第18話:保険金
京一は都内で山沢 武の交友関係を洗った。
すると、イニシャルがKの長野県民の存在が明らかになった。
フルネームは高山 恵一。山沢が長野に住んでいた時の知人である。
京一は直ぐに長野へ発った。
長野へ到着し、県警に足を運ぶ。
「高岩さんじゃないですか。捜査に何か進展でも?」
「山沢 武殺害の容疑者が浮上しました。高山 恵一と言います」
「そうですか」
「では、自分は高山の所へ行ってきます」
京一はそう言って県警を後にした。そして、高山の住所を調べ、そこを訪ねた。
ピンポン──インターホンを鳴らす。
「はーい」
男が中から出て来る。
「警察です。恵一さんですか?」
京一は警察手帳を見せた。
「警視庁? 俺に何の用だよ?」
「山沢 武さんをご存知ですか?」
「ああ、高校の時の知人だけど、そいつが何か?」
「何者かに殺害されました。それで、交友関係を洗っていたところ、容疑者に貴方が浮上しました」
「俺はやってねえよ」
「では、お宅を拝見出来ますか?」
「ああ、構わねえよ」
京一は高山の家に入った。
「二階に上がってもいいですか?」
「ああ」
京一は二階へ上がり、寝室に入った。
「人の寝室入るなよ」
「見られては困るものでもあるんですか?」
「そ、それは……」
京一は寝室を調べた。
棚の上に山沢 瞳と高山 恵一のツーショット写真が伏せてある。
(これは……)
「高山さん、不倫をしてますね?」
「あんたには関係ねえだろ?」
「まさか、貴方が犯人?」
「証拠はあるのかよ?」
「東京で山沢さんを調べたら、生命保険が掛けられていました」
「それがどうしたってんだよ?」
「山沢 瞳さんと結託して保険金殺人を犯したのでは?」
「……………………」
高山は床に膝をついた。
「バレちゃしょうがねえな。全部あんたの想像通りだよ」
京一は手錠を取り出して高山を逮捕した。