24──日常から飛び出した その2
いっぱいお金も貯まって、いざ出発の日。向かう方向を確認して、移動する方法を探す。
馬や馬車の集まっている場所に行って、目的地や値段を交渉しながら決める。その予定だったんだけど。
「やっオペラちゃん」
「クランドさん」
「それとコランさん」
「まだ街にいたのね」
「まぁね。仕入れにも色々あるのさ」
クランドさん。引退したクランクおじさんの代わりに、私たちの村に来てくれる行商人の人。
「二人は今から出発するところ? よければ護衛を頼まれちゃくれないかい」
「場所によるわね」
コランは地図を取り出して、あれこれとクランドさんと交渉をはじめる。交渉をはじめてすぐに、コランがガッツポーズで戻って来る。クランドさんは頭を抱えている。
「行くわよオペラちゃん」
「ねぇ、どれだけ、ぼったくったの?」
「適正価格よ。心配しないの」
「そうだね。安全に代わりはないからね。さ、二人はもう出られるかい? 大丈夫なら、今すぐ荷馬車をとってくるから」
ちょっと待つと、村を出たときと同じような荷馬車がやってくる。前と違って木箱が沢山積み込まれていて、すっごく狭い。
「狭くてごめんね」
「大丈夫だよ」
荷馬車の後ろの縁のあたりで、二人向き合って三角座りで乗り込む。
「ねぇ、これ後ろの板外した方がいいんじゃないかしら?」
「ダメじゃないかな」
「分かってるわよ。やらないって」
「それじゃ、出発するよ」
ゆっくりと馬車が動き出す。大きな道を進んで、途中で曲がって、馬車がすれ違えない広さの道へ。森の中にある小さな村を順番に回っていくそうだ。行商人は普通大きな街から街へと移動して、商売をするらしいんだけど、クランクおじさんクランドさんは、物の少ない誰も寄り付かないような村をメインに回っているらしい。
「元々僕らも、オペラちゃんのとこみたいな、小さな村で生まれてね。今はもうないんだけど。あぁ、そんな顔しなくてもいいよ。みんなまだ生きてる。大きな街にお引っ越ししただけだからね」
「よかった」
「オペラちゃんは優しい子だね。それで、みんなその街に根っこを下ろしたんだけども、僕ら兄弟は、僕らみたいに村がなくなるのを食い止めたいって思ってね。そうして、行商人をやっているわけさ」
「行商人をすると村がなくならないの?」
「そうだね。やっぱり、外からお金とか道具とか、そういうものが入ってくる。少しでも人の出入りがある。それが大事だからね」
なんとなく分かったような分からないような。でも、村がなくなるのは寂しいことだから。村が残るのっていいよね。
「スピム村にはどういうキッカケだったの? あの村って普通の地図にないじゃない」
「ああ、それは、クランク兄さんに聞かないと分からないな。オペラちゃんは分かるかい」
「分からない」
クランクおじさんが来るのが普通だったし、そうじゃない時があるなんて考えたこともなかった。
「まぁ兄さんのことだから、冒険だーって言って、知らない道に入ったとかかなあ」
「クランクおじさん、冒険の話いっぱいしてくれたよ」
「はは。そりゃよかった」
そうやってお話をして、人気のない道に入ってから、一時間くらい経った。空が少し暗くなっていて、さっきカラスの鳴き声も聞こえた。そろそろ止まってテントを張る時間だ。
「今日はここまでにしましょう」
クランドさんが馬車を止めて、馬を近くの木につなぎ直す。
わたしたちも降りて休む準備をしようと思ったその時、道の外れ、木々の方から音が聞こえる。
「オペラちゃん」
潜めた声にわたしは頷く。
持っていたカバンを下ろして、ナイフに手を伸ばす。コランは腰に付けていた剣を抜き御札を取り出す。
「何人かいるわね。私は荷物を守るから、オペラちゃんはクランドさんの方へ」
「分かった」
荷台の後ろから前の方へ移動してクランドさんと合流する。クランドさんも、長い棒を持って警戒していた。
道の先からボロボロの冒険者風の男が歩いてくる。男は両手を腰に当てながら。
「おい、怪しいもんじゃいぞ。ちょっとばかり道に迷ってしまったんで、道を訪ねたいんだ」
「本当ですか? 他にお連れの人は?」
クランクおじさんが低い声で聞き返す。
「あー。ほら見ての通り」
いいながら男は腰に当てていた手を後ろに回して、何かを投げた。
「────」
それを見てわたしは、数音からなる魔術を詠唱する。風が吹いて、こっちに飛んできていたものが流される。
「ち。魔術があるなんて聞いてねぇ!」
「それで、盗賊の方でいいですね?」
クランクおじさんが棒を構える。臨戦態勢。わたしも姿勢を少し低く構える。
「ああ、そうなんだ。でも、もう辞めるよ。二体一じゃ勝ち目ないしな。ほらよ」
両手を上げて何も持ってませんよのポーズ。
「他の人は?」
さっきコランと感じた気配はこの人じゃない。絶対に他にもいる。
「他? 見ての通り一人だよ。お嬢ちゃん。オレもお嬢ちゃんみたいな可愛い子ちゃんとは戦いたくないんだ。本音を言うと盗賊も嫌々やっててよぉ。足洗いたいんだ」
わたしは次の魔術を使って男の額を軽くつつく。
「あ?」
「嘘つかないで」
「舐めてんのかガキぃ!」
目の前の男をじっと見つめて待つ。昔のわたしだったら、きっと泣いてたけど、大丈夫。
そんな風に睨み合っていると、背中の方から男たちの悲鳴が聞こえてきた。きっとコランがギタギタにしている音だ。やり過ぎてないかなぁ。
後ろから音が止んですぐに、わたしの拳くらいの石が男の方へ飛んでいく。まさか、クランドさんとわたし以外から攻撃が飛んでくると思っていなかったのか、男はもろに食らってのけぞる。
その隙に流れるようにコランが迫っていき、鞘をつけたままの剣でボコボコにしていた。
「ふぅ。素人で助かったわ。なんとか御札一枚で済んだわね」
「コラン大丈夫だった?」
ナイフを鞘に戻して、コランの方へかけよる。
「ええ、ほら」
頬に付いていた血を拭いて、どこにも怪我がないことをアピールする。返り血だったみたい。
「それで、ほら」
親指で指し示した方には三人倒れていた。盗賊さんの方は大丈夫じゃなさそう。
「殺してない、よね?」
「もちろん。オペラちゃん殺しはNGでしょ」
「わたしがいなくても殺しちゃだめだよ」
「うーん。そうねぇ。場合によるわね」
「ダメっ」
キャニーだったら殺してないんだから。コランは乱暴すぎるんだよ。
「今、キャニーのこと考えたでしょ」
「わっ」
「オペラちゃん分かりやすすぎよ。もうちょっとポーカーフェイスを覚えないと、恋心は秘めるものよ」
「が、がんばる」
「ま、それはそうとして、キャニーも今はどうか分からないけどね」
「でも、キャニーはキャニーでしょ」
「案外人って変わるものよ」
「そうかなぁ」
「そうそう。私はオペラちゃんの恋を最後まで応援するけど、いざとなったらキャニーのことなんてバッサリいかないと。よっと」
盗賊さん計四人を縛り上げて道の脇に置いておく。困ったこれじゃ野宿できない。
「ちょっと行った先の斜面にでも転がしておきましょう」
「可哀想だよコラン」
「それじゃ、完全に真っ暗になるまでもう少し進もうか」
「あっ、クランドさんいたの?」
「いるも何も依頼主なんだけど」
こうして楽々と盗賊を退けたわたしたちは、引き続き次の村へ。
盗賊の他にイベントは特になし。スキップ。
一つ目の村に到着。
クランドさんが積荷を下ろしてお金を受け取る。
横から箱の中身を覗き見したら、塩と果物と薬が入ってた。
「本当に助かります。ぼちぼち、体調を崩す者も出てきていて」
「お礼ならこの子たちにも」
大人の世間話は長いけど、盗賊を倒したときの話をしているときは、自慢げに胸を張って笑っておいた。相手の村の人が可愛い子どもを見る目から、関心した目つきになって満足。
「さて、今日は泊まっていかれるので?」
「ええぜひ」
「そちらのお嬢さん方も、ゆっくりして行ってください。見るものといったら滝くらいしかないですが」
お客さんようの空き家に荷物を下ろし、わたしとコランは一目散に滝へ。クランドおじさんは、仕事の話だといって飲み会へ行ったので置いてきた。
お昼過ぎ。村の端からさらに森の方へ。わたしの村には大きな川はあったけど、滝はなかった。自分の背の丈くらい段になっていたのは、一応滝なのかなぁ。
夜でも明かりを持てばすぐに来られるくらいの場所へ歩く。迷わない近さ。
水の流れる音が徐々に大きくなって、空気が湿ってきた。
雨上がりのツンと冷えた気持ちいい温度。
三階建てよりも高い場所から、一直線に水が落ちている。弾けた飛沫がキラキラと光って、虹みたい。川の急流を大きくしたような、すごい迫力だ。
「これが滝」
落ちてきた水は滝壺といわれる湖? に吸い込まれていく。川みたいな流れはない。落ちてきた水はどこに行くんだろう?
「オペラちゃん。ここはね逢引スポットらしいわよ」
「あいびき?」
「逢引って言うのはね。こしょこしょこしょ」
「へ、へぇ」
頭の先っぽがポンと鳴った気がする。お顔が真っ赤になってないかしら。
「それでね。縁結びって話もあるらしいわ」
「縁結び」
「好きな人と一緒にいられますようにって」
「キャニーと一緒にいられますように」
「それで、ハート型の石を投げ入れて、沈まなかったら叶うんだって」
「石探そ!」
「ええそうね」
「コランの分もいる?」
「大丈夫よ。オペラちゃんの分も探してあげる」
「やった!」
二人で手分けしてハート型の石を探した。真ん中で割れてたり、ちょっと凹んでるだけだったり、ハートっぽい石は見つかるけど、ハートはなかなか見つからない。
見つけたと思ったら、すっごく分厚くて丸っこくて、実はハートじゃなかったり。日が落ちるギリギリまで探したけどなくて、お腹が空いてくる。こんなに見つからないなんて。ずっと前に見つけたことあるのに。あのとき、拾って持っておくんだった。
もう見つからないのかな。
「あったわよ!」
「あったの!」
コランのところに走る。
「はい」
「ほんとにハートだぁ」
真ん中で折ればピッタリと重なりそうな、綺麗なハート型だった。受け取って両手でぎゅっと握る。手の中に完全に収まってしまうくらい小さい。
「コランすごい」
「そうでしょ」
コランの周りには大量に細かい石、石の破片が散らばってる。この中から探したのかな。石がいっぱいある場所を集中して探せばよかったのか。
「ねぇねぇ、投げていい?」
「もちろん。いっぱい想いを込めてから投げるのよ」
キャニーとまた会って旅ができますように。いっぱい話して笑ったり遊んだり、できますように。
「えいっ」
足を曲げて両手で下から上へ投げやった。
一度上に上がって、滝の真下へと落下していく。小さくツーバウンドしたのは見えた。
目をじっと凝らす。
「暗くてよく分からない。石はどこいったの?」
「ちょっとだけ浮いてたわよね」
「でも、よく見えない。沈んでた?」
「分からないわね。ま、恋占なんてこんなもんよ。私、占いは良い結果しか信じないから」
「そんなことできるの?」
「できるわよ。未来を決めるのは私だもの。だからあんまり気にしちゃだめよ」
「うん」
縁結びの恋占、結果、分かんない。残念。
あー、キャニーに会えるのかなぁ。
クランドさんと分かれて三日くらい。
村も看板も何も無い森の中を歩いています。
木々の背がすっごく高い。それ以外は森って感じ。
コランと何度も地図を見て合ってるねって確認しながら、ここまで歩いてきた。
「ねぇコラン。あれ見た?」
わたしの胸くらいの高さの、歩く木? があちこちに葉っぱをぶつけながら横を通り過ぎる。二束の根っこが足みたいになってて、ヒョッコヒョッコと大股で、マスコットみたいで可愛い。
「ねぇオペラちゃん。あれ、魔物よ」
「魔物?」
「そう。最近発見された危険な動物なの。その辺の話はしていなかったわね。詳細は後で説明するけど、魔物はギルドから討伐対象になっているわ」
「討伐しちゃうの」
「ええ」
「そんな、でもさっきの子は危険じゃないよ」
「そんなの分かんないでしょ」
「ぐぬぬ」
「前に動く木の化け物が現れて、ギルドに招集がかかったことがあったの。さっきのは小さくて安全かもしれないけど、大きくなったら大変よ」
「ちゃんと躾したら大丈夫じゃない?」
「うう。その発想は無かったわ」
「ねぇ。ねぇ」
「ダメったらダメ」
「あ、あれ!」
さっきの小さい子が、ウネウネしたでっかい木の根っこをよじ登っている。どこに向かっているんだろう。木を登ってる?
「おーい」
とりあえず呼んでみる。
「大丈夫かしら」
「おーい」
小さな木は何も聞こえてないって感じで、根っこの上を歩いて、木の幹の抉れたくぼみのところにはまる。そのまま、じっと根っこを大樹に押し込んで、差し込むようにしたと思った次の瞬間。
メキメキメキメキと、木が傾いて、わたしたちは影に飲み込まれる。
「きゃー」
二人右と左に背中を向けて駆け出した。
木が折れるような音があちこちから鳴り出して、音の大雨みたいになる。
地面スレスレまで傾いた木は、土埃を上げることなく、寝っ転がったお父さんが立ち上がるときみたに、ゆっくりした動きで根っこの足を地面から出す。右と左を順番こに引っこ抜いて、立ち上がった。
「ほえー」
「オペラちゃんぼーっとしない」
「はいっ」
コランは両手に御札を持って戦う気まんまんだった。
「えっでも、これさっきの小さい子」
「まだそんなこと言ってるの? どう見ても敵よ敵。やらなきゃやられるわ」
迷子か酔っ払いか分かんないけど、右へ左へ揺れながら、迫ってくる。
「うまく燃えればいいけど」
最初に一枚、コランが一番多く持ってる魔術を発動した。真っ直ぐ一直線に火が飛んでいって、外側の皮をこんがり焦がす。木の巨人はびくともしない。
「火力が足りないわね」
根っこの足で地面を削りながら、ゆっくり迫ってくる巨人から逃げる。
「しょうがないわね。距離をとって──」
体が揺れるくらい重い音。
巨人が歩くのに失敗して足を折って
「倒れるー!」
無我夢中で叫ぶ。
とにかくこの場から離れたくて、そう叫ぶ。
わたしの声で魔術が発動して、それが風になり、わたしとオペラを真横に吹き飛ばした。
「あわわわわ」
「なっ。によっと」
頭から落ちそうになって、両手でどうにか受け身をとって、ぐるんと回って着地。全身土まみれ。コランは前のめりになりながら、こけずに着地していた。
地面が揺れる。
さっきの巨人が何本かの木々を巻き込んで、あちこちぐちゃぐちゃになりながら横たわっていた。元々ただの木だから、手がないんだ。手もつけないし一度こけたら立ち上がれない。
それでもまだ起きてるのか、のっそのっそと体を左右に揺さぶって、足の方ではたくさんある根っこが別々に動いてどうにか立ち上がろうとしていた。うねうね動いて怖い。
「こいつバカじゃないの」
ツインテールをなびかせて、コランが目的地の方へ歩き出す。
「行くの?」
「しょうがないでしょ。あれだけの巨体燃やす手段ないんだから。今のうちに行きましょ。ほら」
旅の最初の頃によくしてくれたみたいに、手が向けられる。駆け足でよって手をとると、汗でびしゃびしゃで少し震えていた。コランも怖がったりするんだ。なんだか嬉しいのと不思議な気持ち。
巨人とぶつからないように大きく回って、元の道へ戻る。
本当の本当にゴールの近くに着いたころには、空に真ん丸なお月様がのぼっていた。とうとうキャニーに会わなかったなぁ。通りかかった街で色々聞いてみたけど、キャニーを見たって人はいない。すごく目立つってわけじゃないから、見かけても分からないだけかもしれないけど、どこにいるか分からないのは一緒だ。
しょんぼりした気持ちで一晩眠って、また歩き出す。
こんなに楽しみじゃないゴールは初めてで、あんまりにもすぐに着いちゃって、でも間違いなくここだなって思った。
この辺だけ丸っと木がなくなっていて、その代わりに黒っぽくなった地面にまばらに雑草が生えている。それだけじゃなくて、木の棒みたいなものがたくさん刺さっていた。
綺麗に四角く切られた棒じゃなくて、不器用に斧で切り出したままのような棒が、たくさんたくさん、たくさんたくさん、立っている。長さも場所もちぐはぐで、何のために? 近づいて、一個分をジッと見ると、昔ペットのために作ったお墓に似ているのだと分かった。
「ねぇコラン。ここがそうなの?」
「そうよ」
「これはキャニーがやったの?」
「私が分かるわけないじゃない」
「キャニーは、どこで何やってるのかな」
「捕まえてみないと分からないわね」
「コラン。コラン」
「なにオペラちゃん」
「わたし、どうしたらいい?」
景色が滲む。まだ低いお日様の光が眩しくって、目を閉じそうになる。
手が握られる。
「オペラちゃんが決めることよ」
ゆっくり、心が急な坂道を滑り落ちないように、慎重に思いながら話す。
「キャニー、寂しがってるかな」
「分からないわ。案外どこかの村に転がり込んでるかも」
「キャニー、悲しくなってないかな」
「分からないわ。気ままに元気でやってるかもしれないわ」
「分からないの?」
「そうよ。私はあんな陰キャじゃないから」
「じゃあ誰なら分かるの?」
「キャニー本人」
「じゃあどうしたらいいの」
「それはオペラちゃんが決めること」
「キャニーがどう思ってるか分からないのに?」
「それが関係あるの?」
「かんけい……」
「オペラちゃんはどうだと思う?」
「キャニー、きっと寂しいよ。だって、友達いなさそうだし」
「ふふ。じゃあそうなんじゃない」
「それでいいの?」
「それはあなたが決めること」
「じゃあ。どうしたらいいか分からないけど、キャニーを追いかけたい。まだ……ううん、もっともっともーっと、キャニーのこと捕まえなきゃ。だって、こんな。絶対寂しがってる」
繋いだ手を振り払って、太陽を背に、コランへ向き直る。
「いいわ。オペラちゃんにとことんまで付き合いましょう。なんてったって」
「恋する乙女の味方、なんでしょ?」
「その通りよ!」
「んで、キャニーの味方じゃないんでしょ」
「もちろん」
「キャニーに会ったら、コランからキャニーのこと守らなきゃだね」
「あら、キャニーがあなたのこと泣かさないなら何もしないわ」
「じゃあ守らないと」
「なんでよ」
「だって、キャニーに会ったら、泣いちゃうと思うもん」
その時まで、まだまだ、わたしの旅は続く。




