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音楽戦隊ソウルジャー  作者: 影林月菜
第二曲 リーダーの自覚とエースとは何か
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第七楽章 彼方 亜利亜(アリア)川河川敷にて

 中庭から聞こえる幾多の生徒に悲鳴に気付いた俺とセイちゃんは、亜利亜(アリア)川の河川敷にいる生徒の群れをすり抜け、悪事を企てようとしているドルチャーヌの元へと駆けて行った。

 途中セイちゃんが俺の肩を叩た。こんな状況に何を考えているのかと思いきや、彼の右手には緑のスマホを手にしていた。画面を見てみると、掛かって来たのは兄貴からだった。一体何かと思い渋々と出ることにした。

 「彼方(かなた)か!悪いけどセイちゃんと一緒に亜利亜川の河川敷の橋の下まで来てくれるか?」

 「はぁ!?何でだよ!?こっちは中庭まで急いでんだよ!」

 通話中に一瞬の沈黙が訪れた。兄貴は一体何を考えてるのだろうか、と思った時だった。

 「中庭まで来て変身するつもりですか?」

 話しかけてきたと思いきや、兄貴の声ではなく宇宙(そら)の声に代わっていた。

 『誰にも知られてはいけない』。兄貴達が決めたルールを不意に忘れるところであった。確かに中庭(あっち)に着いた所で、他の生徒や先生達に知られる危険性が高くなる。

 考え直した俺は、セイちゃんと共に河川敷の橋の下に急行することになった。あそこに行けば人目もつかず変身出来る場所としては最適である。






 「遅いよ!何やってたのよ!」

 既に兄貴、宇宙と共に合流していた(ひかり)がご立腹で俺等を待ちわびていた。

 「悪い、江本(えもと)のことでずっと悩んでてな…」

 「やはり彼は彼方と同じクラスの出席番号五番、江本邦紀(くにのり)君でしたか」

 宇宙が腕を組みながらぼそっと呟いた。

 「宇宙兄さん、今朝トゥーリットが言った通りのことをまた言い返すのですか」

 さらりとボケをかます兄に対し、セイちゃんはやはり無表情のまま鋭く指摘した。

 「おい、さっさとこの騒ぎを静めようぜ!」

 兄貴の言葉により、俺等は再びソウルタクトを構え、底にソウルベルをはめ込んだ。

 『バッハ・オンステージ!』

 『モーツァルト・オンステージ!』

 『ショパン・オンステージ!』

 『ベートーヴェン・オンステージ!』

 『シューベルト・オンステージ!』

 「「「「「セット!」」」」」

 そして四拍子に合わせてソウルタクトを振った。

 『1(ワン)、2(ツ-)、3(スリー)!』

 「「「「「ムジーク・チェンジ!」」」」」

 その瞬間、俺等はそれぞれの色の光に包まれソウルジャーに変身した。全てが整ったところで、再び中庭へと去って行った。


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