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青い春を漂う  作者: CHIKA(*´▽`*)
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まさかの二択

 大河君と直接会って話すのは久しぶり……というわけではなかった。

 あの日にLINEを交換してからたくさんやり取りもしたし通話もした。お互いのことを色々と話した。

 地元のことや小学校や中学校の頃の話や得意な教科や苦手な教科。



 とても楽しくて話も弾んだ。

 時間が経つことを忘れてしまう程に。

 話すのに夢中になっていたらいつの間にか、空が明るくなっていた。なんてことも何回かあった。



 本当に楽しかった。同じような価値観や意見もあれば全く違うものも。

 そうだとしてもお互いの意見を聞くとそんな意見もあるのかとなった。

 意見が違うことすらも楽しんでいた。良き友人に巡り逢えたと思っていた。



 まだこの時は大河君のことを話しやすい異性の友人だと、認識していた。

 やっと立てるようになりゆっくりと立ち上がった。まだふらふらして不安定だったけど。

 「無理して立たなくていいぞ。俺が保健室まで運ぶから」



 その言葉を聞くと言葉の通りに無理して立っていたのだろう。

 肩の力がフッと抜けまた地面に座り込んだ。

 いつもなら大丈夫と言って一人で保健室に向かっていただろう。



 でも大河君には強がることなく素直になれた。こんなのは今まで生きていて初めて。

  本当に不思議な人だった。

 「見た目とか特に気にしないか?」



 「見た目?」

 特に見た目とか気にしないけど、一体どういうことなのだろう。

 「あー俺の言葉足らずだったかも。保健室まで運ぶときに人目とか気にしないか?」



 改めて言い直した大河君の言葉に頷いた。

 保健室まで運んでくれるだけ有難いのに、人目なんて小さな問題にしか過ぎない。

 「じゃあお姫様抱っこかおんぶか、どっちがいい?」



 「へ?」

  急に二択を迫られ、咄嗟に間抜けな声を出してしまった。

 「いや……結自身が選ぶのが一番かなって思っただけなんだけど。どっちも嫌か」



 嫌というわけではなかったし非常に有難い。でもまさかそんな選択肢を出されると思わなかった。

 歩いて保健室まで向かうのを一緒に来るくらいだと考えていた。

 「……大河君にお任せします」



 「おっけ。任せとけ」

 大河君はしゃがんであたしはお姫様だっこをされた。慣れたような手つきだった。

 きっと何回もしたことあるのだろう。



 何かを言うまでに大河君は行動を終えていたのだった。

 「よくあいつらとふざけてお互いにお姫様だっこしてたからな。慣れてるんだ」

 野球部の人々はみんな体格が良かったり、筋肉が凄い人ばかりだ。



 みんな人目を気にせずに普通に脱ぎだすから、意識しなくても誰がどんな体をしているのか、だいたい覚えている。

 それなりに体重もあるはずだ。それをお姫様だっこし合うなんて……。

 改めて野球部の人々は体力や筋力がケタ違いに、凄いのだなと感心した。



 お姫様だっこというものをされて恥ずかしいという気持ちは少しある。

 ただそれ以上に。こんなに軽々と出来るものなのかという気持ちの方が強かった。

 やはり伊達に運動部をしているわけじゃないな。なんて謎の上から目線で思っていた。



 保健室はここからそう遠くない距離だった。

 あたしが通っていた高校は校舎が二つに別れている。北校舎と南校舎。

 どの階でも通路があり、楽に行き来することができる。



 この学校掲示板と図書室はその通路の間に存在している。

 保健室へ向かうには北校舎の階段を降りて左に向かうだけ。

 つまりすぐに辿り着くことができるのだ。



 それでも大河君は健室まで運んでくれた。本当に優しい人なのだろう。

 人は見かけによらないとはこのことだ。

 この日は保健室で五時間目は休んで、六時間目は授業に戻ったのだった。



 ここまでが何故美術館へ行くことになったかの経緯。

 これだけ話したけど何で大河君と一緒に行くかは、まだ話せていない。

 その理由が分かるのは美術館に行こうと文香と二人で、決めた当日。

 7月31日の話になる。


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