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エルフ賢者の子育て日記  作者: 剣の道
第一章 新生児編
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30.エルフ賢者と一般冒険者への道⑤

 カエデに連れらえて、やって来ました主神分殿。おい! 心臓に毛が生えてる? 凄く強いよ精神的に。ここは改宗する前に居たとこだろ? 大丈夫なのか?


「こんにちは~。ご無沙汰しております。司祭様」


「……カエデか。まったく、同じ5神教とはいえ子供のころから育ててやった主神様をあっさり見限りおって最近の若い者は……」


 なんか司祭様がぶつぶつ言い出しちゃったよ。これが改宗の時に長々と言われると言っていたやつか。


「やだなー、司祭様。そんな尻の穴の小さい事言ってちゃ主神様も加護くれませんよ?」


「うるさいわ! 恩知らずに言われたか無いわい」


「だからこうして恩返しに真っ先に来たじゃないですか。神殿でポーション足りてます? 前は結構不足してましたよね? なんか見栄があるから商人から買う訳にもいかないし、商売敵の薬師どもにも頼れんとか」


「だからなんじゃ」


「持ってきました~。結構ありますよ。見ますよね? ササ、カーヤさん、ジーンさんご商売です。お見せして」


 私とジーンで担げるだけ担いで、って全部なんだけどね。持ってきたポーション。6等級と7等級、マナポーション、抗麻痺薬……etc。


「出所が問題だぞ? カエデ」


「ふふふ。出所は私がお世話になっている。冒険者パーティーです。作ったのはこちらのカーヤさんでEランクの薬師資格を持ってます。生活のためであって薬師じゃないです。魔道師です。」


「ふぉぉぉぉ。ナイスじゃカエデ。全部引き取ろう。もっとランクの高いのはないのか?」


「薬師ギルドが鬼畜で作れるのにランクを上げてくれないんですよ。でも次辺りでもう一つ上がりますから今度は4級と5級とか石化解除薬とか持って来れますよ」


「よし、よし。他の神殿にも話しておいてやるからどんどん持ってこい流石はカエデじゃわい」


「あ、大地の女神さまの神殿は自分で行きますから手柄横取りしないで下さいね」


「チッ。仕方あるまい。他の神殿はわしじゃからな」


「はいはい。これで信者さんも治せるし、お布施もガッポガッポですね。信仰心もうなぎ昇りでウィン‐ウィンの関係ってやつですね」


 なんか宗教の闇が身近にあるんだが、いいのか? まあ、売れれば私的にはオッケーなのだが……釈然としないな。


 今日持ち込んだ分は数百本、戻って直ぐ次を作って今度は大地の女神神殿にゴーだ。5神殿を回れば販売量の半分は達成できそうな勢いだな。


 と言う事でバンバン売りつけますとも。この後大地の女神神殿にも売ったんだけど、私の薬師ランクが上がるより先にカエデが神官に昇格しました。世の中金とコネだな~とつくづく思いました。


 その時のカエデは別人かと思うほど猫被ってましたよ。ええ。世の中怖いわ~。その時のやり取りがこんな感じ。


「ああ、司祭様。神官見習いのカエデでございます。まだお世話になって間もない私ですが、私にも神殿に貢献させて下さい。怪我に苦しむ信者達をお救いしたいのです。どうかこのポーションを納めください」


「まあ、カエデさん。敬虔な行いですよ。でも……」


「ご心配には及びません。私の心神に共感下さったこちらの魔道師(・・・)のカーヤさんが作って下さいました。私のパーティーメンバーですのでご安心くださいませ」


「まあ、カエデさん。それは重畳でしたね」


「ええ、しかし心苦しいのですが、お代はいささか掛ってしまいます。カーヤさんはご覧の通り、赤ちゃんを養っております。それもご自分のお子さんではないのです」


「まあ、それはご奇特なお方ですね。ええ、ええ、大丈夫です。神殿にもささやかですがご寄進もありますから」


「ああ、私にもっと力があればよろしかったのですが……」


「まあ、カエデさん。十分あなたは頑張りましたよ。そうですね。今後もっと多くの方をお救いになられるよう神官の位を授けましょう」


「ああ~、司祭様。カエデは今後一層の精進を致しましょう。ありがとうございます」


 ってな感じで小一刻ほどやり取りしてたんだよね。素直にこれ持ってきたからお金ちょうだい。入用ですよね? 要る要る~。神官にしてやるからもっと持ってこいよ。オッケー。で済むんじゃね?


 まあ、建前も重要だよね。カエデはここでは新参者だしね。うん。人付き合いも大変だ。 毎回このやり取りを聞かされても大変だからここはカエデに任せよう。


 あるだけの薬草で作っては売り作っては売りを繰り返すこと1週間。やりました! カエデが侍祭まで登りつめました。おい! 私のランクまだ上がってないんだぞ。


 早すぎない? と思ってたけどどうやらポーションだけじゃなく『小癒』も使える事を仄めかしたらしい。神聖魔法の初級もクリアしましたよってな感じ?


 でも落とし穴もありました。神聖魔法は神殿(・・)で修業したから習得したらしいです。な・の・でご喜捨を取られました。


 ええ、ええ。そりゃガッツリと持っていかれましたとも。でも仕方ないんだよ。暗殺者を送り込まれたりしたら嫌でしょ? そう言うことらしい。


 神殿以外で習得などあってはならないのです。この後『治癒』とか『解毒』習得するとまたご喜捨持っていかれる事が確定しました~。ORZ

このお話もあと少しで一区切りです。その後SSを入れてみますね。

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