奇妙な再会。
今回はちょっと短めです。
≪第三の目≫は私用した状態のまま、私たちはずんずんと進んでいく。
どうやら魔法使いの方は私の存在に気付いているようだ。正確には、この階層に魔法使いがいることに気付いている、というべきだろうか。
まあ、前の階層から続けて魔法を遠慮なくぶっ放しているからその残り香的なもので魔法使いにはわかるんだろうね。
この階層で残っている宝喰いに対しては魔法を放ってこっちに近づく前に片づけておく。彼らを狙っている奴らも同様だ。
二人が走る速度に合わせて私も空中を滑走しているので彼らのもとにたどり着くまでにはそれほど時間はかからなかった。
「あ、なた達……!」
最初はほっとした顔をして、しかし私達だとわかると驚愕の表情を浮かべる縦ロールお嬢様。魔法使いの方も驚いているようだ。
「なんで、なんで貴方達が!」
叫ぶような声を無視して二人の怪我を治す。色々使うのは面倒なのでごく普通の、水魔法の治癒では一般的な≪水治癒魔法≫だ。
「な……」
「ほら、もう立てるのではなくて?そちらの魔法使いの方にはこれを渡してちょうだい」
私の魔法に二人とも唖然として声も出ない様子だったので構わずに収納の中から魔力回復用の飲み薬を取り出して渡す。
私は使わないから持っている意味もないのだけれど、だからと言っておく場所もないからとりあえず収納に入れていっちゃってるんだよね、これ。おかげで993とか入ってるんだけど……これ上限いくつかしら。
「お嬢、階層を移動します」
「そうね。ほら、貴女の仲間を助けに行くのよ?しゃんとしなさい」
座り込んでしまっている縦ロールお嬢様を見て少しだけため息を漏らしながら手を伸ばす。
手を払われたら簀巻きにして連れて行ってやろうかな、なんて思っていたがそんな気力もないのか縦ロールお嬢様は大人しく私の手を取った。
魔法使いの方はハルに引っ張りあげられている。腕をぐいっと引っ張って立たせるのってよく表現としてみたことあるけど、実際に見ると腕が痛そうよね、あれ。
エリーザは彼女と魔法使いが落としていた杖と弓を拾ってくれていた。さすが気配りができるメイドさん。
「どうして、私なんかを」
「気づいてしまったら捨て置けないでしょう? ほら、行きましょう」
ぼんやりとした顔をしているのがちょっと不安だったけれども彼女たちを連れて行かないと前に残った組を助けられたとしても彼らも心配するだろうからと手を握ったまま階層を繋ぐ階段に足をかけた。




