第24話:フェリー殺人事件 後編
京一は警視庁の捜査一課に電話した。
「もしもし、高岩です。大至急調べていただきたいことがあります。木崎 紀子という女性です」
「ちょっと待ってね」
電話の向こうで仲間の刑事がパソコンのキーボードを打つ音が聞こえてくる。
「出たよ。木崎 紀子は、前科持ちだね。殺人、強盗など色々やってるみたいだよ」
「分かりました。どうもありがとう」
電話を切り、懐へしまう。
「船長さん、乗組員を集めて下さい。聞き込みの結果を確認したいので」
船長は乗組員を招集した。
京一が聞き込みで得た情報を分析する。
「つまり、容疑者はアリバイのない二人。坂田 博美とその夫の隆。それ以外の乗客にはアリバイが取れてるのか」
「刑事さん、どうですか?」
「そうですね……」
京一は携帯を取り出して警視庁にかけた。
「少々確認したいことがあるんですが、木崎が起こした事件の被害者に坂田ってのはいませんか?……そうですか。分かりました」
「刑事さん、何か?」
「坂田夫妻は木崎に息子を殺害されてるようです。坂田夫妻のどちらかが犯人、あるいは両方かもしれませんよ」
「それでは坂田さんの部屋を調べましょう。スタンガンが出てくるかもしれませんよ」
「では手分けして探しましょう」
一同は坂田夫妻の部屋を訪ねた。
「何ですか? 大勢で押し掛けて」
「ちょっと探し物です」
一同は中に入り、手分けしてスタンガンを探したが、見付かることはなかった。
「何をお探しになってるんですか?」
部屋を出る一同。
「出ませんでしたね」
「船長さん、ゴミはどこですか?」
「ゴミはこちらです」
船長は京一をゴミ箱に案内した。
燃えないゴミからスタンガンが出てくる。
「刑事さん、坂田さんは犯人なんでしょうか?」
「恐らくは」
京一は坂田夫妻の部屋に戻る。
「これはあなた方どちらかの持ち物では?」
「知らないです」
「私も知りません」
京一は悩む。
その時、京一の携帯がメールを受信した。開くとフェリーの乗組員に坂田夫妻の息子の彼女がいることが判った。その名は岬 有紗だ。
京一は廊下に出て訊ねる。
「この中に岬さんという方はいらっしゃいますか?」
「私が岬ですけど」
「貴方、坂田夫妻の息子さんと交際されていたみたいですね」
「え? あ、いや……」
「木崎さんを殺害したのは貴方ですね?」
「な、何の証拠があって私を犯人扱いするんですか?」
「貴方、遺体を見てもいないのに、なぜスタンガンが使われたことを知っていたんです?」
「そ、それは……」
「絞殺に使った紐はどこです?」
「……………………」
「道警で取り調べてもらいますか? 自白すれば刑が軽くなりますよ」
「……すみませんでした」
「動機は彼を殺されたことによる復讐ですか?」
「はい……」
「船長さん、岬さんを北海道に着くまでどこかに幽閉して下さい」
「分かりました」
船長は数人の乗組員と共に岬を連行していった。




