異種族はファンタジーの基本です。2
タイトルが出てこなかった……。
「やあ、エルヴィーラ嬢。本当に突然だな」
「ヴェッター、御機嫌よう」
シュタールに連れてこられたヴェッターはどこか疲れているようでもあった。
まあ、こいつも研究バカなのでいつも通り寝食惜しんで研究していたんだろう。
「それで、我々を集めて今度はなんだ?機械人形ならばもう少し中身の魔法陣を詰めているところだ」
「あら、素晴らしいわね」
ヴェッターはすでに次を考えているらしい。すごいぞヴェッター。さすが研究バカ。
「でも、その話じゃないんですの」
そう、今回はこれからダンジョンに行くのでその件についてを話しに来たのだ。
そう簡単に説明すると三人は興味深そうに聞いていた。
「じゃあなんか最強の防具でも作るのか?」
「ダンジョンですし食料の持ち運びも気になりますね」
「案内用精霊作りましょう」
ヴェッター、お前は落ち着け。いったこともない場所に対して案内精霊とか無理でしょ。
食料もねえ、私異次元バックみたいなのもってるし。バックもあるし。
防具かあ、まあ前衛のハルにはいい防具が必要かもしれないわね。エリーザにもいるかもしれないわ、背後から奇襲とか――私が探知していればないかしら。
「とりあえず軽くて丈夫な防具について考えましょうか。それと、ダンジョンに使えそうな素材があったら取ってこようと思うのだけど、なにかいいものはあるかしら?」
そう、それを聞くために来たのだ。
魔法道具作りやヴェッターの研究で有用なものをもってきてあげようという優しい私の心遣いである。それ以外のものは私の実験の材料になるので他のものも取ってくるけど。
「ドラゴンの骨」
「ドラゴンの皮」
「ドラゴンの血」
「全部ドラゴンじゃねえか」
三人の言葉にハルが突込みを入れる。
さすがドラゴン。素材としても一流なんてすばらしい獲物ではないか。
「まあ、ドラゴンには会うつもりだからわかったわ」
「え、本当に最奥に行くつもりなんですか?エルヴィーラ様とはいえ無謀なのでは」
シュタインが驚いたように口を開く。そんなこといってるけどあんたもドラゴン素材口にしてるじゃない。
「当り前でしょう?ドラゴンスレイヤーなんてかっこいいじゃない」
「それだけでドラゴン相手にしようとか本当にエルヴィーラ嬢はおかしい」
「まったくです」
「ちょっと、ハルまで納得しないでくれる?」
ヴェッターの言葉に何故かハルが頷いている。言っておくがハルも行くんだからな、ボス部屋。
それに、かっこいいかどうかはとても重要なポイントである。
世の令嬢方が美しさを磨くのと同じくらい重要である。
「まあ、お嬢ならやれそうだがな。だからお嬢、ドラゴンの骨と皮はうちの工房で予約させてもらぞ」
「あ、じゃあ血は手に入ったらくださいね」
シュタールは私ならやるだろうな、と冷静だ。私のチートな魔法を知っているからそういうのだろう。
そしてちゃっかりヴェッターも乗ってくる。
「了解したわ。ふふふ、それじゃあ面白い――じゃなくて、素晴らしい防具でも作りましょうか」
「危険を感じて着用者の魔力を使って防御魔法を展開するのなんてどうですか」
「いいわねそれ」
ヴェッターの意見採用。それは面白い。
「いや、それって魔法使いでなくては使えないのでは」
ハルがなにか言っているが夢中になっている我々の耳には届かない。
「大丈夫ですよ、そういう場合はエルヴィーラ様が使うんでしょうし」
ハルにまったく大丈夫ではない言葉をかけるのは作成にそれほど熱を込めないシュタインだけであった。




