に対してそう質問をした。すると、

「ええ、勿論いいですよ、斎藤くんは一輝くんの大切な友人ですし、黒澤さんも斎藤くんのためとはいえ、私たちのために色々としてくれたので、その点でも私は感謝しているので、それくらいお安い御用です」

 綾香は笑顔を浮かべてそう言った。すると、

「そうですか、ありがとうございます!! それなら早速ですが、連絡先を交換しませんか?」

 心愛はそんなことを言った。そして、その言葉を聞いて、綾香は少しだけ悩んだが。

「分かりました、黒澤さんは信用できそうなので別に構いませんよ」

 綾香はそう言うと、スマホを取り出してお互いの連絡先を交換した。



 その後、四人は頼んでいた昼ご飯が順番に届いたので、雑談をしながら昼ご飯を食べた。

 そして、四人が全員昼ご飯を食べ終えると。

「そういえば、私から皆さんに提案があるのですが、聞いてもらえませんか?」

 心愛が唐突に三人の目を見てそんなことを言った。すると、

「何だ、いきなり?」

 颯太がそう言ったが。

「私は別に聞いてもいいですよ」

 綾香がそう言ったので。

「僕も大丈夫です」

 一輝もそう答えると。

「ありがとうございます、皆さん、それでは今からお話をしますね」

 黒澤心愛はそう言うと、一度言葉を切ってから。

「実は、私は明日、颯太先輩と一緒に初めてのデートに行きたいと思っているのです」

 一輝と綾香の方を見て綾香は笑顔を向けてそう言った。すると、

「そうなんですか、それは素敵ですね」

 その言葉を聞いた綾香はそう言ったのだが。

「おい、黒澤さん、俺はそんな話聞いてないぞ」

 颯太はそう言ったのだが。

「別にいいじゃないですか、先輩は明日、アルバイトは休みで一日中暇なのですから、私とのデートに付き合ってくれても、それとも、颯太先輩は私とはデートをしたくはないのですか?」

 黒澤心愛はそんなことを聞いて来た。すると、

「……いや、別に嫌ではないけど」

 颯太は少し歯切れが悪そうにそう返事をした。すると、

「なら別にいいですよね、颯太先輩」

 心愛は隣に座っている颯太のことを上目遣いで見上げてそう言った。すると、

「……ああ、分かったよ」

 颯太は渋々といった様子でそう言った。すると、

「ありがとうございます、颯太先輩」

 そうお礼を言うと、心愛は一輝と綾香の方へ振り向くと。

「でも、私は人と付き合うのは颯太先輩が初めてで、デートの経験も無くて色々と不安なんです。だから、もしご迷惑でなければ、明日の私たちのデートに佐藤先輩と立花先輩も付き合ってくれませんか?」

 二人の目を見て心愛は真剣な表情でそう言った。すると、その言葉を聞いた綾香は、

「えっと、それはもしかして、ダブルデートのお誘いなのですか?」

 そんな疑問を口にした。すると、

「ええ、そうです、というよりも私は特に行きたい場所があるわけでも無いので、今からここに居る四人でデートプランを練ってから、明日ダブルデートをしたいと思っているのですが、それでもいいですか?」

 心愛はそんなことを二人に聞いて来た。すると、

「私は大丈夫ですが、一輝くんはどうですか?」

 綾香がそんなことを聞いて来たので。

「僕もそれでいいですよ、ダブルデートというのは初めてなので少しだけ不安ですが、一応、皆知っている人なので多分大丈夫だと思いますから」

 一輝はそう答えた。すると、

「決まりですね、それじゃあ早速だけど、明日のダブルデートの予定を組みましょう!!」

 心愛は元気よくそう言った。このメンバーでは心愛は唯一の一年生で、他の皆が同じ学校の先輩ということもあり、普通なら多少は遠慮する場面なのかもしれないが。

 心愛はそんなことは一切なく、今日はずっとこのメンバーを取り仕切っていた。

 その後、四人はかれこれ一時間以上話し合って、明日のデートプランを組んだのだった。そして……



「佐藤先輩、立花先輩、今日は私たちのためにここに来てもらった上、明日も付き合って貰って本当にありがとうございます!!」

 ファミレスを出て、心愛は二人に向けてそうお礼を言った。すると、

「別にいいですよ、私は黒澤さんと話をしていて今日は楽しく過ごせましたし、それに明日一輝くんとデートできるようになって、私としても嬉しかったですから」

 綾香はそう言った。すると、

「そうですか、それなら良かったです、因みにお二人はこの後、何をして過ごすのですか?」

 心愛は二人にそんな質問をした。すると、

「そうですね、僕は特に予定は無いのですが……その、綾香さん、もしよかったら、この後二人で本屋にでも行きませんか?」

 一輝は綾香に向けてそう言った。すると、

「いいですね、最近は二人で本屋に行く機会が無かったので、久しぶりに行きたいです!!」

 綾香は嬉しそうな表情を浮かべてそう言った。すると、

「佐藤先輩も立花先輩も本当に仲が良さそうで羨ましいです、私たちもお二人の様な素敵なカップルになれるよう頑張らないといけませんね、ねっ、颯太先輩!!」

 心愛は颯太の目を見てそう言った。

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