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冒険者ギルド

 

 門番の女の人に言われたとうりに、門からまっすぐに進んで石作りの大きな建物についた。


 ここが冒険者ギルドか〜結構大きいな〜


 そんなことを思いながらドアを開け中に入る。


 どうやらこの冒険者ギルドは酒場と一体になているようだ、鉄とアルコールの匂いがする。


 中に入るとカウンターでお酒を飲んでいる人や掲示板を見ている人が一斉にこっちを見てくる。物珍しがられてる?緊張しちゃうな〜


 全員女性だ、男の冒険者もいると思ったんだけどいないのかな?ってかこの世界に来てから一度もい男性を見てない。


 多分受付だろう所に行く。受付は全部で5個ありどこに行くか迷ったが1番可愛い人の所に行こう!


「あの〜すみません」


「は、はい なんでしょうか?」


 若干僕が来たことに驚いた顔をしながら、その背の低い受付嬢さんは返事をした。






 私の名前はフローラ、ギルドの受付嬢をしている。


 ギルドの受付嬢とは、担当冒険者の依頼の受理や新人冒険者へのサポートを主な仕事にしている。だが私は担当の冒険者を持っていない。


 その理由は簡単だ、私の容姿が醜いから。


 もう21歳なのに子供のような身長と大きな目と小さな鼻と口、おまけに全然お腹に脂肪がつかなく胸だけ異様に出たスタイル。


 誰がどう見ても救いようがないブスだ。


 こんな見た目だから女性しかいない冒険者達にも腫れ物のような扱いをされ、誰も私の担当になろうとしない。


 当たり前だ、わざわざブスの担当になる必要はない。昔男性が冒険者ギルドに来た時なんか、私の顔を見るなり汚物を見るような目をして罵詈雑言を言い暴力を振われそうになった。


 掃除と雑用だけして誰も来ない受付で時間が経つのを待つ、そんな意味のない生活を繰り返していたある日、、、、


「あの〜すみません」


 その人はやって来た。


 っ?! い、今私に声をかけたの? そ、そうだよね?他に誰もいないしっ!


「は、はい なんでしょうか?」


「僕、冒険者になりに来たんですけど〜」


 どうやらこの仮面をつけた人は冒険者登録に来たようだ。ひょっとするとこの人も自分の容姿に自信がなく仮面なんか付けてるのかもしれない、そう思うと緊張がほんの少し和らいだ。


「冒険者登録ですね、ではこちらの魔導具で犯罪歴がないかご確認させて頂いてよろしいでしょうか?」


「え、こんな水晶でそんなことわかるんですか?」


 仮面の人が驚いたように聞いてくる。


「はい、この魔導具は嘘発見器(ラィ・ディテクター)と言い質問に対して相手が嘘を言っているかどうかわかります。」


「へ〜そんな道具もあるんだぁ」


「それでは、あなたは過去に犯罪を犯したことはございますか?」


「いいえ、ありません」


 魔導具が緑色に光り真実だと知らせる。ちなみに嘘は赤色だ。


「はい、問題ありませんね、ありがとうございました。」


 そこでふと自分が普通に会話できていることに気づく。自分にも仕事ができる、自分も誰かの役に立てる、その幸福感に思わず笑みがこぼれる。


「それではこちらの紙に名前、年齢、性別、戦闘スタイルをご記入ください。」


「わかりました」


 仮面の人は頷き紙に記入していく。


「よし、書き終わりました。」


 しばらくして書き終わり、仮面の人から紙を渡される。


「はい、確認します。」


 そう言い紙を受け取る。


「お名前はオリオン・ダイヤモンド様、年齢は17歳、性別は男性、戦闘スタイルは今のところ素手っとゆうことでよろしいで、、、、せ、性別男性?」


「ん? はい、男ですけど」


 その言葉を聞いた瞬間、過去に男性に罵倒され、暴力を振るわれかけたトラウマが蘇る。


「ひぃぃ?!お、おとこのひとぉぉ ご、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいぃ」


 そこには先程の幸福感など微塵もなく、ただただ恐怖心だけが募っていた。





 突然受付嬢さんが泣きながら謝り出した!!! ヤバイ!どうしよう!なんかやっちゃたのかな?! 前世で女の子と殆ど話さなっかったために自分が何か失礼をしたんじゃないかと焦る。


「あ、あの〜大丈夫ですか?」


「すみません殴らないでください!すみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみませんすみません」


 壊れた機械のように謝り続けられる。


 もしかしてこの人、男性恐怖症なのかもしれない。こんな変な仮面つけた男に近寄られたから怯えてるのかも!


 僕は受付嬢さんの頭の上に手を持っていく。


「ひぃぃ?!」


 そして頭を撫でる。


「大丈夫、怖くないですよぉ」


 優しくゆっくりと、昔母にしてもらったように彼女の頭を撫でる。


 くぅ!ぼ、僕にはこれが限界だ!見た目はイケメンになっても、心までは慣れてないっ!


「な、殴らないの?」


 上目遣いで怯えながら聞いてくる。 かわいい!


「殴る?なんでですか?」


「私が醜いから」


 は?


「メチャクチャ可愛いですけど?」


 彼女が言っていることが理解できず、思ったことが口から出てしまった。


「う、嘘!」


 え?本当!


「本当ですよ!どこが醜いんですか?」


 マジでどこが醜いのかわからないので彼女に聞いてみる。


「この大きな目とか!」


「おっきくて可愛い目ですね!」


 綺麗で無垢な青色の目だ。


「ちっちゃくて、荒れてない唇とか!」


「可愛くて潤ってる綺麗な唇ですね!」


 思わずキスしてしまいそうなくらいキュートなだ。


「この変なスタイルは?」


「確かにアンバランスだけど僕は好きですよ!」


 ロリ巨乳最高だぁ!!


「ほ、ほんとにぃ?」


「はい!」


 明るく、だが大きすぎない声で答える。


「だから怖がらなくていいですよ!」


「わ、わかりました すみません取り乱して」


「いえいえ、全然大丈夫ですよ。」


「そ、それでは登録作業に一日程かかりますので、また明日お越しただけますか?」


「はい、えーと、、、、」


 そういえば名前まだ聞いてない。


「あ、申し遅れました!私、フローラといいます。」


 フローラ、可愛い名前だ。 もうこの人にあってから可愛いを何度使ったか分からない、でも本当にかわいいから仕方ないよね?


「それじゃあ、フローラさんまた明日」


「はい、お待ちしてますっ。」


 こうして冒険者ギルドを後にした。




 ギルドを出てしばらく経ち、宿の場所をフローラに聞けば良かったとすぐに後悔したが、今更聞きにいく気にもなれずそれっぽいとこを探して歩いていた。


 う〜ん宿ってどこにあるんだ?


「そこの人!新しいのが入荷したんだ、見てかないかい?」


 突然声をかけられ驚いたが、すぐに声に方を向く。


「え?」


 元気のいいおばちゃんに声を掛けられ振り向いた先にはこう書かれていた。


「奴隷商会?」















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