表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】罰ゲームで学年一の美少女に告白したけど何故かOKされました  作者: 向井数人
第4章 お家デートと小さな歪み
31/132

第31話 散歩

 そして、綾香のそんな言葉を聞いた一輝は、

「……お手伝いって、一体なにをするのですか?」

 少し緊張した口調で綾香にそう質問をすると。

「そうですね……あまり過激なことは、私はまだする勇気は持てませんが、キスをするくらいなら、私たちはもうしても大丈夫だと思うのですが、一輝もそう思いませんか?」

 一輝の肩に頭を乗せたまま、綾香はそんなことを聞いて来た。そして、

「……キス」

 そんな言葉を聞いた一輝は、そう呟くとその場で固まってしまった。すると、

「ええ、私たちは付き合い始めて、もう一ヶ月経ったので、そろそろそれくらいのことならしても問題ないと私は思うのですが、一輝くんはどう思いますか?」

 綾香は一輝にそんなことを聞いてきた。なので、

「えっと……それは」

 一輝がそう言うと。

「それは、なんですか?」

 綾香はそう言った。そして、一輝はそんな彼女の甘い誘いに、思わず頷いてしまいそうになっていると。

「それはまだ、私たちには早いと思いまーす!!」

 タイミングよく? いや、寧ろタイミング悪くアニメの中のキャラクターがそんなセリフを言った。そして、その言葉を聞いた一輝は咄嗟に、

「えっと、すみません、綾香さん、そういうのは僕たちにはまだ早いと思いますし、それに今日はあまりそういうとこはしないという約束だったので、今日はアニメを観ながらのんびりと過ごしませんか?」

 そんな言葉を口にしていた。そして、その言葉を聞いた綾香は、

「……それもそうですね、分かりました、一輝くんの言う通り、今日はこのまま、のんびり過ごしましょう」

 そう言って、一輝の言葉に同意した。ただ、その言葉を口にした綾香はどことなく、少し悲しそうな声音をしていたような気がしたので。

 一輝は申し訳ないことをしてしまったなと思ったが、だからと言って、一度言った言葉を取り消すこともできず、そのままアニメの視聴を続けた。そして、



「綾香さん、ここまで観てこのアニメのことをどう思いましたか?」

 三話目のエンディングを迎えると、一輝は一度、アニメを止めて綾香にそう質問をした。すると、

「そうですね、事前に思っていた通りキャラクターも可愛くて話も面白いので、一輝くんさえよければ私はこのまま視聴を続けても大丈夫ですよ」

 綾香はそう言ったので。

「分かりました、それならこの後もこのアニメを観続けましょう」

 一輝はそう言った。すると、

「分かりました……ただ、申し訳ありませんが十六時くらいになったら、アニメを観るのを一度中断してもいいですか?」

 綾香はそんなことを言ったので。

「ええ、いいですけど、なにか理由があるのですか?」

 一輝がそう質問をすると。

「実は、十六時になったら私はコタロウを散歩に連れて行ってあげないといけないのです。いつもは私のお母さんがやってくれているのですが、今はお父さんと一緒に旅行に行っていて、その間のコタロウの世話は全て私がやることになっているので」

 綾香はそう言った。なので、

「そうですか、それなら仕方がないですね、分かりました、それなら十六時までは引き続き、アニメを観続けましょう」

 一輝はそう言って、アニメを続きから再生した。そして……



「そろそろ時間ですね」

 アニメの九話を見終わった頃、丁度十六時が迫っていたので、一輝は綾香に対してそう言った。すると、

「そうですね、それなら私は今からコタロウを散歩に連れて行くのですが、一輝くんはどうしますか? コタロウの散歩はかなり時間が掛るので、少し早い気もしますが、一輝くんはもう家に帰りますか?」

 綾香は一輝に対してそんなことを聞いてきた。そして、その言葉を聞いた一輝は、

「その、もしよかったらその散歩に僕もお付き合いさせてもらえませんか? 僕はできればもう少し、綾香さんと一緒に居たいので」

 綾香に対してそう言った。すると、

「勿論いいですよ、それなら私と一緒に散歩に行きましょう!!」

 綾香は嬉しそうな笑みを浮かべてそう言うと、インターネットを閉じてからパソコンの電源を落としてから、一輝と一緒に自分の部屋を後にした。

 そして、綾香はリビングの床で昼寝をしていたコタロウを起こすと、首輪を付けてから彼女はリードを握って、一輝と一緒に家を出てコタロウを散歩に連れて行った。

 そして、暫くの間、二人はコタロウを連れて綾香の家の傍の住宅街を歩いていると。

「あら、綾香ちゃんじゃない」

 近所のおばさんがそう言って、綾香に話しかけて来た。なので、

「ええ、こんにちは」

 綾香もそう言って、おばさんに挨拶を返した。すると、

「今日は綾香ちゃんが犬の散歩をしているなんて珍しいわね、お母さんはどうしたの?」

 おばさんは綾香にそんなことを聞いてきた。なので、

「家のお母さんは、今はお父さんと一緒に泊まりで旅行に行っているので、ゴールデンウィーク中は私がお母さんの代わりに、この子の面倒を見ることになっているのです」

 綾香はそう言って、おばさんに事情を説明した。すると、

「あら、そうなの、相変わらず立花さんの家のご夫婦は仲がいいようで羨ましいわ」

 おばさんは綾香に向けてそう言った。そして、

「因みにだけど……綾香ちゃんの隣にいる男の子はもしかして、綾香ちゃんの恋人かしら?」

 おばさんは綾香に対してそんなことを聞いてきた。なので、一輝は綾香がどんな反応をするのかと、黙って見ていると。

「……ええ、そうです、一輝くんは私の大切な彼氏さんですよ」

 綾香は頬を赤く染めて、少し声を小さくしてそう言った。すると、

「きゃあー!! もう、なに、その初心な反応!! 今日の綾香ちゃんは可愛すぎるわよ!!」

 おばさんはそんな声を上げながら、年甲斐もなくそう言ってはしゃいでいた。そして、暫く経つと、おばさんは少し興奮した口調のまま。

「えっと、それでそこにいる彼氏くん!!」

 そう言って、おばさんは一輝に話しかけてきたので。

「えっ、あっ、はい、なんですか?」

 一輝がそう返事をすると。

「貴方、折角綾香ちゃんみたいな素敵な彼女を手に入れたのだから、彼女に嫌われないように彼氏としてしっかりと振る舞うのよ!! 綾香ちゃんと別れたら、多分貴方は一生後悔することになると思うわよ、綾香ちゃんみたいな素敵な女の子なんて、滅多に居ないんだから!!」

 おばさんは口早に一輝に向かってそう言った。なので、

「……ええ、分かっています、綾香さんほどの素敵な女性とは多分、僕はもう二度と出会えないので、嫌われないように精一杯頑張ります!!」

 一輝はおばさんの勢いに押されつつも、語尾を強めてそう言った。すると、

「そう、それならいいわ、さて、それじゃあ私はもう行くけど、二人とも散歩デートを楽しいんでね」

 おばさんはそう言って、二人の元を離れた。すると、

「……すみません、一輝くん」

 綾香がそう言ったので。

「えっと、なにがですか?」

 一輝がそう質問をすると。

「その、いきなりあんなことを言われて少し困ってしまったでしょう? 本来なら、顔見知りである私が上手くフォローすべきだったのでしょうが、私はあそこまで押しが強い性格ではないので、つい勢いに押し切られてしまいました」

 綾香は一輝に向けてそんなことを言ったので。

「そんな、気にしないで下さい、あの勢いで来られたら多分誰も上手く対処できないと思うので仕方がないと思います、それに」

「それに、なんですか?」

 綾香がそう質問をすると。

「あの人の話を聞いて、僕は改めて綾香さんが彼女で居てくれることが幸せなことだと気付くことができました、色々と不甲斐ない駄目な所だらけの彼氏ですが、少しずつでも改善できるところは改善して行きたいと思っているので、これからも僕の彼女で居て下さい!!」

 一輝はそう言って、綾香に頭を下げた。すると、

「いえ、こちらこそ色々と足りていない彼女ですが、今後ともよろしくお願いします」

 綾香もそう言って、一輝に軽く頭を下げた。すると、

「……ワン!!」

 いつまでもその場で動かなかった二人に対して少し不満を覚えたのか、コタロウは二人に向かってそう吠えた。すると、

「あっ、ごめんなさい、コタロウ、いつまでも散歩を中断してしまって……えっと、一輝くん、そろそろ散歩を再開しましょう!!」

 綾香はそう言ったので。

「ワン」

「分かりました、そうしましょう」

 二人は各々そう返事をして散歩を再開した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ