見つかったパズル
「おっはよ〜!」
そう言っても、みんな返事をしてくれない。
灯ちゃんと話しているばかり。
聞こえなかったのかな、と思ってもう一度大きな声で言うと、いくつかの視線がこちらに向いた。
「水瀬さん、そんな大きな声出さなくても聞こえてるから…。おはよう」
今までは紬ちゃん、と呼ばれていたはずの子から、水瀬さんと呼ばれた。
まあ、仕方がないのかな
だってそうだよね。長期間いなかった私なんて邪魔者だもん。
でもそう思うのも、2、3人だと思う。
だから今度は別の子に話しかけに行った。
「おはよう、夜花ちゃん!」
「…ああ、水瀬さんか。おはよ」
めんどうそうな視線と共に、適当な挨拶が返される。
すぐに挨拶が帰ってきただけ。
それでも今の私は嬉しかった。
「うん!おはよう!」
ついで…でもないけれど、亜依ちゃんにも話しかける。
「亜依ちゃん、おはよう!」
「おはようございます、水瀬さん」
前からずっと水瀬さん、と呼ばれていたおかげか、いつもと同じ挨拶が帰ってきた。
それが嬉しくて、つい大きな声で返してしまう。
それでまた、冷たい視線を浴びた。
「着席」
その言葉と共に、クラスメイトたちが散り散りと自分の席に戻っていく。
「この合唱発表会は、だれひとり欠けてもできなかったと思う。」
その言葉に、誰かが言った。
「水瀬さんはいなくてもできたじゃん」
その言葉を皮切りに、みんなそれぞれ話し出す。
「本番、参加するのかな」
「だとしたらやだね〜。てかそもそもパートすら決めてないんじゃない?」
「静かに!」という先生の声とは反対に、声は大きくなっていく。
そっか。私って、
このクラスの『邪魔者』なんだ。
「せんせー、体調悪いので保健室行ってきまーす」
逃げの一言。
そうでも言わないと、学校はここから逃げさせてくれない。
「体調が悪そうには見えないが…まあ、いいだろう」
「ひとり欠けてはしまったが…まあ、頑張ってこいよ」
その言葉が、私が去った教室から聞こえた。
多分これラストなんじゃないでしょうかw




