ー弐ー
髑髏の装飾が目を引く扉が、こんな所にある事を不審に思う事もなかった。
ケータイをポケットに入れて手探りで丸いリングに手を掛ける。
この時は、この扉を開いて先に進む事しか考えていなかった様に思う。
手に力を入れて、グッと引っ張ると事も無げに観音開きの扉は開いた。
扉の奥は、薄らと明るく先まで見える。少し進むと階段があるらしく、廊下が消えている。
迷う事無く扉の先へ進む。
《ギィィィィ。。。バタンッ。》
後ろを振り返ると扉が閉まっている。
そうなって、やっと自分がどこにいるのかを理解した気がする。
慌てて扉を叩いたり引っ張ったり、押したりしてみるがビクともしない。
閉じ込められたと言う程、狭い空間ではない気がするが元来た道
で帰る事が出来ないであろう事は理解する。
ひとしきり騒いだり、扉を叩いたりしてみたが変化も見られない事から、先の見えない道を行く事に決めた。
さっきの真っ暗な廊下から比べれば、明るくて歩きやすい。
それでも気持ちが沈むのは、辺りの空気のせいだろうか?
重く澱んだ様な気分の悪い感じしかしない。何故、こんな風に感じるのかさえ自分では判らない。
真っ直ぐの廊下を進むと、やはり階段があった。それ程長い階段でもなく、階下であろう床が見えている。
廊下も階段も無機質で、高さも幅も7~8mはありそうだ。埃っぽい訳でも蜘蛛の巣が張り巡らされてる訳でもないが、生活感と言うか使用感があまりない様に感じる。
階下まで階段を下りきると廊下を少し進んだ所で十字路に出くわす。
まさしく十字路で、自分が来た道の他に直角に曲がった左右の廊下、正面にも廊下が続いている。
早く他の出口を探したい所だが十字路があるあたり、迷路の様に入り組んでいるのだろう。
これから先を思いやり大きな溜息が漏れた。
どうするか考えてみたが、考えても答えが出る訳ないと諦めて右の道へ進むことにする。
十字路に差し掛かると
《ズルッ。。ズルッ。》
何かを引き摺る様な音が聞こえてきた。
地下に迷い込んで初めて聞いた自分以外が発する音。その音に「やっと出られるかもしれない。」と期待を込めて十字路を曲がる。
曲がった先には期待通りに人影がある。少し離れてる事と薄暗い事から相手の容姿はハッキリ分からないが、こんな場所なんだから職員だろうと思った。思い込んでいた。
「こんな所まで入り込んでしまってすいません。外に出たい。。。」
そこまで言った所で無反応だった人影が歩みを早めて近付いてくる。
《ズルッ。。ズルッ。》
と音を立てて。。。。




