猫ちゃんはえらいえらい
「クロちゃんはえらいねぇ。えらいえらいだねぇ」
飼い主曰く。
私はえらいらしい。
なので大学を受験してみた。
合格した。
猫では初めてらしい。
「えらいえらい」
「えらいねぇ」
大学ではたくさんの人間が私をえらいといった。
そうかそうか。
なので医者になってみた。
これもまた猫では初めてらしい。
「ありがとう。ありがとうございますぅ!」
難しい手術を成功させるとお礼を言われたが、あまり嬉しくない。
えらいえらいされたい。
なので私はまた家猫になった。
「えらいえらい。クロちゃんえらいねぇ。宇宙一だねぇ」
褒められるとテンションが上がったので宇宙飛行士になった。
世界中の人間がえらいえらいしてくれたので私は気分良く宇宙へ飛び立った。
仲間との会話で宇宙に行く猫では初めてではないらしいと知る。
私は宇宙家出をした。
宇宙服を着て船から飛び出た。
5秒でさらわれた。
ある星で私は宇宙人達にもてなされ数日を過ごした。
「ピポラクラポテテテス」
数日で彼らの言葉を理解した私はそれが『ここで我々の神になってくれ』という申し出だと分かった。
でもえらいえらいしてくれないので自家製宇宙船で地球に帰った。
飼い主は帰ってきた私に特別美味しいごはんを食べさせてくれ、たくさんえらいえらいしてくれた。
やっぱりここでいいやと思った私は飼い主と共にあまり広くない飼い主のマンションの部屋で18年ほど生きた。
どうだ?私はえらいだろう?




