このあとお前は「肉まんの話じゃねぇじゃねーか!」と言う
何なのでしょうねこれは。
アホミ「こんちわぁ」
幸恵 「おつかれー」
武田 「今日はおまえが最後に来たなアホミ、ちゃんと綺麗な下着をつけてきただろうな?」
ツン子「懲りない先輩だ、今日は単純打撃系でいこうか?」
笹原 「まぁとりあえずアホミ、今日はどんな話する?」
アホミ「んーおなかすいたぁ肉まんたべたいなぁ」
海堂 「アホミ先輩からだと絶対食べ物の話なんですね」
笹原 「んー、肉まんといえば、このあいだ電車に乗っていたら車内で肉まんを食べていた人がいたんだよな…しかも女の人だったから余計驚いたよ」
幸恵 「アホミじゃないの?」
アホミ「ちがうよう! そんなことしないよう! これでも食事のマナーはちゃんとしてるもん」
武田 「昼休み、机に突っ伏したまま肉まんとピザまんとあんまんを3つ同時にほおばっていたおまえがよくマナーなんて難しい言葉を知っていたな、えらいぞ」
アホミ「へへっそう?」
笹原 「味わからなくなりそうだな」
アホミ「あふれる肉汁のうまみにチーズの香ばしさとトマトソースがよく絡まって、つぶあんの甘さがそれらをひきたたせるんだよう」
海堂 「それっぽく言われるとおいしそうに聞こえるのが不思議ですね」
笹原 「そうか?」
武田 「いや実に興味深い、その構図を応用してだなぁ…たとえばアホミのそのたわわな特大肉まんと幸恵の国内標準な肉まん、そしてツン子のおよそ肉まんとは言えない中の汁がぬけて平たくなった小龍包、それら3つを同時にほおばったらいったいどうなるのだろうか?」
ツン子「そんなことは絶対させないし、その前に貴様がミンチになるだけだ」
幸恵 「でも電車の中で飲食っていやよね、においとか気になっちゃうし」
海堂 「そうですね、気になるといえばイヤホンからの音漏れなんかも気になりますよね」
笹原 「あるある、俺なんかドラム音とかだけ中途半端に聞こえると何の曲を聞いているのか気になっちゃうんだよなぁ」
武田 「あるぅあるぅぅ!
においと音が気になると言えばっ、自分の部屋でぇゴミ箱から変なにおいがしていろいろ悟られないかとか、今部屋に急に入られると困る状況で自分の部屋の近くを通る家族の足音を異様に気にしたりするよねいぃぃ!
何のことかわからない女子は身近な男子にでも聞いてみろぉい! ぼけぇぇ!」
ツン子「まぁとりあえずここらで一撃、今から貴様に我が校のセクハラ教師サワダの上腕二頭筋を断裂させた私の手刀を延髄にくれてやろう。質問は受け付けない…」
武田 「サワダ先生だと?
セクハラ師としては俺と手法は違えど、あの鮮やかなソフトタッチには一目置いていたと言うのにそのっはんぐっ!…」
海堂 「サワダ先生ってセクハラするんですか?」
幸恵 「するする、するのよ。女子の間じゃ有名よ?」
笹原 「幸恵はされたことあんの?」
幸恵 「ないわよ…何なの? ぶん殴るわよ?」
笹原 「聞いただけだろ? 怒るなよ…」
アホミ「アホミもされたことないよう」
幸恵 「あるでしょ! あなたしょっちゅう胸とか触られてるじゃない! はたから見ててもわかるのに…」
アホミ「そぉなの? よく『おまえはフォームがおかしいからなおしてやる』とかは言われるけど…」
笹原 「それだろっ…気づかないのかよ」
武田 「そうだ馬鹿者…セクハラとは相手が性的な行為と感じ、不快に思うことではじめて成立する!
それをそんな凶悪なモノをぶら下げておいてっ不感症かっ!?」
笹原 「起きたのか武田、大丈夫か?」
武田 「ああ、なんとかな。しかしいったい俺は何日ぐらい寝ていたんだ?」
笹原 「5分もたってねえよ。お前、話についてこれてるじゃねえか」
武田 「そうか…とある国の勇者になって王国を脅かすドラゴンを倒し人々に賞賛され姫君に見初められ結婚し子作りに励んでいたんだが…やはり夢だったか」
ツン子「おとなしく寝ていればいいものを…とりあえず意識を奪うやり方は有効ではないと判断し、お次はセクハラ教師サワダの大腿筋を破裂させたローキックをお見舞いしてやろう。痛みには耐えられるかな?
質問は…受け付けない」
海堂 「でも先生がセクハラなんてよくないですよね」
笹原 「まぁ生徒でもダメだけどな」
武田 「ぐっはぁぁぁああ!
まっ前の電車マナーで言いそびれたことだがぁ俺の隣に座ったおっさんが英会話動画を携帯で見ながら『ぷれぇじゃーぷれぇじゃー』ってうるせぇんだよぉぉぉおお!
ぶっ殺すぞぉぉぉ!」
幸恵 「それ言いたかったんなら最初に言えばいいのに…」
武田 「ダマレェェ! もしかわいい女の子だったなららぁディープキス10回でゆるしてやるるぅのにぃ!
それとは関係無しに乳もませろぉぉぉおお!」
笹原 「痛みでおかしくなってるぞ? 大丈夫か?」
ツン子「この蹴りを食らってまだそんな生意気な口がきけるとはな、そらもう一丁っ!」
武田 「がぁむぅぅぅ! 俺は決して暴力には屈しないっ! 屈しないぞぉ」
幸恵 「でもホント生徒にセクハラするなんて最低よね。アホミあなたもちゃんと自分で身を守らないとダメよ?」
アホミ「でもフォームが…」
幸恵 「なんのフォームよ! そんなの口実に決まってるじゃない! ちゃんとダメって言わなきゃ」
アホミ「うんわかった。だめっていう」
笹原 「幸恵は関係なさそうだけどな」
幸恵 「はぁ? 女子全体の問題よ! 引きちぎるわよ?」
笹原 「ちょっと茶化しただけだろ。怖いこというなよ」
武田 「そうだ。お前まで暴力をふるいだしたらかなわんぞ」
海堂 「先輩大丈夫ですか?」
武田 「ああ平気だ。不思議と痛みは感じなくなった。全くな」
笹原 「おっもう5時半か?そろそろ帰るか」
幸恵 「そうね」
ツン子「先輩? 最後はセクハラ教師サワダの高級外車を一撃で粉砕した渾身の正拳突きですよ?
どうします? このままおとなしく帰るのなら食らわずに済みますよ?
おうちに帰って暖かいご飯を食べて暖かいお布団で眠れますよぉ?
どぉうしぃまぁすぅかぁせぇんぱぁい?」
武田 「調子づくなよぉコムスメェ!
たかがザコ一匹とそいつのランボルギーニをこわしたくらいでぇぇ。
電車での思い出から呼び起こされた俺の内なる闇をっ! 世界を覆うほどの暗黒を見せてやろう。
貴様の小龍包をダブルでぺぇろぺろしてやるぜぇぇぇ」
ツン子「そう言うと思ったよ…ふぅぅぅうう」
武田 「ふふ、こいつはさすがにやばそうだ。いったん距離をとるっ!
ん? どうした? なぜ動かない? おいまてぇぇ! なぜ足が動かないんだぁぁぁ!?
まずい…やつの攻撃をかわさなくてはっ! うごけぇぇうごけぇぇぇえええ!
……っぱぁんやぁぁぁあああ」