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青い春を漂う  作者: CHIKA(*´▽`*)
不思議なあの人

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初めてのマニキュア

 「良かったら商品の一部を持って来ているんですよ、見てみますか?」

 迷いなく思い切り頷いた。小さい子供みたいだなと我ながらに思った。



 絵里さんはにこにこしながらバッグを開く。

 中に入っている化粧品を次々と手慣れているかのように目の前へと出して行った。



 出している最中に絵里さんが口を開いた。

 「実はここ最近でコンセプトがシャノワールが変わって色のバリエーションも増えたんですよ」



 「そうなんですか?」

 絵里さんに聞き返した。手を止めずに話を続けた。



 「『どんな私も素敵な私』このコンセプトになりました。それから本当に色んな色のアイシャドウやリップが増えましたね。ピンクでも濃いピンクだったり薄いピンクだったり。あまり一般受けしないような色もね。今日は持って来てないけどカラコンもあるのですよ」



 数々の化粧品が宝石のように輝いて見えた。どれも負けず劣らずと輝いていた。

 「これで全部よ」



 並べられたのは口紅、アイシャドウ、チーク、香水(かもしれない。もしかしたらボディミスト)、チーク、マニキュア、化粧水などと沢山あった。どれも魅力的だった。



「どの季節にも使えるものを持って来たわ」

 ただ無言でひたすら化粧品たちを見ていた。どれにしようか迷ってしまう。



 とりあえず手持ちがあまり少ないものを買うことにした。

 自分の持っている化粧品たちを頭の中で思い浮かべた。



 口紅はシャノワールのものとプチプラを含めて4本。

 オールシーズンに使えるものばかりだから今はいいか。



 アイシャドウはプチプラばかりだが、色んなメイクをする為に5つほどあるからこれもいい。

 ……などと考えてみた結果、ある事実に気付いてしまった。



 マニキュアを一つも持っていないし、ネイルもしたことがないと。

 もしかしたらしたことはあるかもしれない。でも思い出す限りではそんな記憶は全くないのだ。



 マニキュアもたくさんと種類があった。いや今日持ってきた中では一番多かった。

 マニキュアだけで軽く十個以上あったのだ。

 こんなにたくさん種類があると迷ってしまう。



 逆に三色しかないの方がまだ良かったなんて思ってしまう。

 数が少なければ少ないほど迷う必要なんてないから。



 こういう時はおまじないを使えばいい。迷った時によく使う。

 「おすすめは何ですか」

 そうおすすめのものを聞く。おまじないではないかもしれないけどね。



 でも自分の中ではおまじない同様となっている。

 いわゆる最終手段だ。

 今回はあまりにも色んな色があったので、もっと考えようって気があまりなかった。



 おすすめは余程のことがなければ、だいたいがいいものを紹介してくれる。

 まあ一回だけ失敗したことはあるけどね。



 一回だけ何を思ったのか知らないけど虹色のアイシャドウを紹介されたことがある。

 イメージ写真のモデルを見たけどとても奇抜だった。しかもそれなりに高かった。



 まあ流石に買わなかったけど。

 虹色のアイシャドウなんて変わってるな~とは思ったけど。需要性がないことに気付き買わなかった。



 「おすすめね……。そうですね~。うーん」

 絵里さんは少しだけ悩んでいるようだった。何故少しとつけたかというと。

 五分も経たない内に、あたしの左手の近くにマニキュアを置いたからだ。



 絵里さんが置いたのはチョコレート色よりか薄い色のマニキュアだった。

 「これとかどうかしら。モカグレージュという色です」

 なんだその名前から可愛い色は。



 しかもぱっと見だけど派手過ぎず地味過ぎずと。ネイル初心者にぴったりな色だと思った。

 「いい感じの色ですね。いつでも使えそうな色合い……」

 「塗ってみますか?」



 すぐに頷いた。

 自分で言うのもあれだけど、甘皮処理っていうのはしてない。でも爪は綺麗に扱っている。

 だからすぐに塗れるという訳だ。



 絵里さんはマニキュアの蓋をあけてブラシで右手の親指の先端だけ塗った。

 「えっ」

 てっきり全部塗ると思っていたので、声に出して驚いてしまった。



 「全部塗るのもいいけどね。こうやって先端だけ塗るのもお洒落なのよ」

 確かに先端と言っても爪の丸い部分を塗っているだけ。でもお洒落に見える。

 これなら不器用な人でも簡単に出来そうだ。



 爪を塗っている最中に絵里さんが口を開いた。

 「私達シャノワールは皆様の思い出の一部になるような作品を作っているの。これを見たらあの時の事が鮮明に蘇るような……そんな風になればいいなと思っています」



 あの時の事……きっとそれが忘れている想い出の事、でもまだ思い出せない。

 もしかしてだけど今になっては思い出したい事になっている。

 けど当時は早く忘れたかったのではないか。ほろ苦い想い出だったのかもしれない。



 でも思い出したいのだ。

 今は分からなくてもきっと占いで分かるはずだ。そう信じていた。




 「……ん……さん……結さん!」

 絵里さんの声でハッとなった。どうやら色々と考えすぎていたようだ。



 昔からこうだ。気になる事はとことん考えてしまう周りが見えなくなる程に。

 それで誰かに名前を呼ばれてハッとなるという訳だ。

 「もしかして体調でも悪いのかしら……。結さん大丈夫?」



 心配そうに見る絵里さん。首を横に振り笑った。

 「そう?それならいいのだけど……マニキュアだけ買う?」

 迷う必要はなく頷いた。あの色は本当に可愛かったし好みだった。



 「お買い上げってことね。ありがとうございます。あとマニキュア以外にネイルに必要なものを無料でつけておくわ。是非とも使ってくれたら、とても嬉しいわ」

 なんという親切設計。ただただ有難い限りである。ありがとうございますとだけ言った。



 「お値段は2600円よ」

 デパコスにしては比較的に安い価格だ、お財布に優しい値段だ。

 これなら躊躇なくお札を出すことが出来る。


 鞄から長財布を取り出す。

 諭吉様と野口様が数枚あり、小銭がちゃらちゃらと音が鳴るくらいにある。

 軽く探ってみてみる。ぴったしと価格を払えそうだ。



 野口様を二枚取り出し500円玉と100円玉を取り出す。そして絵里さんに渡した。

 (感謝します。このお金は十倍になって返ってきます。)

 心の中でそう呟く。これは中学生からのおまじない。



 昔から使っている数少ないおまじないの一つだ。

 「ありがとうございます。良いのが買えて良かったです」

 素直に絵里さんに感謝の言葉を述べた。家帰ってからマニキュアを塗ってみるとしようか。

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