第28話:怪しい自殺 後編
京一と聡美は三恵子の友人の吾妻 楓に話を聞いていた。
「また絞殺の話? いい加減聞きあきたわ。それに、三恵子の件は自殺で片付いたんでしょ。だったらもう来る意味なくない?」
楓はそう言うと、家の中へ入ってドアを閉めた。
次に、京一と聡美は橋村 奏に話を聞いた。
「そういえば三恵子、近々大金が入るとか言ってたわね。ひょっとして、犯罪者を強請うとしてたんじゃないかしら」
「京一さん、吾妻さんが気になる証言してたわね」
「君も気付いたか」
京一と聡美は吾妻 楓の過去を洗った。
半年前、吾妻の内縁の夫が首を吊って亡くなっているのが発見された。警察は当時、自殺と判断してそれ以上捜査をしなかった。
その亡くなった内縁の夫は、吉村 久。一流商社の社員だった。
吉村には二歳年下の妹がいる。そこで、連絡を取ろうと思って電話番号を調べると──。
京一と聡美は吾妻の家を訪ねた。
「今度は何よ?」
「吾妻さん、貴方、半年前に亡くなった吉村 久さんの内縁の妻だそうですね」
「それがどうしたのよ?」
「吉村さんは恐らく、何者かに殺されたのです」
「ふぇ?」
「殺害された吉村さんには妹がいました。それが今回、絞殺された大堂 三恵子さんです」
「……!?」
「三恵子さんを殺害したのは……吾妻さん、貴方です」
「はあ!?」
「三恵子さん殺害の動機は口封じです。半年前、吉村さんを殺害したのも、貴方ですね?」
「……面白い推理ね」
証拠はあるの?──と、吾妻。
「吉村さん殺害については、証拠は見付かりませんでした」
「ほら見なさい!」
「ですが、大堂 三恵子さんの殺害については、貴方は自白をしているのです」
「どういうことよ?」
「警察は三恵子さんの死因を公表していません。ですが、貴方は三恵子さんが絞殺されたことをご存知だった。わからないようなら教えてあげましょう。僕と初めて会った時、貴方はこう証言しました。『また絞殺の話?』と。つまり、貴方が真犯人であることを物語っているんですよ!」
「そ、それは三恵子の旦那に聞いたのよ」
「いいえ。大堂さんは死因を誰にも話していないそうですよ」
「くっ……!」
その場に膝を着く吾妻。
「三恵子が悪いのよ。あの子があいつを殺したのを暴いた挙げ句、お金を要求してくるから。くれなきゃ警察に話す? ふざけんじゃないよ! そんなことされたら私の人生終わるのよ!」
「吉村さん殺害の動機は?」
「あれはあいつが暴力を振るってくるからよ。DVってやつ? 耐えられなかった。だから殺したのよ」
「吾妻さん、連続殺人の容疑で逮捕します」
京一は吾妻に手錠をかけて警視庁に連行した。




