ニート、考える。
長期休暇期間もあと少し。
そろそろ試験で使うものを考えないといけない。
この学園での試験は自分が扱える魔法を大勢の前で披露するという形らしい。そこで、私の教えた結果も披露することになっている。披露する魔法は何個かを組み合わせるというプログラム方式だ。
流れを書くためのノート――この時代にはかなり高価なものだけど私が自分で作っているから実質タダ――を片手にふむ、と考える。
現在、ドンナー君は防御膜の仕上げにかかっている。ハルが強度の確認に付き合っているから問題はないだろう。
さて、試験では教えた魔法の披露をすることになるが、やはり派手なものがいいだろうか。
それとも日常生活でも使える魔法にすることで一般市民の受けを取るか、防御膜は見た目が地味だから今回は試験では使用しなくていいだろう。
何個か候補を出して、プログラムとして組み立てていく。ひとつだけしかできないと思われても困るからね。あ、得意属性とそれ以外も混ぜておこう。
「ドンナーさんはなにか披露したいものはあるかしら」
「え、披露、ですか?」
いきなり話を振られて困った顔をするドンナー君だったが防御膜の持続はできている。教えた甲斐があったね。
「えっと、フォルツァーノ様が考えられているものでいいと思うのですが」
「貴方が得意なものも入れておこうと思うのよ。貴方の学年で必ず試験で披露されるものも入れておきたいわ」
同じくらいのレベルで、ということだったからね。ほかのレベルがよくわからないので私の趣味でプログラムは選んでいるから、これを教師に一度見せてレベルを合わせてもらった方がいいかな。
「ではこれを先生方に確認していただいてまいりますわ。ドンナーさんは練習を続けてくださいね」
「お嬢、俺は」
「ハルは残っていてください。一応、この教室は私たちが借りているとはいえ、今日も生徒が多いようですから」
知らずに入ってドンナー君に難癖つけられても困る。
部外者っぽいハルがいればすぐに絡むようなことはするまい。もし絡んでくる奴がいても我が家の護衛だからそれを伝えれば下手な真似はしないだろうし、されてもハルなら平気だろうし。
「で、でもフォルツァーノ様が危ないのでは」
「ここは学園ですもの、危険人物は入ってこれませんわ。それに、同じ魔法使い相手でしたら負けることはあり得ません」
物理に対してもだけどね。これでも宮廷魔術師長より強い魔法使いなのだ。なんか魔法使いとして認めてもらえていないっぽいけど。
「では、失礼しますわ」
不満そうなハルと不安げなドンナー君を置いて、私は部屋を出た。




