8・誰が悪いのか不明な真実
シオに姉妹はいませんが、親戚のお姉ちゃん達が何人かいます。
これまで出て来たのは複数います、全員別人です。年齢も違いますしね。
本家の関係者なので「親戚」である事は間違いない様ですが、よく判らないので大雑把に「親戚」でひとくくりにしています。
もう会えない人もいますが、それが認識出来ないのは幸せなのでしょうかね…死んだとは限りませんよ?
08
ええと……現在、一人きりです。
前回までの状況って、ここ数日の事でした。
今が現実です、お帰りなさい。もしくは始めました。
誤字じゃないですよ? 初めましてではなくて、始めました。
いや、他人じゃないです別人でもないです。
コレ誰? って言うか、何!
数日で一人で近場ならば回れる許可を貰えるようになったのが、割と数日前。
一人で魔獣を倒せるようになったのが、割と最近の話。
魔力についての話をきちんと聞き始めたのは三日くらい前の様な気がして、大体がライトノベルの王道を無視していなかったのは大変良かった話です。
……です、が!
「シオを召喚した者は国を通して正式に……いえ、名誉どころか魂から突き崩してやるから楽しみにしていてね?」
そう、見ているこちらがうっそりしてしまいそうな。うっとりしてしまいそうな、慈愛の聖母の様な微笑み……と言うと、ちょっと年齢足りないけど。まあ、綺麗な微笑みをして。
「人として踏み込んではならぬ領域と言うものは、ねえ?
やはり体だだけに叩き込むのでは、甘いのではないかと言う気がするのだけど……どうかしら?」
「はい、お嬢様の御心のままに」
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最初に教わったのは、この世界の魔法の成り立ちと言うものの「始まり」はよく判っていないらしい。
文明が発展する以前だと、もしかしたら魔法と言うものな無かったのではないか? と言われているそうだ。それでも、文明が起きてからの世界情勢に魔法は欠かせずに歴史書に残っている以上は推奨されていない理論でもあるそうだ。
この世界、魔力はあるんだそうだ。その周辺の魔力と術者の体内で練り上げられた魔力を結合して、初めて魔術として行使するんだと。
魔法だ魔法だと思っていたけど、あくまでも魔法って言うのは使う者が行使する以前の状態を言うらしい。
判りやすく言うと、魔法使いや魔術士と呼ばれる様な職業に就いている人って言うのは「体内に『魔道書』を埋め込むと言う契約を交わしている状態」なんだと。それでいて、体内に収めても脳や記憶には直結していないらしくて使い方は別途自力で学ばないといけないそうだ……なんだ、その「基本セットは格安だけどオプションがないと使えません」的な?
え? しかも「魔道書」って適性がないと死亡する可能性もある? うわ、どんな悪徳商法?
なんて、思っていたのが初日の話。
造りはこの世界の物質だし、肉体的には馴染んで来たし召喚されたって事は少なからず魔力があると言う認識をされて、少し戸惑った。いや、魔力がどうこうって話じゃなくて、元の世界での話。
前にカールが「対人仕様ではない」と言う話をしたことがある(第5話参照)んだけど、それには少し理由がある。
家は、とある一族の末端も末端。元を辿れば平安時代に陰陽寮に勤め上げていたと言うくらいの子孫だけど本家ではなくて、有名どころと言えば九尾の狐の御子息がいるけど華々しいものだったわけではないらしい。実際には天文学者としての面の方が有名で、ああ言うテレビや映画で映える様な事は表立ってやらなかったと言われている……分家筋の子孫です。一応。
大きくしない、目立たない、人を潜り込ませて薄く広く日本征服! みたいな事を先祖代々が繰り広げていたらしくて、今じゃ日本だけじゃなくて世界のあちこちに血族はいる……らしい。実際には判らないけど、それで一度は血族と言われる人と連れ合いは本家に顔見せに行く事になる。
顔を見せに行ったら、そこで潜在能力の有無を見極められて本人の希望を聞いた上で「術者」として生きるか「一般人」として生きるかの二択を迫られる事になる。途中で進路を変える事もありで、そう言う意味からすれば才能があるかないかより、一種の「人生の選択肢の一つ」としての意味合いが強い。特に上下関係は厳しくない……とは言っても、きっと何かが違うのか本家に出入りする様な人達はその場に存在しているだけで何だか気迫? オーラ? が違うし、行ってみたら泣いている女の子を見つけて今じゃ嬉し恥かしカレカノです……でも、彼女ツンデレって言うか、そもそも本家の娘と分家末端の息子とじゃ滅多に会えない……ロミジュリじゃないから、別に身分差が邪魔しているわけでもない。単に、物理的に距離があるだけ。車で6時間かかった。
学生で親のすねをかじっている身の上で、簡単に彼女に会いたいとか彼女も会いたいってだけで行動できる訳でも無い。それでも、大型連休の時は本家から車寄越される程度にはお呼ばれしているのは、一応は気に入られていると言う事なんだろう。彼女の両親にあった事はないけど、本家筋の直系娘ではなくて何か裏に事情があるんだってさ。そう言う、でも潜在能力が高い子供って言うのは孤児院的に集められているから世間一般で言う孤児院と言う扱いではないらしい。養い親と同居もしている……別の見方をすれば監視役とも取られかねないけど、あの養家族(両親と兄)は間違いなく彼女を溺愛しているのが丸判る。
出会った始まり? 本家に行って好奇心から迷子になったら泣いてる彼女を発見して、以来懐かれた……理由? 彼女の周囲に居た「小さき者達」が見えて怖がらなかったからじゃない?
なんて説明で潰れたのが、二日目だった。
つまり、だ。
体はともかく魂には、この世界にない能力を持った「異世界の異能」とでも言えば良いのかな?
そんな感じのものがあるわけで、でもだからって特別に修行をしていたわけではなかった。
幾ら潜在能力があるとは言っても、能力って奴は鍛えなければ使えるもんじゃない。アニメじゃないんだから、練習しないでいきなり本番大成功! なんてものは無いから。
単に「視える」ってだけで他に発動していなかったのも理由で、後は本当に幼くて自分自身での判断出来るわけでもない。当然、普通の親からは「待て」が入りましたよ。真面目に。
とは言うものの、普段は「人形姫」とまで呼ばれているらしい無表情の彼女が顔は無表情なのに、人の服を掴んで絶対に放すもんか! と言う決意があふれまくりの手で握りしめていたものだから「連休になったら会いに来る」と言う条件で何とか勘弁して貰ったらしい……聞いただけなんです。うろ覚えなんです。
なまじ顔が調っているだけに、彼女は今の養家族に引き取られる前から色々言われていたらしい。同じくらい小さかった彼女でも理解出来る程の暴言を吐かれて、我慢出来なくて、今にも壊れかけた所に繋ぎとめた存在が居たら……そりゃ、依存したくもなるだろう。
幸いにも、現代日本ではメールとか電話とかあるから忘れる事も疎遠になる事も無かった。連休はほとんどが本家に行く羽目になるから、そう言う意味では学校の奴らと関わる時間が少なかったかなあと言う気もしないでも無かったけど、これはこれで割と忙しかった。
いやだって、学校だよ? 人が集まるわけですよ?
確かに、本家には引越ししなかったけど。能力があると認められた子供の周りには「科学で解明出来ない現象」って言うのは割と起こりやすくなるんだそうだ、つまり呼び水? 撒き餌的に意識の外側で惹かれるって事なんだろう。羽虫が夏場に燃えるのが判ってても火に近寄って来る、みたいな? しかも、相手は頑張れば奴らが「食える」かも知れないとなれば頑張るだろうさ……こっちは命張る羽目になるんですが!
流石に、本家から人が派遣されてトラブル回避に力を貸してくれたのは学校側からも流れ流れて本家に話が行ったのもそうだし。そこに彼女が養父母にお願いしてくれたと言うのも大きいと思う。感謝として、どんな事があったのか可能な限り客観的な視点で話をする……どんな風に過ごしているのかを教えると言う意味も兼ねて。
そんな事もあるんで、確かに本家に行くのはこちらも好都合だったのは確かだ。彼女の兄と父がえらい顔で邪魔してくるけど、幸いにも彼女の母とはうちの親を通じて仲良くさせて貰っているから助かっている。これで四面楚歌だったら戦略的撤退まで考えなくちゃならなかったかも知れない。
なんて昔話で終わったのは、四日目だった。
で、話を戻す。
この世界で魔法……もとい、魔術を行使する為の原動力? 的なものを魔道書と言う。
魔道書と言っても本の形をしているわけではなくて、石や泥で作る人形に与える疑似生命なんかもソレらしい。で、今回されたのは大規模召喚魔術による高魔力保持者と言う条件を付けられたと言う事。
有能だからスカウトする為に穴開けて落とした感じかと聞いたら、間違ってはいないと苦々しい顔で言われた……それ、怒ってるのこっちに対してじゃないよね?
異世界から召喚される事が判っててやったのか、それとも判らないでやったのかは不明らしい。現在追跡調査をしているのだとカールがすんごい笑顔で言って来た……こっちに向けないでくださいお願いします。
体内で魔力を使う場合、その魔道書は無くても良いそうだ。必要なのは体の中から外に出す時の許可証とか鍵とか、そう言った意味合いで。それがないと全く出ないかと言えばそうでも無くて、指先から火種とかコップ一杯の水とか、そう言った感じなんだそうだ。だから、別に誰もかれも必要としているわけでもないし、そもそも適性がないと魔道書を体内に収めても反発してろくな目に合わない可能性が高いそうだ。簡単に天に召されれば良い方なんだってさ……何それ怖い。
人は体内に魔道書を収めた後で、次に術を行使する為の術書と呼ばれているアイテムが必要になるんだそうだ。四大元素は元より、作ろうと思えば自分で作る事も出来ると言うもので魔力を練りこんだ特別なインクで書かれた紙を使って初めて魔術として出来るんだと……ちなみに、上級になると夜にカールが貼っている血界みたいに空中に書く事も出来る様になるらしいけど、あのインクはカールが別の方法で作っているらしくて聞かない方が良い気がする。
んで、森の中だから攻撃系じゃなくて単に水鏡を作ると言う事になって。
初心者用の、懇切丁寧に書かれた巻物の術書を用意してくれてました。ありがとうございます。
何でも、確かにイメージも必要らしいけれど自分で制御した方が自由度が高いので上級巻物になるととっかかりの部分が書いてあるだけって言うのもあるんだそうだ……イメージすると、自分が水道か何かの蛇口っぽい感じで、初心者だとボタンを押すだけで一定量の水が出る感じ。上級者だと、頭上にある井戸からどれだけの水をどれだけ出すかと言う事を下から出す感じとでも言えば良いのだろうか?
「ねえ……これ、一体どこの悪い王妃の鏡?」
術書を紐解き「鍵となる言葉」を口にすると術が発動するそうだ……ちなみにコレ、人によっては「力ある言葉」って言う言い方をするらしいけど意味はあるんだかないんだか? もしかしたら、伝えた人によって違ったのか伝言ゲームみたいに元の形から変わってしまったと言うだけなんじゃないかって言う話もあるそうだ。
人によっては術書には特定の魔道書の保持者で無ければ使えないとか色々あるらしいが、市販品の生活必要品だと術書を開いて書いてある事を読めばそのまま発動するらしい。勿論、だからと言って魔道書を持たない
これも、何で持っていたのかは知らないが『水鏡解放』と唱えたら俺の縦三倍横二倍の黒い全身鏡が現れてびっくりです……触れるから幻じゃないんだぜ?
てか、まずは鏡を見て大きさにびっくりして。
その装飾のきめ細やかさに、何て無駄なんだろうと思って。
ついでに……。
脳が、現実を拒否した。
紛れもなく現実であると、脳が判断した。
でも、感情はソレを拒絶した。
続きます。