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青い春を漂う  作者: CHIKA(*´▽`*)
水中の透海町

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19/39

水の中の透海町

 蝉の鳴き声が耳に響く。今はもう秋とも言うのに何故鳴いているのだろうか。

 もしかしてこれは夢の中ではないだろうか。そう考えると納得がいく。

 疲れているんだと自己解決させて、もう一度眠ろうとした。

 でも秋とは思えない暑さを感じて跳び起きた。



 と同時に水の中に落ちた。どぼんっ。

 どういう状況なのか全く理解ができなかった。

 今自分はどこにいるのか。沈みながらもそんなことを考えていた。



 普通なら沈まないようにもがいて抵抗するのに、そうとはしなかった。

 水の中に落ちたけど全く苦しくなかったからだ。底へと沈みゆく感覚はとても気持ちが良かった。

 流れに身を任せてゆっくりと沈んでいく。そして沈みながら底にある建物を見て驚愕した。



 勤務先の書店がそこにはあった。周りを見渡すといつもの通り道にある商店街が見えた。

 「水没してる……?」

 水の中にいるはずなのに、自分の声がはっきりと聞こえた。



 全く現実だとは考えられない状況。とても夢だとしか思えなかったが感覚がリアル過ぎるのだ。

 服が水に濡れて気持ち悪い感覚。目覚めた時の夏のような暑さ。

 こんなにも感覚がはっきりしている夢があるだろうか。



 とりあえず何かに乗っていた。もう一度それに乗るとしようと思い、上がって行った。

 水の中から顔を出すとやはり夏のような暑さを感じる。

 少し離れたところにゴムでできた小さな黄色のボートがあった。

 そこまでクロールをして泳いで行くことに。

 近付くとそれはもっと奥に行ってある筈だと感じた。



 水ならば多少は少しずつでも流れていくもの。

 何も近くに引っ掛かっているというわけではなくただ止まっていたのだった。

 その状況を不自然に思いながらも身を乗り出してボートの上に乗った。



 そういえば小村さんと別れてからの記憶がない。気がついたらこのボートの上にいたのだ。

 そしてさらっと落ちた時や泳いでいる時に気付いたけど着ている服が違う。

 右腕を伸ばすと半袖の服を着ていた。そしてそれに見覚えがあった。

 立ち上がり首を下げて服を見る。それを見て確信した。



 高校の時に着ていた夏用の制服。通りで見覚えがあるわけだ。

 実家にあるはずの制服なのに何故それを着ているのだろうか。

 色々と思考を巡らす前にすぐに一つの解答が頭の中に浮かんだ。

 これは夢なのだと。それ以外に理由が思いつかない。

 いや、あるにはあるけれどもその理由はあまり現実的とは思えないし考えたくもない。


 夢ってこんなにも感覚が起きている時と同じようにはっきりとしているものなのだろうか。

 分からなかった。

 ただ夢と判断できる瞬間は起きた後に分かるものだ。

 目が覚めてこんな出来事があったな~いや結構リアルだったけどあれは夢か?



 なんて思って夢か現実かを確認するためにスマホで調べる。

 写真を確認したりSNSを見たりなどと。

 それであっあれは夢の中での出来事だったのかと分かるわけだ。




 個人的に夢だったと気付いてショックな出来事があった。

 今でも好きなアニメの映画があるのだけど、高校二年生のある日、夢を見た。

 SNSで好きなアニメの映画の続編というよりは、スピンオフと思われる内容のもの。

 製作決定どころか公開予定という情報を拾ったのだ。



 夢の中の自分はとても興奮して公式サイトが作られていると知りすぐにクリックをした。

 それは女子の主人公とその主人公と深くかかわる男性がメインとなっている。

 その人達以外にももちろんたくさん登場人物が出る。



 のだけどみんな魅力的で嫌いなキャラクターなど誰一人いない。

 悪役というサイドと思われるキャラクターも完全なる悪ではない。

 理由があってそうなってしまっているからみんな好きだ。



 最終的には二人は付き合わないのだけど、お互いに恋愛感情を抱いているのだろうなと、視聴者に分からせてまた会おうと言って別れて終わりという内容だった。

 そして今回の作品はその男性には過去に愛した女性がいた。

 映画の中だけでは「私は過去に一人だけ女性を愛したことがある」と言っていただけだった。



 たったそれだけの情報で終わっていたのに。

 なんと今回はその彼の初恋を描いた作品となっていた。

 しかも特報映像があり私はすぐに見た。

 とても良かった。



 もう一言で言い表せられないけど語彙力が少なすぎて、そんな感想になってしまう。

 更にSNSで知ったのだが訪問する度にホームのイラストが変わると知った。

 正確には二種類あってまずはアニメのタッチのイラスト。



 そして次は水彩絵の具で塗ったと思われるイラスト。

 そう夢ながらにとても凝っていたのだ。



 なのに夢だった。起きてから少し経って夢の出来事を思い出してスマホを取り出し調べる。

 まっっっったくヒットしない。そして夢だと気付いたのだった。

 その日は一日中ショックで頭が働かなくて昼ご飯を食べてから少し長めの昼寝をした。



 一応、昼寝をして少しは落ち着いてあまり引き摺らなくなったけど、一週間くらいは頭の片隅にその出来事が残っていた。

 あの時に見た夢よりもとても景色がはっきりしている。

 とりあえず流れるがままに景色を眺めることにしたのだった。

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