ゲームは終わりを告げ新たなるゲームが始まる
初投稿です。
至らぬ点多々あるかと思いますが宜しくお願いします。
「さーーて、終わりにするか。」
私は伸びをして明日に思いを馳せる。
明日から三年程日本を出る。
仕事で海外出向が命じられたのだ。
まあ、海外出向は見方によっては自業自得なので否はなし。
荷造りはとっくに終わって後は身1つで外国へ行くのみ。
但し1つだけ持っていけないものがあり、それだけが心残りだ。
いや、これを持って行っては海外に行く意味がないのだが。
私は足元を見た。
足元には転がる死体。
馬鹿な連中が私に絡んできた結果だ。
勿論、本物じゃない。
今私がいるのは仮想現実の世界。
ゲームの中だ。
私が楽しく毎日プレイした結果、このゲームのキャラクターはレベルがカンスト超えしている。
それだけじゃない。
所謂チートをこのキャラは持っている。
結構簡単に弄れたのだが、運営にバレた瞬間アカウントが取り消された。
けど、即座に復活してこうして今も遊んでる。
何度も何度も運営に見つかり警告され、罰金刑も食らってるが懲りないのが私だ。
私は所謂悪質プレイヤーである。
運営の敵であり一般プレイヤーの天敵だ。
本来出来ないはずのPKを私はしていた。
そして殺したプレイヤーのアイテムを強奪していた。
ネットで晒された私についた渾名は『魔王』。
二つ名は『デッドエンド』
だが、安心しろ、プレイヤーども。
明日からはもうこのキャラはこのゲームには現れない。
信じられないことに出向先はネット環境がないのだから。
まあ、私みたいに仕事が出来る天才と言って差し支えのない私がそんな場所に出向になった理由は間違いなくこのゲームでの所業だろう。
何せさらっと述べたが訴えられて裁判になり罰金刑を食らったのだ、普通なら懲戒解雇だろう。
親のコネがあった私はクビにはならず親の言葉もありほとぼり冷ます為、仕事名目で未開の国へ送り込まれることになったのだ。
反省も後悔もしていない。
一生そこにいるわけでもない。
三年後、日本に戻ってまだゲームサービスが終わってなかったら、魔王は再び降臨するからな!!
私は名残惜しくもゲームからログアウトするべくコントローラーを操作しようとした。
途端一瞬の目眩が起こる。
ログアウト、インするときに起こるものだがおかしい。
私はまだ操作していなかったはず……
思考がまとまらないうちにブラックアウトした意識が再び浮上したら……見慣れた私の部屋…………ではなかった。