第0話 zéro
漆黒の宇宙
碧い星が浮かんでた
いつしかそれが紅い星になり
光って砕け散って消えた
そこに残ったのは黒い闇のみ
僕の星にはこのような言い伝えが残っている。
「ケイン、どうしたのボーッとして」
「え…? 何でもないよ、エリス」
「そう。夏休みの宿題大変よねー。なかなか終わらない」
「まぁね。ロドリゲス先生は教育熱心だと言った方がいいのかな……」
「熱心ねぇ…」
「まぁ僕らは来年大学受験だからね。仕方ないかもね」
「ケインって勉強好きよねぇ。何か目指してるの?」
「それはまだ秘密」
内心では将来宇宙船を作って宇宙に行ってみたいとか考えてるけど。それで物理とか数学とかは大分熱心に勉強している。
いつかこの夢をエリスに言ってみよう。できれば彼女と宇宙に行ってみたいなぁ。
僕とエリスは今市内にある中央図書館で夏休みの宿題をしている。
「ケイン、何ニヤニヤしてるの?」
「そう?してた?」
「うん」
エリスは金色の髪をしていて碧い瞳でとても可愛らしい顔をしている。まぁ好きなんだけど。
ブラインドから射し込む微かな太陽の光が彼女の髪を美しく照らしていた。
「ケイン、今日の帰りに最近オープンした駅前のアイスクリーム屋に行かない?」
「いいよ」
「やった」
エリスはにっこりとした。
「その前にもう少し宿題を進めないとね」
「はーい」