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#101 第2婚活

第2夫人を探すことを何と表現するのか、よく分からないから私は勝手に「第2婚活」と名付けたが、その第2婚活が開始された。


さて、ここからが少しややこしいのだが、厳密には王国、いや帝国にも「側室」や「第2夫人」という呼び名は存在しないことになっている。


宗教的に、王族も貴族も平民も「一夫一妻制」という建前があるからだ。このため、重婚は厳密には禁止。それ故に、王族、貴族の第2夫人、第3夫人というのは皆「使用人」扱いである。


それじゃあせっかく第2夫人をとっても、生まれた子供には相続権がないじゃないか……と思ったら、そこは男子が生まれた場合には「養子」ということにして、嫡男に次ぐ相続権を与えるようだ。


だったら普通に養子を迎えた方が早いのでは……と思うところだが、血縁関係にないものを養子に迎えることは、貴族としてはかなりご法度なことらしい。最悪の場合は同階級の貴族から養子を迎えることもあるようだが、それは本当に最終手段。他の血筋を受け入れるということは、その家が他家に乗っ取られる危険があるということ。できることなら自分の血縁者を、というのが貴族における継承者の条件である。


というわけで、あらゆる制度、宗教的な解釈の隙間をかいくぐってでも側室を迎え入れ、世継ぎとなる「男子」を授かるのである。単に性的欲求の延長で側室を迎え入れるわけではないのだ。貴族の社会というのは、なんと涙ぐましい努力の上に成り立っているものなのか。


しかし、王国では一夫一妻制が原則だというなら、嫡男がいないとお家断絶という制度の方を変えようという人はいなかったのだろうか?女子でもよしにするとか、あるいは養子を迎える為の猶予期間を設けるとか。当主と嫡男が亡くなった途端に断絶とか、厳しすぎる。


まあ、現状に文句を言っても仕方がない。さて、側室の選び方だが、これという方法は存在しない。


身分も貴族である必然性はない。平民でもいいし、騎士でも貴族の娘でもいい。とにかく、その貴族が気に入ったら声をかけて、将来の安泰を約束して引き入れる。


本能丸出しな方法しかない。が、私は今回、マデリーンさんが気に入った人という条件を付けた。私が気に入ったからといって、私がその娘に声をかけるということはしない。女性選びを、女性がするというのだ。だから正直言って、これはかなりハードルが高いと思われる。


やはり私は、どこまでいっても地球(アース)401の人間だ。さすがにこの件、積極的にかかわるのはためらいが大きい。いくらこの地球(アース)760のこの王国に移住したからといって、子供のころに植え付けられた常識や倫理観というものを、今さら変えることなどできない。


それに、私には艦長という仕事もある。マデリーンさんの側室探しに付き合ってはいられない。今日はオルドムド公国にある艦隊司令本部に出向いた。帰りにイレーネさんのところへ立ち寄る。


「おお、ダニエル男爵殿、久しぶりだな。元気そうで何よりだ。」

「イレーネさんもお元気そうで。マデリーンさんもたまには会いたいと言ってましたよ。」

「おう、そうじゃな。ここにきてからというもの、なかなか会えなくなってしまったな。ところで、そのマデリーン殿といえば……」

「なんでしょう?」

「そなたの側室を探してるというメッセージが出回っていたぞ。王都女子会の会員宛に。」

「ええーっ!?マデリーンさん、あの件を女子会メンバーにばら撒いちゃったんですか!?」

「皆に、ふさわしい人がいないかと聞いていたぞ。」

「そんなこと聞いてたんですか、マデリーンさん。いやあ、困ったなぁ…」

「何をそんなにためらうことがある。貴族ならば当然であろう。」

「いや、私のいた星では決して当然じゃないですよ。」

「ローランドのやつも同じことを言う。おかげで、あやつもいつまでたっても側室ができん。そちらの方が困ったものじゃ。世継ぎが1人では、いざという時に困るではないか。」


やっぱり、イレーネさんもそういう感覚なんだ。我々の常識がこうもあっさり木っ端微塵にされるとは思わなかった。


マデリーンさんの募集告知のおかげで、艦内の乗員にもこの件は知れてしまった。王都司令部に勤務中、ワーナー大尉がやってきて、私に進言してくる。


「駆逐艦0977号艦、砲撃長、意見具申!モイラから聞きました、艦長殿が第2夫人を欲しているという話。いささか節操がなさすぎではありませんか!?今すぐやめるべきです!」


真面目なやつだから、この件は看過できないようだ。私は、マデリーンさんからされた話を彼にせざるを得ない。


「……なるほど、そういう話があったんですか。申し訳ありません。何も知らずに、艦長殿を批判してしまいまして。」

「いや、地球(アース)401出身者なら当然の反応だ。正直言って、私も未だに気が進まない。だから、マデリーンさんにお任せだ。彼女が納得できる人ならば受け入れようと、そこまでは踏ん切りがついたところだ。」

「そうですよね。女同士で仲が悪いのは、後々大変ですからね。分かります。」


ワーナー大尉も納得してしまったが、正直一番納得できていないのは、私自身だろう。今まで守り抜いた道徳観を、自ら破れと言うのだ。これほどまでに厳しい試練はない。


我々の星でも、浮気やセクハラといったスキャンダルをする人はいる。ああいうことを平気でできる人にとっては、ここはまさに天国だろう。だが、ああいうことに嫌悪感を覚える人にとっては、この状況は地獄かもしれない。私はどう考えても後者だ。


王都司令部から帰ると、今度はモイラ殿が登場。まだ首も座らない子供を抱えて、この屋敷までやってきた。なんだ、説教するためにやって来たのか?


「ワーナーから聞きましたよ~!いやあ、マデリーンさんの実に思慮深いご判断、このモイラ、感服いたしました!それに引き換え、いつまでも常識の殻を破れないこの旦那様のだらしないこと。仕方ありませんね。私も一肌脱いでサポートいたしましょう。」

「……サポートていったって、この件はモイラ殿の専門外だろ。」

「いや、旦那様のやる気を出させてあげるんですよ。いくら自制心を発揮しても、旦那様が好みの女性を見た瞬間に出る恋愛成分(ラブファクター)を、私は見逃しませんよ。」


この変な特殊能力を、私に適用しようというのか。しかし、そんな幼子を抱えて私を付け回す訳にはいかんだろう。だいたい今回の件は私ではなく、マデリーンさんに主導権がある。私の好みなんて調べても不毛だから、無理して関わらなくていいと言って返した。


こんな感じで、やはりというか、地球(アース)401出身者からはまず批判的な意見が出る。一方こちらの星の人々は、貴族だからしょうがないね、というのが一般的な反応だった。


この両者の狭間に私は立たされている。私としては、今後も地球(アース)401側に立ちたかったのだが、そうもいかない当事者側の立場に置かれていることに一番戸惑いを感じる。


こんなやりとりが、1か月ほど続く。


未だに納得のいく人物が見つからず、悩むマデリーンさん。私に向かって、こんなことを言い出す。


「ああ、もう!なんでこう他の女に手を出さない夫なのかしら!困ったものねぇ……」


いや、私のところでは手を出す夫の方が困ったものなのだが。道徳観が根本的に崩壊しそうなこの環境に、さすがの私も参ってきた。


そんなある日のこと。


私とマデリーンさんは、2人で王都内を歩き回る。側室候補を探すためだ。


そんな方法で見つかるわけがないと思うのだが、マデリーンさんは真剣だ。なんとかいい人がいないものか、王都の街並みを歩く女性をじーっと見ている。


やばい奥さんだ。仮にいい人がいたとして、いきなり側室になりませんかと声をかけるつもりなのか?いくら私が貴族でも、さすがにそれはまずいだろう。


だが、マデリーンさん的にいい人が見当たらないようだ。いてもらっても困る気もするが、見つからない限りこの側室探しが終わらない。すでにこの1か月で3度目の散歩だ。


だが、どうしてもマデリーンさんがビビッとくる相手が見つからない。


代わりに、トラブルらしきものを見つけてしまった。


王都の裏通りの、平民の住宅街を歩いていた時のこと。いかにも男爵風の男が、とある家の前で立って何かを叫んでいる。


「ダメだダメだ!あと金貨10枚、出してくれなければ納得できん!」

「そんな……娘を出せばそれでいいと仰っていたではありませんか!」

「こんな地味な娘に、金貨20枚も出せるか!せいぜい10枚だ!娘に加えて残り10枚分、出してもらわねば、この家を頂くだけのことだ。」

「そんな御無体な……」


平民相手に恫喝するこの男。私は、彼が誰だか知っている。


彼はシャイロット男爵。社交界で何度か見かけたことがある。私は直接会って話したことはないが、他の貴族から金に汚い男爵だと聞いている。


今までも何人か、借金の代わりに娘を差し出させて転売し、儲けていると聞いた。帝国ならいざ知らず、奴隷禁止のこの王国で人身売買に手を出すとは、何というやつだ。これを見た私はついカッとなって、思わず彼の前に立ちはだかる。


「何やってるんだ!ここは住宅街、いくら貴族でも、騒ぎを起こしていい場所ではないでしょう!」

「誰だお前は!」

「私はダニエル中佐、軍人だ!」


男爵だと名乗ると面倒なことになる気がしたので、敢えて軍人として名乗ってみた。


「ダニエル……はて、どこかで聞いたことがあるような……まあいい。で、軍人が一体、わしに何の用だ!?」

「我々軍人は、この地上の人々の生命と生活を守るために存在している。だから、地上を騒がすものを放置してはおけない。何が原因で騒いでいるのか、お聞きしたい。」


実際には、軍人に街の騒乱を鎮める権限はない。それはどちらかといえば、警察の仕事だ。


「ふん、この平民が、わしから借りた借金を返せぬと申すが故に、代わりを渡せと言っているだけだ。別に違法なことなど、していない。」

「そんな…あんたから借りたのは銀貨20枚ほど。たった3か月で金貨20枚だなんて、それはあまりにも暴利な……」

「それに合意して借りたのではないか!ほれ、この通り、証文もある。」


いくらなんでも、3か月で10倍はやり過ぎだ。もはやこの王国の法に触れるレベルを超えているのではないか?


「この娘で金貨10枚分、家で10枚分。合わせて20枚分。これで手を打つと言っている。それに納得せず、騒ぎを起こしているのはこの平民の方だろうが。」

「おい!この王国では、人身売買は禁止されている!娘に金貨10枚分の値をつけるのは違法だろう!」

「誰が娘を売ると言った。娼婦として客を取らせて借金分働いてもらうと言っているだけだ。法には触れておらん。」


なかなか手練れたやつだ。これは一筋縄にはいかない。だが、ここで引き下がれば、この親子は家を失い、娘は売り飛ばされる。とりあえず、何とかするしかない。


「分かった。じゃあ、私が払おう、その金貨20枚。」

「ええっ!?払っちゃうの?金貨!」


マデリーンさんが驚いていた。確かに金貨20枚という金額はそれなりの大金だ。でも、我々の貨幣に換算すれば約660ユニバーサルドル。いくらなんでも家と娘を合わせてこの値段はいくらなんでも安いだろう。660ドルといえば、せいぜいスマホ2つ分の値段だ。大体、エドナさんは2000ドル、カロンさんは1500ドルだったのだ。いくらなんでも、この娘さんがそんなに安いわけがない。


だが、ここの平民というのは、この程度の金額でもすぐには払えないほどの生活水準なのだ。王都の市民も、まだまだ豊かとはいえない。


ところがこのシャイロット男爵、こんなことを言ってきた。


「金貨22枚だ。」

「は!?」

「20枚じゃ足りない。1割増しの22枚。借りた当人でなければ、手数料を取るのが当たり前じゃ。払えぬというなら、この家と娘を……」

「分かった分かった!払ってやる!だからこの家には一切、手を出すな!」


実は私は今、金貨を50枚持ち歩いている。マデリーンさんが気に入った人が現れた時に、金で解決できそうな時に備えて持ち歩いていたのだ。つまるところ、私もシャイロット男爵のことを責める資格はない。


だがこのお金を、今は人助けのために使える。私は金貨を22枚取り出し、証文と引き換えにシャイロット男爵に渡す。これを受け取った男爵は帰っていった。


「はあ……もったいないことしたわね。」

「いいじゃない、人助けに使ったんだ。決して、もったいないなんてことはないさ。」


そうだ。人助けをしたのだ。これなら私の道徳観にも触れることはない。なお、さっきの会話は全て録音済み。シャイロット男爵め、いずれ、金貨22枚分以上のお返しをしてやるつもりだ。


「ありがとうございます。おかげで助かりました。」


父親と思しき人と、その娘からお礼を言われる。


「金貨22枚、いつか必ずお返し致します。」

「いや、いいですよ。大した金額ではないですから。」

「いえいえ、そうもいきません。王都の民であるからには、恩は必ず返さねばなりません。」


結構律儀な人だ。宇宙港に行けば、もっといい給料の職につけるような気がする。


などというやりとりをしている横で、マデリーンさんはじーっとその娘さんの顔を見ている。


「うん、やっぱり決めた。」


なにやらつぶやくマデリーンさん。私の方を向き、こう言い出した。


「あんたの側室、この娘にするわ。」

「はい?」

「金貨22枚も使ったんだもん。ほっといたらあの男爵のものになってたんでしょう?だったら、私達が引き取ってもいいじゃない。」

「いや、マデリーンさん、それじゃあのシャイロット男爵と同じになっちゃうよ!ダメだって!」

「なんでよ!あんた、私が気に入った人ならいいっていってたじゃないの!」

「そりゃそうだけど、本当に気に入ってるの?」

「気に入ったわ~私の魔女のツボにめちゃくちゃはまったのよ、この娘。あんたじゃなくて、私のものにしたいくらい。」


ぎゅっとその娘を抱きしめるマデリーンさん。どうやら本当に気に入ったらしい。


見ればこの娘、ややぼーっとした表情ながら、丸顔で可愛らしい。胸が控えめなところが私好み…いや、いかんいかん。


「マデリーンさん、いくらなんでも、本人の意志を尊重しないとダメでしょう。」

「あんたも硬いわねえ!男爵なんでしょう!?さっきの強欲男爵を見習って、もっとビシッとしなさいよ!」


いや、ダメだろう。あんな悪男爵を見習ったら。


「あのぉ、ちょっとお聞きしたいのですが……」


その娘が突然、口を開く。マデリーンさんを見つめてこう言った。


「もしかしてあなた様は、王国一の魔女のマデリーン様ですか?」

「ええ、そうよ。よく知ってるわね。私は王国最強の魔女、マデリーン。もしかして、あんたも魔女なの?」

「いえ、私はごく普通の平民階級の者です。でも、マデリーン様の噂はこの王都ではよくお聞きするものですから。そういえばマデリーン様って、地球(アース)401出身の男爵様のご夫人だと聞いてますが。」

「そうよ、そこにいるのがその男爵。ダニエル男爵よ。今、側室を絶賛募集中!で、あんたが見つかったという訳よ。どう、この人の側室にならない!?」

「ええっ!?男爵様の側室でございますか!?」

「ほら、マデリーンさん。やっぱり嫌がってるじゃないか。ここは諦めて……」

「いえいえ、とんでもありません。男爵様に輿入れできるなんて、私のようなものにとっては大変名誉なことですよ。」

「ほら、本人もいいって言ってるわよ!」

「うっ……でもさ、ほら、お父さんがダメだって思ってるかも。」

「わしならいいですよ。元々シャイロット男爵に渡してしまうところだったし、奴隷にされることを思えば、男爵様の側室ならもう何も言うことはございません。」

「ええっ!?本当にいいの!?あなたの娘でしょうが……」


この父親、薄情だなあ。てことは、娘は金貨20枚分でOKだったんだ。なんだかこの娘が少し、可哀想になってきた。


というわけで、この父親に残りの金貨28枚を置いて、この娘を引き取ることになった。まるで売買したようで気がひけるが、本人も納得しており、マデリーンさんも気に入ったようだ。屋敷に連れて行くことは、何ら問題はない。


しかし、そういうつもりで助けたわけじゃないんだけどなぁ……結局、あの男爵と同じレベルのことをしているだけじゃないかという後ろめたさが、私には残る。


そのまま彼女を連れて帰ることになった。ペットじゃないんだから、もう一日くらい一緒にいさせてやっても良かったんじゃあと思うが、もうそういう別れは昨日済ませたらしくて、すぐにでもいいそうだ。大丈夫かな、この親子の絆は。ちょっとドライ過ぎないか?


で、屋敷に帰る途中、彼女のことを聞いた。


彼女の名は、フレア。歳は20。あまり裕福とは言えない平民出身の娘さんだ。


特にこれといって好きな男性がいたわけでもないらしく、嫁入りの話もなく、この歳まで父親と一緒に細々と暮らしていた。母親は数年前に亡くなったらしい。


マデリーンさん、フレアさんのことが本当に気に入ったようで、手をつないで嬉しそうに歩いている。


我が家に着くと、マデリーンさんは玄関で叫ぶ。


「ただいまー!買ってきたわよ!側室!」


おい、なんて人聞きの悪いこというんだ。それを聞いて、我が家にいた人々が一斉に集まってくる。


「何ですか?側室を買ってきたんですか?どこに売ってたんです?」


カロンさんも驚く。よく考えてみれば、かつてカロンさんも「買ってきた」んだった。また奴隷が来たのかと思って、大急ぎでやってくる。


「わあい、ソクシツだー!」

「ソクシツー!」


子供らが無邪気にやってくる。だが、無邪気な子供にはふさわしくない台詞を叫んでいる。


「うわ、とうとういらしたんですねぇ、新しい奥様が。」


クレアさんと、ベシィさんもやってきた。


「ええっ!?ダニエルさん、本当に側室を迎え入れちゃったんですか?」


マデリーンさんの声を聞きつけて、ロサさんまでやってきた。


「羨ましいなあ、やっぱり貴族というのは、することが違う……」


そういえば、サリアンナさんがパートに出ている間、我が家でダリアンナちゃんを預かっているのだが、父親のロレンソ先輩がちょうど迎えにきたところだ。そのロレンソ先輩まで来てしまった。


私のことはそっちのけで、皆フレアさんの周りに集まる。フレアさんも、これだけ大人数の人に歓迎されてるとは思ってもいなかったようだが、ニコニコしている。周りもニコニコだ。実に微笑ましい光景、しかしこれが「側室」を迎え入れる時の光景なのか?


第一、当の本人がこの中で一番喜べていない。自らの道徳観との葛藤が続いている。奥さん以外の女性を家に招き入れ、しかもそれが金で手に入れたようなものだ。悪い貴族のやること、そのままではないか。


だが、こうして私の「第2婚活」は、ひと月ほどで終了した。

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