おまけ ティタン陣営について
※プロメテウスを“P-テウス”と表記
※37話終了時点での会話です
デメテル「先生!」
P-テウス「何だ? デメテル」
デメテル「もうすぐ戦いが始まるけど。
私、相手のコトよく知らなくて……」
P-テウス「……そうだな。
これから命のやり取りをする相手だからな。
知っておくべきと思ったんだろ?」
デメテル「うん……」
P-テウス(……まぁ、半分は俺に話しかける口実と見たが……)
デメテル「先生?」
P-テウス「いや、何でもない。
ティタン族について話せばいいんだよな?」
デメテル「はい! お願いします!」
P-テウス「フ、いい返事だ。
まずティタンを語る上で外せないのが、黄金王ことクロノスだ」
デメテル「わたしたちのお父さんだよね?」
P-テウス「そうだな。
今更説明するまでも無いとは思うが。
世界で一番偉いのが、このクロノスだ。
しかも偉いだけじゃない。
おそらく全ティタン族中、最も強く、最も優れた人物だろう」
デメテル「おそらく、なの?」
P-テウス「というのも、俺の知る限りクロノスが本気を出したことが無いからな。
古い記録によると、混沌とした世界に秩序をもたらしたとあるが、
何となくの思いつきでやってのけたらしい。
他にも、戯れに作った歌や作品が
そのまま至高の芸術として残っている。
全部が、だぞ?」
デメテル「す、すごいのね……お父さん……」
P-テウス「あと、メチャクチャ格好いいぞ。
男の俺が言うのもアレだが、
まず見た瞬間、その外見に見惚れ、その人徳に惹かれる。
やることなすこと、言うことその全てが、とにかくイチイチ格好いい。
この人の役に立ちたいと、自然にそう思える。
そんな王さまだな」
デメテル「せ、先生も……かっこぃ……」
P-テウス「ん? 何か言ったか?」
デメテル「ううん!? 続けてえ!?」
P-テウス(……カワイイな、こいつ)
「続いてティタンのナンバー2だが、
これはハッキリとした序列は無かったりする。
角が立つからな。
だが、敢て俺個人の見解でランク付けするなら、
一応順位はつけられるかな」
デメテル「あ! それ聞きたい!」
P-テウス「それはそれは。
ではお言葉に甘えて。
栄えある王の次席だが、ピュペリオンとコイオスだな」
デメテル「あーずるい!
結局二人じゃない!」
P-テウス「そう慌てるな。ちゃんとどっちが上か答えるさ。
ただ、この二人はそれぞれ役職が違う。
だから、どっちが上かと言われると難しいんだ」
デメテル「役職?」
P-テウス「そう。
ピュペリオンが武官のトップで、コイオスが文官のトップだ。
何となくイメージ湧くか?」
デメテル「えっと、ピュペリオンさんが軍で一番偉い人で、
コイオスが一番偉い政治家さんってこと?」
P-テウス「その通り!
だが、何でコイオスだけ呼び捨てなんだ?」
デメテル「だって意地悪な人だもん!
ピュペリオンさんは会ったコトないから……」
P-テウス「成る程な。
さて、この二人のどっちが偉いかという件だが、
俺的にはコイオスに軍配が上がるな」
デメテル「なんで?」
P-テウス「基本的に、文官の方がよく働くからさ。
デメテル。
武官が働く時っていつだと思う?」
デメテル「あ、そっか!
戦いが無いとヒマなんだ!」
P-テウス「良い答えだ!
俺たちが宣戦布告するまで、
軍の仕事は主に化物退治ぐらいだったからな。
だから通常は王の警護や治安の維持ぐらいしか
やることが無いのさ」
デメテル「じゃあ、コイオスが王さまの次に偉いってこと?」
P-テウス「そう言いたい所だが、
コイオスとて何でも自分勝手ができる訳でもない。
政治においては王に次ぐ発言力を持つコイオスだが、
それを諫めていたのがオケアノスだ」
デメテル「あの優しいオジサマ!」
P-テウス(デメテルって、割と年上好みなのか?
俺の事といい……)
「最近知った事だが、あの二人は同世代らしくてな。
コイオスを窘められるのは、
王以外ではあのオッチャンぐらいだったらしい。
だがまあ、こちらに寝返った今となっちゃ除外だがな」
デメテル「同世代ねぇ。
あ! 先生のお父さんは!?
同じぐらいじゃないの?」
P-テウス「あ、イアペトスかぁ……」
デメテル「先生、お父さんの事になると何かちょっとヘンだよ?
……もしかして、仲悪いの?」
P-テウス「いや、悪くは無い。
確かにあまり話さなかったかも知れん。
俺はアトラスにベッタリだったからなぁ。
あ、ガキの頃の話だぞ?」
デメテル「先生カワイ♡」
P-テウス「……続けるぞ?
イアペトスもコイオスらと同年代の古株だな。
ただ、凡庸な人物で、政治にも殆ど口を出さなかった」
デメテル「そうなんだ~。
で、お父さんは武官なの?」
P-テウス「実はその辺、ハッキリと決まってなかったりする。
親父は取り立てて優れた能力が無かったが、
逆に言えば何でもそれなりにこなしてきた。
だからその時々で武官も文官も務めていたよ。
まぁ、その実ただの数合わせだったが……。
コイオス辺りはかなり重宝したと思うぞ? うちの親」
デメテル「あはは……。
えっと、じゃあお兄さんは?」
P-テウス「アトラスか。
アトラスは言うまでも無く武官だ。
昔、悪竜討伐の功績を称えられ、
王から直々に警護を任された逸材だ。
軍での立場はピュペリオン、クレイオスに次ぐ三番目だが、
事実上のクロノス直属の護衛隊長だ。
ティタンの男子は皆一度はアトラスに憧れる!」
デメテル「先生も?」
P-テウス「ああ、そうだったな」
デメテル「だった?」
P-テウス「……フ。
さて、何気にすっ飛ばしたが、
クレイオスのオッサンも忘れちゃいかん」
デメテル「クレイオスさん!
よく農園に顔出してたよ~!
目新しい物はないかって!」
P-テウス「……そうか。
今となっては捕虜扱いだが、ピュペリオンに次ぐ軍事の長。
人物としては中庸だが、
その高い統率力から実際に軍を率いるのは殆どが彼だった。
ただ、初めての対人戦では、その一糸乱れぬ連携が裏目に出た訳だが」
デメテル「先生! カッコ良かったよ~!」
P-テウス「フ、ありがとよ!
以上が主だったティタンの大物たちだな。
順位付けしていくと。
一位、国王クロノス。
二位、執政官コイオス。
三位、大将軍ピュペリオン。
四位、将軍クレイオス。
五位、護衛隊長アトラス。
例外としてイアペトスが第四位以下に就くこともある。
と、いった具合か。
あと、除外したオケアノスを入れるとしたら、
執政官次席としてクレイオスの上辺りかな。
大体こんな感じだ」
デメテル「へぇ~。
アトラスさん、意外に一番下なんだ~」
P-テウス「ティタンは基本、年功序列だからな。
だがこれでも異例の大出世なんだぞ?
アトラスの年であの地位に就いたヤツは他に無い」
デメテル「ふぅん~」
P-テウス「何だ? その生暖かい目は……」
デメテル「別にぃ~?
先生って弟キャラだったんだぁって~」
P-テウス「勘弁してくれ……」
デメテル「あはは!
はーでもよくわかったよー。
ありがと、先生!」
P-テウス「お役に立てて何よりだ」
デメテル「この人たちと、戦うんだね……」
P-テウス「……そうだ。
特に今度はアトラスを相手にしなきゃならん……!」
デメテル「……先生」
P-テウス「なあに、心配すんな!
アトラスに挑戦できるなんて滅多に無いチャンスだ!
俺の力がどこまでアイツに通用するか、腕が鳴るぜ!」
デメテル「頑張って!
わたし! 応援するよ!!」
P-テウス「フ! そりゃあ心強い!
任せとけ!
アトラスだろうが王だろうが!
俺の知略で絡め取ってやるぜ!!」