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エルフ賢者の子育て日記  作者: 剣の道
第一章 新生児編
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24.エルフ賢者と魔法の訓練①

 遅ればせながらパーティーを紹介しておこうかな。女丈夫のジーン。とにかくガタイがデカイ! 顔はキレイなのに! とにかく全部がデカイ。尻も胸も押して知るべしだ。


 ハードレザーの胸当てなんか付けてるからそのデカイ胸が強調されちゃってる。若干恥ずかしそうだけど背に腹は代えられないのだ。


 髪は短髪、ややくすんだ金髪だ。私のようなきれいな金髪じゃないけどまあ、見れる。瞳は淡いブルーだ。年は20歳。11から傭兵稼業なんだって。


 うちの回復役になるはずのカエデは、ロングの黒髪黒目。ソウタと一緒だ。整った顔立ちだが凹凸は少ない。そう言う民族なのだろう。胸は……エルフの私が不憫に思うくらいと言っておこうかな。


 まあ、若いから望みはあるよ。15歳だっけ? 大丈夫。大丈夫。……きっと。


 こんな感じだ。技能的には剣だけのジーンにそこいらの娘と変わらないカエデ。これを一人前に育てないとパーティーの安定は望めない。


 早速しごくか!


「じゃあ、午後は訓練だ。手っ取り早く魔法を覚えてもらうよ」


「「え?」」


「心配無用だよ。私が教えるんだから。泥船に乗ったつもりで任せて。魔法って言っても攻撃魔法じゃなくて補助系ね。カエデは神聖魔法だよ。」


「泥……。」


 早速裏庭に移動してきたぞ。装備類は全部脱いで洋服オンリー、靴すら履いてない状態だ。まあ、これにはちゃんと訳があるんだよ。


「そこに座って、じゃあ、行くよ。私が二人に魔力を流すから感じて」


 二人の背中に手を当てて一気に魔力を流す。当然のように二人ともぶっ倒れる。うん、強制的に魔力を流したからね。


 二人の洋服を脱がして、近くに合った井戸から水を組む。そのままザバーっとぶっかけてやる。洋服が濡れるのはいやでしょ? だから脱がせたんだよ。


 お、起きた、起きた。キャーなんて言ってるけど体は十分には動かないんだなー。


「キャーなんて言ってる暇はないぞ。私が流した魔力を感じ取るんだ。魔力が散っちゃう前にかき集めて」


「カーヤさん! 無茶し過ぎです~」「……」


「まだこれからだよ無茶は! もう一回魔力を流されたいならこのまましゃべっていてもいいけどね」


 慌てて二人が魔力を感じ取ろうとし始めるけど、どんどん散っていく。私が背後に回って背中に手を当てると。


「ちょ、ちょっと待て、今集めるから!」


 流石のジーンも魔力を流されるのは嫌らしい。でも流すんだなー。今度はゆっくりだけどね。


「どう? もう魔力回路が開いたからゆっくりでも流れてるでしょ? 感じる?」


「わあ~。感じます。感じます。これが魔力か~」「ああ、感じるぞ」


 よしよし。ここまでは人任せだから誰でも感じるんだよ。


「じゃあ、その魔力を自分の胸の辺りに集めるようにして」


 ここからが難関の魔力操作。自分で動かせるようにならなきゃいけない。案の定出来ないようだな。今度は二人の前に回って……。


「痛った~~~。いたたた。や、止めて下さいカーヤさん! なに人の胸を鷲掴みにしてんですか!」


 うん。鷲掴みどころかギュウギュウ握り締めてるよ。


「ほらほら、魔力に集中して。びっくりして痛みに魔力が集まってくるでしょ? この感じを掴むんだよ」


 ジーンの方が握りやすいなとか思って無いよ? ぎりぎりと締め上げてやる。


「くぅ~。痛い! 体が上手く動かない時にやりたい放題しやがって」


 おお、ジーンがまともにしゃべってる。ここで胸から手を放してやる。すると集まっていた魔力が体全体に広がっていく。


「ほら、また魔力が広がってきてるぞ。握るか? 握って欲しくてわざと散らしてるのか?」


 また私がギュッと握りつぶしてやると悲鳴が上がる。そんなに痛いか? うん、痛いんだなこれが! 遠い昔を思い出しながら思わず悪態をついてしまう。


「あのくそババア、私のまだ青い胸を握りつぶしやがって!」


「ひょっとして、カーヤさんも? 経験者?って痛いって手加減してよ~~」


「ああ、今思い出しても腹だたしい。くそ師匠が!」


 よしよし。やっぱり痛みは物覚えが良くなるな。手を放しても魔力が胸の辺りに集まってるよ。


「流石だな。二人とも。もう集めておけるようになったじゃないか。じゃあ、次の段階に行くぞ」


 また胸を握りしめてから、今度は先端に向かってずらして行く。ちょうど乳搾りみたいな感じだ。最後に先端をギュとする。


「「ぎゃ~~」」


 女の子とは思えない声だ。二人が後ろに倒れ込もうとするけど私は離さない。するとどうなるかと言うと分かるよね?


「ちょ、離して、離して~~。千切れる千切れるから~~」「離せ~~~~」


「叫んでないで魔力を感じて、もっと魔力が先鋭化してるでしょ? その状態を維持する!」


「それにあんまり騒ぐと人が来ちゃうよ? そんなあられもない恰好して胸を引っ張られる姿を晒すのは一生の恥だよ?」


「「ぐぅ~~」」


 やれば出来るじゃないか。奥歯を噛みしめながら我慢して体勢を元に戻した。体勢が元に戻ったので離してやる。


「分かってきたかな? 魔力を操作出来ないなら私が補助して無理やりやらせて感覚が掴めるまで繰り返すんだよ。エルフ式スパルタ魔力操作法の奥義だよ」


 一応体の自由を奪うことにも意味が有って魔力に感覚が集中出来るようにしてるんだ。決して反撃を受けないようにしてる訳じゃないんだからね。


 まあ、これを小一時間も繰り返すとあら不思議魔力操作の基礎が身に付いちゃう。俗に拷問法とも呼ばれてるんだけど。

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