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始まりの事

ロンの過去についてになります。

 ――時は天地(てんち)開闢(かいびゃく)と呼ばれたころ。


 地球に降り立った神々は、新たに侵略してきた宇宙怪獣と戦った。


 うねうねした軟体生物。切り裂いても再生を繰り返し、ちぎれた肉はその姿を地上の土塊(つちくれ)や草木へと変化する。その中には目で見えないものも含まれるが、全てを滅却する(すべ)がない。


 さらに戦いは熾烈を極め仲間を失う神々。

 収縮させて倒すことを知るまでは苦戦したのだった。


 やがて宇宙怪獣との長きに渡る戦いで勝利を確信したころ――。

 神々は傷つき死にかけた一匹のキツネを助ける。


 地球に残った一柱がひとつ。天之常立神(あめのとこたちのかみ)は神々たちに仕へさせようと助けたキツネを小さな姿に戻し知能と言葉などを授けた。

 このキツネがロンである。同時に神獣と呼ばれるものたちも作り出される。


 それから天之常立神(あめのとこたちのかみ)は末永くこの星を守り抜くために自分の身を分散させて時の彼方へ散らすことを決めてロンに伝えた。


「ロン。私の魂は分裂して各々が次の世で守護します。あなたは長き時を見守りなさい」

「はい、守護神様」


 空を仰いで天に向かって閃光する天之常立神(あめのとこたちのかみ)のかけらをロンは見送る。


 ロンの足許(あしもと)には小さなかけらがひとつだけ残っていた。


 この地にひとつだけ残ったその魂のかけらは、時が経ち小さな石に溶け込む。

 守護神様の意思がつながるまでには相当な年月が必要なのだろう。


 ロンはその時その時をのんびりと暮らした。

 大地は緑に溢れて四季がこの地に躍動を伝えてくれる。

 すでに不老不死の力は授かっていたロンは長く生きる。


 それから時は流れ、人たちが多様な生活ができるようになり始めたころ。

 ……ロンは冬眠することを決めた。


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