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第07話:毒殺 前編

 北海道旅行を終えた京一は、東京へ戻っていた。

 警視庁捜査一課の一室の電話が鳴る。

「はい、捜査一課」

 出たのは坂巻だ。

「はい、分かりました!」

 受話器を置く坂巻。

「高岩警部、事件です!」

「場所は?」

「警視庁内です」

「何!? それで、どういう事件なんだ?」

「九階の喫煙室で捜査三課の御子柴みこしばさんがお亡くなりに」

「御子柴って、御子柴 奈々子ななこか?」

「はい」

「行くぞ」

 京一と坂巻は九階の喫煙室に移動した。

 御子柴 奈々子が倒れている。

 京一は御子柴の口元で臭いを嗅いだ。

(アーモンド臭……青酸系の毒物か……)

 御子柴の手元には煙の出ているタバコが。

「鑑識!」

「はい!?」

「このタバコ、調べてくれ」

「分かりました」

 鑑識課員がタバコの火を消して袋にしまった。

「青酸の容器はどこだ?」

「これじゃないですか?」

 坂巻が手袋をはめた手で茶色の小さな瓶を取った。

「鑑識に回しとけ」

「了解です」

 坂巻は鑑識に瓶を渡した。

「さて、毒の入手経路と容疑者を洗うか」

「はい」

 京一と坂巻は喫煙室を出て捜査三課へ移動した。

「捜査一課の者です! 御子柴さんと仲が良かった刑事さんはいらっしゃいますか!?」

「奈々子がどうかしたんですか?」

 訊ねるのは、御子柴の彼氏でもある谷田川やたがわ 光則みつのり刑事だ。

「先ほど、御子柴さんが喫煙室でお亡くなりになりました」

「な、何があったんですか!?」

「恐らく、何者かに殺害されたんじゃないかと……」

「何ですって!?」

 谷田川は三課を飛び出していった。

 直ぐさま後を追う京一と坂巻。

 彼らが着いたのは、例の喫煙室である。

「奈々子!」

 谷田川が遺体に駆け寄る。

「奈々子……!」

 谷田川の目には涙があふれ出ていた。

「谷田川さん……」

 京一は拳を握り締める。

「鑑識、ガイ者の死亡推定時刻は?」

「お二人が来られる十分くらい前です。彼女が倒れた時、私もここで一服していましたから」

「ということは、お前も容疑者の内の一人だな」

「私は殺してませんよ! それに、他にも怪しい人ならいますよ! あの人とか、あの人とか!」

 鑑識が差し示したのは、同じく三課の二人、菊川きくかわ ゆう相川あいかわ みどりだった。

 京一は二人を見た。

 菊川は平気で人を殺しそうなくらい人相の悪い男で、相川は端正な顔立ちをした女性だ。

「何見てんだコラ!?」

 というのは菊川だ。

「菊川さん、貴方は御子柴さんとはどういうご関係で?」

「俺との関係? ただの同僚」

「嘘付け! お前、奈々子に言い寄ってたじゃないか!」

 泣き止んだ谷田川が立ち上がって菊川に歩み寄る。

「俺が殺したってのか!?」

「谷田川さん!」

 京一が谷田川を抑えた。

「菊川さん、どうなんですか?」

「俺が殺人なんか犯すわけないだろ!」

 京一は相川を見た。

「相川さんは?」

「私だって人殺しは……」

「そうですか……。ところで、お二人の指紋を採取させて頂けませんか? まあ、これはあくまで任意なので、お断りになられるなら、それはそれでいいのですが……」

「提出しましょう」

「私もよ」

 鑑識が二人の指紋を採取した。

 その後、鑑識が二人の指紋と小瓶の指紋を照合させるが、合致はしなかった。

 こうして事件はお宮入りするのかと思われたのだが……。


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