女として見てる
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
恋愛です。R15です。
直接的な描写はないんですけど、生々しいので。
苦手な方はご注意下さい。
一緒に暮らしている少年は、その年齢に似合わず何処か大人びていた。何処か俯瞰しており、冷徹だった。唯一年相応なところと言えば、何処に行くにも着い来たがるところだろうか?
今日も彼の要望で、地元のバーガーショップまで食事に来た時の事、彼はセットのポテトを逆様にひっくり返すと、指先で私の方に寄せてくる。
「やる」
「え、良いよ。君が好きで頼んだんだから」
と言うのは建前である。食べてると飽きてくる。それがポテトと言うもの。退けられた分を彼の元へ返すと、嫌がる様に指で弾く。
「オニオンリングの方が良かったかな」
因みに私は、バーガーショップでノリと勢いでポテトを頼む生物である。
「そうじゃない。良いからやる」
物凄い冷ややかな声でそう返すと、その子供らしからぬ眼力で黙らせる。その眼に負けて渋々ポテトを口の中に詰め込む。嫌いじゃないんだよね。ただ同じ味だからずっと口に入れると飽きてくると言うか……。ケチャップほしくなると言うか……。
「……」
さり気なく彼の方を見ると、目の前の食事には手を付けず、じっと私の事を観察していた。一挙一動を逃す事なく、標的を定めた様に。この、不相応な視線がどうにも苦手だった。
私がポテトを食べ終わると、彼もバーガーに手を付ける。こうしている時だけは彼が一人の少年であると錯覚する。
「ハンバーガー食べたかったの?」
前もハンバーガー食べたいって言ってたし、もしかしたら好きな……。
「いや別に」
考える間もなく淡々と返ってきた。よく分からないな。近頃の少年は。
一緒に暮らしている女人は、何処か抜けている人だった。この間もキャベツとレタスを間違えて籠に入れるし、乗り換えを間違えて立ち往生していた。でも、その人が唯一年相応な姿を見せる時がある。
一緒に地元の珈琲チェーン店に行った時のこと、女人は嬉々としてバタースコッチのラテを注文していた。俺にも何か奢ると言うので、コーヒーを強請ると、引き攣った顔で『渋いな』と返ってきた。甘いの苦手なんだ。
届けられた生クリームの山を受け取ると、彼女は手元のストローを持って端を引きちぎった。それから円柱の中身の顔を出させると、歯で咥え引き伸ばす。その時の倦怠感に塗れた視線が、真っ赤に濡れた赤い唇が、白亜に輝く歯が、色気ある大人びた女性の姿だった。
「早く飲まないと冷めちゃうよ」
「……あぁ」
コーヒーを嗜みながら、彼女の事を観察する。何か物を咥えている時、女人はただ草臥れた様な視線で物を食す。その哀愁漂う風貌に引き付けられて、目が離せなくなる。このまま此方に引き摺りこんだら、どんな顔をするのだろうか。そう思うとどす黒い情欲が内に沸き立つのを感じる。
「勝手な勘違いなんだけど、ずっとフラペチーノかと思ってたから、拍子抜けしちゃった。お昼、何か食べたいものとかある?」
「じゃあ、ハンバーガー。ポテトのセットで」
ハンバーガーが食べたい訳じゃない。ぶっちゃけハンバーガーじゃなくても良い。ただ見たいのは、お前が何か長っ細い咥える仕草だ。ストロー然り、ポテト然り。ならばハンバーガーと応えた方が妥当だろう。
「君にも子供らしいところ、あるんだね。安心したよ」
何時か添い遂げるその時まで、そうして油断してると良い。
何度目か分からない性癖。
目と口が色っぽい人に脳みそ焼かれる。
加えタバコって色っぽいですよね。そういう事です。
今まで女の人として見てなかったけど、物咥える姿にドロっとした黒い欲望を感じる話。
元々賢い子なので、多分逃げられないと思うよ。
人外が好きなんです。
思考が超越したキャラを見るのが好きなので、あえてちったくしました。
なんで一緒に暮らしているのかはまぁ、おいおい。
書く気があったら書きます。