表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青い春を漂う  作者: CHIKA(*´▽`*)
誘い

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/39

いつもと違う自分

 こんなに美術というものを気になるというのはこれが初めて。

 ここ出身の画家だからだろうか。未公開の絵画というものが特に気になる。

 この町から画家が誕生していたなんて、文香から聞くまで知らなかった。



 とりあえずまだパジャマだから着替えることにした。

 今日はいつも以上に暑く感じる。涼しい格好にするとしよう。

 クローゼットを開けてその中のタンスを開く。



 今日は一体何を着ようか。お出かけだから少しお洒落をしたいな。

 そういえば最近、久しぶりに服を買ったことを思い出した。

 お母さんが服を買いたいと言ったのであたしもデパートについて行った。



 自分の服を買う気は全くなかったのだけど。

 あんたも新しい服を買ったらと言われたので、買ってもらうことにした。

 服を買うなんてことになるとは思わなかったので、とても探した。



 いいなと思うものはあっても、なんか違うなと思うものばかりだった。

 色んな店を何店も何店もデパート内で巡った。

 急がずにゆっくりといいと思う物を見つけなさい。と言っていた。



 デパートは上から下まで全部行ったので、唯一地下にあるアパレルショップに向かっていた。

 これがデパートの中で最後のアパレルショップ。

 いいのがなかったら今日は諦めよう。別にそこまで欲しいってわけじゃないし。



 そんな気持ちでいた。

 そのお店に着くとショーウインドウが目に入った。

 そしてある一体のマネキンに釘付け。



 麦わら帽子を被っていて、白色のレース柄のワンピース。

 今まで好んで着ていたファッションの系統とは全く違っていた。

 それなのにとても着てみたい、と心の中の自分が言っていた。



 それに釘付けになっていると店員さんに試着を勧められた。

 しかも何回か店員さんに話しかけれていたのに全く気付かなかった。

 お母さんが大きな声で自分の名前を呼んだ時に、ようやく気付いたのだった。



 勧められるがままに試着をすることになった。

 結果から言うと想像以上に似合っていた。店員さんもお母さんも似合っていると言ってくれた。

 見た時から買うつもりだったけど、そのことが後押しになりお買い上げすることに。



 そのワンピースと麦わら帽子はその日に着たっきりで、クローゼットに眠らせていたのだった。

 そしてそのワンピースはハンガーにかけられて目の前にある。

 今がその服を着る時ではないだろうか。



 今を逃したらこのままずっと着ないで、この夏が終わってしまう気がする。

 「……着るとするか」

 姿見に映るあたしはまるで別人。まるで映画やドラマに出て来そうな大人のお姉さんって感じ。



 「これが……あたし……か」

 この姿見もしばらく使って来なかった。布をかけて封印してきたもの。

 洗面台に鏡があるから別に使わなくてもいいやという理由で。



 じゃあ何故買ったのかって言うと、自分で買ったわけじゃなくてお母さんが買ってくれたもの。

 中学生に上がったその記念ということで買ってくれた。

 別に中学受験とかしてないから余程酷いことをしない限り、流れるままに入学できるレベルだったのだけど。



 それでも両親はそんなこと関係なく、娘が成長するのは嬉しいものだろう。

 その一区切りということでホームセンターにあたしもついて行って

 一緒に選んで買ってもらったのだった。



 姿見って全身がどうなっているかを確認するのにとても便利だ。

 一周くるりと回ったりワンピースの裾を持ってお嬢様みたいにお辞儀したり。

 まるで自分だけど自分じゃないみたい。



 ファッション雑誌でよく見るモデルや有名な女優さんみたい。

 「悪く……ないかも」

 これからはもう少し清楚系とか他にも女性らしい服装も着ていこう。



 あとはいつものヘアゴムで髪を一つ結びにくくったらいつも通りの自分になる。

 ベッドの上に常備してあるゴムを一つ手に取り器用に結ぶ。

 あっという間に完成。幼い頃からしているから手慣れたものだ。



 鏡に映った自分はいつもとほんの少しだけ違う自分だった。

 でも何か違う。何か違和感を感じる。さっきまでの自分と少し違う。

 何が違うのかというと髪型くらいだ。



 くくっていても別に似合わないというわけではない。

 実際、鏡に映るあたしはとても可愛く見える。でも今日はその気分じゃない。

 今日は髪をくくらないことにしよう。



 その考えは正解だった。髪を解いたあたしは別人みたいだった。

 いつも髪をくくっているというわけではない。

 面倒くさい時にはこのままくくらずに、学校に行く時だってある。



 確かにまだ髪の毛を整えていないから少しボサボサだがよく似合っていた。

 「やっぱ今日はこのままでいこっと。この方がなんかいい感じだし」

 肩甲骨辺りまで伸びている髪をきちんと見るのは、久しぶりだ。



 そういえばお母さんが洗面所にくしとかヘアオイルを置いていたはずだ。

 きちんと髪を整えることにするとしようか。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ