表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/15

第12話 暴走!真夜中の思考錯誤・・・!?

※閲覧注意


魔王の考えが人間的ではないと思われる箇所がございます。

なので、閲覧には注意が必要とさせていただきました。

あくまで『魔王の意見』としてください。

「じゃあ・・・今回は私から話しますね・・・」


 話を切り出したのは柊鈴音だ。

 ・・・今回ということは、毎月裏会議とやらは行われているのか。



「施設長なんですけど・・・シフトのことで「もっと入れないの!?希望休とか配慮してるじゃん!」とか「正社員になれないの!?」って強く言われました・・・。言い方が凄く嫌で・・・」


施設長あのひと、普段は穏やかそうなのに頼み事の時はちょっとキツい感じします」


 花科はそう言って追随する。


「あーそう、酷いね!やっぱ言い方だよね・・・あの人余裕ないからね・・・どっしり構えてるのは見た目だけだからさあw」



 ひ、平緒・・・?

 お前まで一緒になって何を・・・!?


 てっきり裏会議とは、部下の愚痴を聞く場だと思っていたが・・・。

 これでは一緒になって文句を言う、ただの『悪口大会』になってしまうぞ・・・!



「他に、何かある?」



「・・・はい。先月に続いてなんですけど、職員2人が相変わらず・・・肩とか触ってくるんですよ・・・。ずっとそんな感じだったので、間違いではなかったみたいですね」


 鳳城夏恋は下を向いて話しだした。

 なんだ、セクハラでもされているのか?



「・・・でもなんか自意識過剰って思われても嫌だし・・・私なんか触っても面白くないと思うし・・・」


「それは違う」

 それは違うな。


「あともう一つ!こっちの方が正直キツイかなー・・・。とある職員さんなんですけど、最近挨拶もしてくれないし、言い方もキツイし・・・ホント怖いです・・・」


 鳳城夏恋は今にも泣き出しそうな顔で下を向いて話していた。



「うーん、やっぱりそれは言おう。施設長に言うよ。絶対駄目だもんそんなの!」


 怒る平緒を余所に、鳳城は手で制した。


「気持ちは嬉しいんですけど!やっぱり・・・仕返しとか怖いし・・・私の勘違いかもしれないんで大丈夫です・・・」



「・・・わかった。でも本当に辛くなったらいつでも言うんだよ?」


「はい・・・」



 ・・・。

 パワハラ、セクハラ、いじめ・・・と高齢者虐待もそうか。

 やはりこの施設は問題だらけだな。


 今やどこもこんな問題ばかりなのか?

 どうなのだろうか。



「花科さんは何かある?」



「あ、えー・・・と。私の話じゃないんですけど1個あります。堀さ・・・とある職員の方が言ってましたが・・・」


「もう良いよ、そこは名前出しちゃっても!w」



「あ、はい・・・。最近立て続けに人が辞めてっちゃってるじゃないですか。それで堀さんが残業になっちゃってることが多くて・・・。聞くと「大丈夫だよ」って言うからやってもらっちゃってますけど・・・。昼の休憩も返上して動いてくれてて!ちょっと大変かなって思いました」



「あー、そうなんだ・・・。それは知らなかった・・・。言ってくれてありがとね。ちょっと注意深く見るようにするよ。堀さん、派遣なのに結構頑張ってくれるから頼みやすいんだよね・・・気をつけるよ!」


「そうなんですよね。ありがとうございます!」



 ・・・ふむ、なるほど。


 このメンバーはお互いが信頼出来てるから、裏会議などという『悪口大会』でもきちんとした形になっているのか。



 ・・・もしかして平緒は・・・あまり愚痴を言わない職員が不満を溜め込まないように、発散の場として裏会議を開き、適度なガス抜きを行っていたというのか・・・?



 ・・・まぁ言いたいことも言えないこんな世の中は・・・ポイズン(どく)


 悪口大会それもまた、人間独自の侵襲解消方法なのかもしれない。



 今は我が出しゃばるところではない。

 この件は目を瞑ろう。


 逆に我の助力なくして、この難題に打ち勝ってみせい。

 人間の底力を見せてみよ。



「もし何かあったら、月一のこの会議まで待たなくていいから私に直接言ってね!」


「はい、ありがとうございます」

「助かります」

「お願いします」




 そうして裏会議は僅か5分で終わった。


 どうしようもなくダラダラと行う会議1時間より、本音トークでバシッと行う方が有意義ではある。

 だが、これが現状。

 1時間、話し合いをしたという事実だけが欲しいのだ。

 ならば、半分の30分で済ませ、残りの時間はゆっくりストレッチやリラクゼーションを行ったほうが良い。


 福祉業界全般、時間や人手がないのはわかっている。

 だからこそ、休息も大事なのだ。

 なぜなら、介助者が倒れたら誰が要支援者をサポートできるのか。





*****





 幾度となく言っているが、人間は脆い。


 すぐに死ぬ。

 足掻き、延命しても100年前後が関の山だ。


 今後、医学が発展して不老不死の時代が来るとまで言われているが、永遠は無い。


 代替品、模造品、コピー、クローン・・・。

 オリジナルで長命がどれほど難しい問題なのか今一度考えるといい。



 我は考える。

 何故人間共は長命にこだわっているのか。

 100年生きたら勝ちなのか。

 経鼻・経管栄養、中心静脈栄養、膀胱留置、点滴、ドレーン・・・。

 管だらけになってまで生きていて何の意味がある?

 そうまでしてその者は生きていたいと言っているのか?

 そのアドボカシーが正しくなければ意味を成すまい。

 もし、意思の疎通が出来なくなったならばまず、自分に置き換えてみるがいい。

 己がその立場であったら・・・?

 自身が管だらけになり、苦痛を伴う状況にあっても尚、生を望むか。


 相手も同等の考えにある確率が高い。

 生きて欲しいと願うのは、生者のエゴではないか。

 命がなければ全てが無いものとして捉えてしまうのか。

 死に逝く者を鞭打って生かすことがどんなに酷なことだろうか。


 ・・・この際、金銭的な問題は捨て置こう。

 それを含めると、話がややこしくなるからな・・・。



 かの時代、国も正しい判断が出来ておらず、想像力が足りなかった。

 長生きこそが幸福と考えていた。

 勿論、長寿大国=国民の幸福度ではない。

 そして他国に医学の進歩を見せつける事が必ずしもプラスに転じているとは限らない。



 もし、我が国王だったならば、この細く長く生きるというスタイルを即刻辞めさせる。

 人生、太く短くで良い。

 むしろ、そう在るべきだ。

 花の命もそうだ。

 枯れるが故に生を際立たせる。

 枯れ落ちるまでに自身の過去最大レベルまで到達する。


 枯れた花が生むものは何だ?

 何が作られ、何が生まれる?

 腐敗し、異臭がし、見ることすらべつを感じる。

 人も同じことだ。

 高齢者の生産性の無さが結果、高齢化により労働力が減衰する要因となっている。

 全ての高齢者が、とは言わない。

 だが、大半がそうだ。

 寝たきり、要介護、低栄養、褥瘡、筋力低下。

 莫大な医療費を投じることとなる、


 つまり、高齢者への治療を打ち切るべきなのだ。

 例えば、65歳以上から医療の制限、75歳以上は医療を中止としよう。

 こうすることで生活習慣病を若干、抑制することが出来るかもしれぬ。

 「歳をとったら治療が受けられないので、今から健康的な食生活・運動を取り入れよう」

 幼少期からそう教えていけば良い。

 病院に行けば治る・・・という考えはもう終わりだ。



 まず、この国は安楽死すらない。

 未だ、死へのタブー視が酷すぎる。

 人は必ず・・・死ぬ。

 抗うことなど不可避。

 故に、死を受け入れることこそが人生の最終地点。

 ならば死をもっと身近に知るべきだ。


 死が敗北だと言うのならば、人間は生まれ落ちた瞬間に負けが決まっている。

 必要なのは生きた証・・・価値だ。

 数年でも生き、自身が「生まれてきて良かった、数年でも幸せだった」と思えることこそ、勝ちなのだ。

 生を宿し、生まれ落ちてから一度でもそう考えたことがあるだろうか。

 もし、今が幸せでも、最期が駄目だったら全てが泡となってしまう。

 高齢者の何割かが「辛い、死にたい」と考えている。

 それが本音かどうかはわからないが、それほど苦痛を伴っているのが事実。

 痛みは最大の敵。

 それは人間が考えている一番の問題だろう。

 そして苦痛こそが生への執着を揺るがすものだ。



 上記全て、我の考えであるが・・・涼真はどう思うか?



「(我久様・・・・今、23:30です・・・。寝る前に・・・それはさすがにめてください・・・)」

・・・再三言わせていただきますが、魔王の意見です。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ