始まりは異世界にて
山川 蒼太が目を覚ますと隣には、淡いピンクのレースの入った下着姿の幼馴染の雲池 星流が寝ていた。星流が蒼太の方に寝返りをうった。星流の胸の谷間がもろに見え、蒼太の顔が火照った。
恥ずかしくなった蒼太は、辺りを見渡す。大きな広場の向こう側には、木造の大きくオシャレな建物が立っていた。建物の入口には、ホイップ図書館と書かれていた。蒼太には、見たことがない景色だった。
「うう~ん」
星流が、目を覚まし起き上がると共にハーフアップの髪型で毛先が巻かれている黒髪が揺れた。
「キャッて、えっ、何で私こんな格好?えええっ」
蒼太を見つけるやいなや顔を赤らめながら睨んだ。
「ちょっ、蒼太の変態!私の制服どうしたの?」
「いや、僕も知らないって」
「っと、とにかくその上着のブレザー頂戴」
「えっ、いいけど」
蒼太は、上着を渡した。
「ありがと、ズボンとローファーも頂くね」
「いや、ズボンは、ちょ無理……えっ……」
運動も勉強もからっきし駄目な蒼太は、襲いかかってきた星流に簡単にズボンとローファーを取られるのだった。
星流は、蒼太の上着のブレザー、ズボン、ローファーを身に着け満足げだった。一方の蒼太は、カッターシャツの下から赤のチェックのトランクスが見えるという間抜けな服装となってしまった。
「蒼太、赤のトランクスなんだ、ははは」
「誰のせいだよ。てか、あんま笑うとブレザーの間から胸見えてるよ」
その後、星流は膨れっ面で黙って蒼太を無視するのだった。
「マゾゴッド、また女学生の制服あつめですか。そんなことしても、青春なんてやってきませんのに」
「いいじゃないか。これで俺のコレクションは百着になったわけだよ」
「でも、なんで彼女をこっちの世界に?いつもなら、制服を頂いて終わりじゃないですか」
「女の子を下着姿で冒険させる。なんか面白くないかい?」
「ホント貴方って、変態ですね。青年までついてきちゃってますよ」
「まあ、良かろう。逆に面白いじゃないか」
「君は、君の役割を果たしたまえ」