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ニート、帰還する。


「アル兄さん、お土産ですわ」

 屋敷について早々、嬉しそうに抱き着こうとしてきた兄の前にお土産という名のドロップアイテムを積み上げる。

昨日の分も一緒だからかなりの量だ。選別するのが面倒だったから片っ端から収納に入れていたからだろう。

 さすがにメイドたちの顔色が変わり、兄も驚いた顔をしていた。

「僕の可愛いエル、お土産たくさんだねえ」

 しみじみと兄が山を見上げて呟く。ダンジョン全階層分だ。

 種類別に言えば、獣系だと牙、爪、毛皮、肉、血、変わり種で目玉なんてものもある。

 風魔法の餌食になっていた植物系だと木の根、葉、蔓、花、樹液、種。干物。綿毛なんてものもあった。

 その他宝喰いが持っていた武器――こん棒や錆びた剣がほとんどだが中には名称付きの剣もある――防具、宝石や宝箱。

 どさどさと積み重ね、肉と血などの生ものは収納機能のついている袋に戻す。

 宝喰いの中には食べるとおいしい奴もいるらしく、ダンジョンで肉をドロップするのはありがたいことにそういう宝喰いだけだ。

「料理長、これあげる」

「ありがとうございます、エル様。しばらくは肉を仕入れなくてもよさそうですねえ」

「孤児院にも持っていきたいから半分はそれ用にしておいて」

「はい、はい。そうしましょう」

 メイドに呼ばれたらしい料理長がえっちらおっちらやってきたので肉の入った袋を持たせる。

 にこにこと笑う料理長に、今日のお昼も美味しかったと告げると嬉しそうに笑った。

 料理長には無茶ぶりばかりしているからね、お土産ができてよかったよかった。

「あ、これ以外にドラゴンの素材もあるけどこれはシュタール達へのお土産だから」

 先約は先約だ。兄が欲しいと言ってもこれだけはやれないぞ。

 この素材でなんかすごい武器とか防具とか魔法道具を作るんだ。絶対に楽しい。ドラゴン型の護衛自動制御人形とか絶対に楽しい。

「え、エル? まさか最奥まで行ったのかい?」

 兄は驚いた顔をしている。私は最初からそのつもりだったし、そう言っていたつもりだったのだけれど。

「行くっていっていたじゃない。ふふ、楽しかったですわ」

「まあ、怪我がないのならいいけれどね」

 そう言って笑うあたりで兄も兄である。

「夕食後にゆっくり見てもいいかな?エルも疲れたでしょう、着替えてくると良い」

「そうですわね。ハル、エリーザ、ご苦労さま」

「失礼いたします」

「着替えてまいります」

 ハルとエリーザが一度着替えるために部屋に戻り、私もエルデ達と部屋に戻ることにした。

 ああ、今日は楽しかった。


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