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三年生 卒業式

これで最後です。

 『作品にはリアリティを求めました。』


 そんな謳い文句で世に出たこの乙女ゲーと言う名のクソゲーを、頑張った、すごい頑張った私。


 とうとう今日、卒業式を迎えます。



 大丈夫、バレンタインにチョコを渡したときには笑顔で受け取ってくれた。

 今回の攻略対象者は、同じクラス、同じ部活で三年間過ごし、友達以上恋人未満な関係の同級生、江藤くんです!!


 晴れてこれでベストEND達成だッ!




 卒業式もつつがなく終わり、教室でクラスメイトと話す私に、江藤くんが話し掛けてきた。


「おーい、佐藤。部活の送別会始まるぞ」

 きたきたきたきたーッ。


「待ってー、今行く」

 そこに謎の声が。


「ちょっといいかな、佐藤さん」


 声を掛けてくれた江藤くんの後について、体育館にいこうとした私を、誰かが呼び止めた。


「どうしたの?後藤くん」


 ……非常に、嫌な予感がします。


 ちなみに、後藤くんは江藤くんの友人で、モブキャラです。

 ……イケメンではないが、さわやかな好青年だったんだね、後藤くん。


「…同じ大学に行くって知って、どうしても伝えたくて」


 ……そういえば、参考書も何冊か貸してくれたっけ。江藤くんと本屋に寄ったときに、進路のこととか色々話したなあ。



「……ずっと佐藤さんのことが好きだったんだ」

「……!!」


「僕と付き合ってください」

「……!!!」





 ……これは、あれですね!!

 ライバルとか親友とかに邪魔されるけど、途中から江藤くんがきて、

「実は、俺も佐藤のことが……」

ってやつでしょ。

 キャー。

 本当に芸が細かいわー。



 えーと、選択肢は

→「喜んで」

 「……ごめんなさい……江藤くんが好きなのっ!」


の二択……って待て。

 今までの江藤狙いの三年間を台無しにするか、友情に亀裂を入れそうな選択肢しかないのか!?




 ……どうしよう。とりあえず「ごめんなさい」を選択。ごめん後藤くん。




「君が江藤を好きなことは知ってる、でも好きなんだ」

「ごめんなさい。私……」


「嫌だ、君は誰にも渡さない、僕のものだ」

「ごめんなさい」




 ……しつこいなこいつ。こっちが嫌だってば。


「好きだ」

「……あっちいって」



「君と一緒にいたいんだ」

「キモい」


「……照れ屋だな、そんなところも可愛い」


「……」



 ……駄目だ。話が通じない人だよ、この人。








 ……色々あってようやくクリアしたら、



……おまけモードがありました。







『私と後藤くんのドキドキ人生ゲーム☆』





……嫌な予感しかありません。






……やっぱり、乙女ゲームにリアリティはいりません。

乙女ゲーの鉄則(偏見)


⑧卒業式に攻略対象から告白タイムがある



卒業式は、攻略対象のように目立つタイプよりも、普通のおとなしいタイプが勇気を出す日なのではないかと思われます。

イケメンに好かれるような子は、そういう大勢の目立たないタイプから好かれているのではないかと予想されます。



さらに、人生はまだまだ続きます。「卒業」は通過であって、終わりではないのです。




この度は、我が社の製品をお買い上げありがとうございました。

この商品を参考に、リアルの世界で恋愛を頑張ってください。


(社員一同より)




※おまけをあと一話書きます


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