一話
お久しぶりです
一話目のプロローグみたいなものです
春が終わり新しい学年、学校にも慣れ始めたころ。
とある高校の放課後のとある教室、そこには5人の生徒がテーブルを囲むようにして座っていた。そしてその机の上には一つのノートパソコンが置かれていた。
「今日は前の部活動で言っていた通り、リレー小説をやりたいと思う」
そう言ったのはノートパソコンの画面の正面に座っている男子生徒――有馬 亮――で、眼鏡を掛けこの場にいる中では一番身長をしていた。
「やるのはいいんだけ……。最初はやっぱりあんたからなのよね?二番目の私からするとどんな無茶ぶりしてくるかわかったもんじゃないんだから。このロリコンめ」
亮の左隣に座っている女子生徒――小野江 瞳――がジトっとした目で亮の顔見る。
いや、それ以上に睨み付けていると言った方が的確かもしれない。
「え、酷くないか?いつものことながらだけど、酷くないか?それと、俺はロリコンじゃない」
「そんなことないない。幼馴染の私が言ってるんだから間違いないって。へ・ん・た・い亮」
「ふふ、いつもながら先輩たち仲いいですね。君もそう思いだろ?」
言い合いという名のじゃれあいを微笑ましいものを見るように瞳の隣に座っている髪を長く伸ばした女子生徒――久常 文音――がそう言い、隣に座る男子生徒――倉敷 真樹に視線を向ける。
「そうですね、この部活って週一回だからそこまで多く活動してませんが、夫婦漫才かなと思ってしまうくらいには仲良く見えますね」
「「だれが夫婦だ」」
真樹の“夫婦”という単語に二人して頬を薄く染め過剰ともいえるような否定をする。
「いひひ、そんな反応をするから余計そう思ちゃうんですよ?せんぱい方」
ニヤニヤしながら亮と瞳の二人を見るポンパドールの女子生徒――白川 茉子――。
「それに、亮先輩がロリコンなのは違いないと思いますけどね」
「んぐ、なぜだ真樹くんよ」
「だって、俺がこの部活入ってすぐの頃、先輩がオススメしてきた作品のヒロインが全員小学生ぐらいにしか見えなかったのを今でも覚えてるんですよ?ロリ部長」
真樹が亮のことをまっすぐ見ながらそう言うと、身に覚えがある話のためか視線をずらしてしまう。そして話を切り替えために咳ばらいを一つする
「まぁ、そんな不毛な会話はもういいとして、さっさと部活を始めようじゃないか」
「そういえばそうだったね。順番は亮、私、文音に真樹、最後に茉子ちゃんでいいんだよね?」
最終確認の意味を込めて瞳が亮の方を見る。亮はその言葉をきいて頷く。
「それじゃあ、今日の部活動を始めようか」
その一言で今日の場活動が始まった。……とは言え、順番が来るまで暇な人は小説を読んだりするのだった。