プロローグ1
初投稿ですので、文が拙いです。
感想、意見待ってます。
無機質な部屋。
白い壁には赤の斑点が所々飛散し、焦げたようなシミが目立つ。
その部屋の中心には一匹の大きな物体が倒れ伏せている。
それは龍だった。
その体は血にまみれ、ところどころ鱗が割れ、肉が裂けている。見ていて非常に痛々しく、時折呻くかのような低い唸り声をあげている。
そして今、そこへ歩いてくるものが一人。
それは少女だった。
黒髪を腰ほどまで伸ばした少女。
その身体には火傷や擦り傷が見て取れ、見るからに痛々しい。
だが彼女の目に宿る光は満身創痍とは程遠い。
本来なら相見えるはずのない2つの命。しかし今、それが現実として広がっていた。
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少女が龍に近づいていくと、龍ははやくとどめをさせと言わんばかりに、意思の宿った瞳で少女を一瞥する。少女は龍と目を交わすと同時に、少女は嬉しいような、悲しいような、何とも言えない感情が心を満たしていくのを感じていた。その感情は次に自分が行う行動に起因している事を、少女は自身が目覚めてから今までの経験から知っていた。
この時間はいつもこうだ、そう思い耽ながら歩いていると、少女は龍の頭の部分のところまで到着していた。遂にこの時がやってきてしまった。終わりに近づくにつれて、先程の感情がより一層強まっていくのを感じる。少女は今にも込み上げてきてくる思いが流れ出しそうになるのを必死に抑えていた。
瞬間、突如龍が動いた。
先程まで床にべたりとつけていた頭を急に上げ、その巨大な顎を目一杯広げで少女を噛み砕くべく凄まじい速さで突貫させてきた。
龍の必死の一撃、最後の抵抗。
しかしその攻撃は虚しく終わる。
龍は頭を少女に踏みつけられていた。
少女の形をしたなにかは攻撃を容易く止めていた。
踏みつけられた龍は先程よりも諦めのついたような瞳で、彼女を見つめた。
少女は何も言わない。だが、その目からほろりと雫が垂れる。そしておもむろに手を胸の近くへと運び手のひら同士を合わせ、感謝をこめて、呟く。
頂きます。
その日彼女は、龍を超えた。