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なつやすみのおもいで

作者: 関口 太郎

8月24日 (日) はれ


 きょうは、おとうさんとおかあさんといっしょに、きんじょのなつまつりへ行きました。

 きのうは雨がふってたいへんだったけれど、今日はとてもはれておまつりに行けたので、とてもうれしかったです。

 おまつりには、ゆかたを着て行きました。はじめて着たゆかたは、いつも着ている服とちがって、なんだかふしぎなかんじがしました。

 おまつりのかいじょうは、小学校のちかくもながれている大きな川のそばでした。いつもはつりをしているおじさんくらいしかいない川も、きょうは前が見えないくらいにぎわっていました。


 おまつりのかいじょうに着いたら、おとうさんがせん円さつを2まいくれました。そして「それですきなものを買っておいで」と言いました。

 はじめに、入り口のちかくにあったしゃてきをしました。おおきなてっぽうの先にコルクのたまをつめて、たなの上にあるおもちゃやにんぎょうにたまを当てて、おとせばけいひんがもらえます。ぼくは、1ばん上にあるゲームをねらっててっぽうをうちましたが、ぜんぜん当たりませんでした。くやしかったので、もう1回やりました。こんどはすこし当たりましたが、ゲームをおとすことはできませんでした。


 つぎに、おなかがへっていたので、やきそばをたべました。おかあさんのつくるやきそばとはちがうあじがして、おいしかったです。

 やきそばをたべたらからだがあつくなってきたので、かきごおりをたべました。メロンあじのかきごおりはきれいなみどり色で、おいしかったです。


 つぎに、ヨーヨーすくいをしました。水にうかんだ水ヨーヨーを、かみの先についたフックでつりあげます。ゆっくりフックをうごかしてヨーヨーをとろうとしましたが、すぐにかみがやぶけてしまいました。これもくやしかったのでもう1回やりましたが、こんどもすぐにやぶけてしまいました。そしたら、となりでヨーヨーすくいをしていたおにいさんがぼくにはなしかけてきて、ヨーヨーを1つくれました。そのおにいさんは1回でたくさんのヨーヨーをとっていて、すごいとおもいました。


 そして、おとうさんからもらったおかねがすこしのこったので、さいごになにか買おうとあるいていたら、きゅうにおじさんにはなしかけられました。そのおじさんは、おおきなゴムプールのまえにすわっていました。おじさんはぼくにえがおでてまねきしていました。

「どうだいぼうや、買っていかないかい?」とおじさんは言いました。ぼくはおじさんに、なにを売っているのかききました。するとおじさんは「カラーニンゲンだよ」とこたえました。

 しらないものだったので、買うかどうかまよっていたら、おとうさんがぼくのことをさがしにきました。ちょうどよかったので、ぼくはおとうさんにカラーニンゲンとはなんなのかたずねました。

 おとうさんはわらって「ニンゲンごやでたくさんつくったけど、おおすぎていらなくなったニンゲンをころしてしまうのはかわいそうだろう?だからこうやって、おまつりなんかで売っているんだよ。ふつうに売ってもなかなか買ってくれないから、こうやって色をつけて売るんだ」と言いました。そして、プールの中をゆびさしました。


 プールの中には、手の平くらいの大きさのニンゲンのあかちゃんがぎっしりとつまっていました。たしかに、いままでテレビやずかんで見たことのある色とはちがう色をしていました。あか、みどり、ちゃいろ、しろ、あおなどのいろにぬられたニンゲンのあかちゃんが、プールの中でもぞもぞとうごいていました。そのなかをしばらくのぞいていると、たまに「ぎゃおう、ぎゃおう」となきました。

 ぼくはおとうさんに聞きました。「このニンゲンのあかちゃんは、買われなかったらどうなるの?」おとうさんは「ざんねんだけど、ころされちゃうんだろうね」とこたえました。

 かわいそうにおもったぼくは、おとうさんにニンゲンをかってもいいか聞きました。おとうさんは、ちゃんとせわをするならかってもいいといいました。ぼくはおとうさんとニンゲンのせわをちゃんとするとやくそくして、みせのおじさんおかねをわたして「いっぴきください」と言いました。おじさんはえがおでうなずくと、プールの中からいっぴきのニンゲンをつまんで、ビニールのふくろにいれてわたしてくれました。ニンゲンの色はみどりでした。

 ふくろのなかのニンゲンをゆびでつつくと、ゆびをつかもうと手をのばしてきました。そして、ぼくのゆびをりょう手でつかんで、ぼくのゆび先をちょっとなめました。ニンゲンのあかちゃんは、からだはちいさいのにとてもあたたかかったです。

 さいごに、おじさんにニンゲンにはなんのえさをあげればいいのか聞きました。おじさんは「てきとうなどうぶつのしがいとか、いらなくなったやさいのはしっことかをあげればいいよ。あと、水もてきどにあたえてね」と言いました。ぼくはおじさんにおれいを言って、おとうさんとふたりでおかあさんとのまちあわせばしょまで行きました。


 とちゅうで、おおきな花火があがりました。ぼくとおとうさんはたちどまってその花火を見上げました。花火はとてもおおきくて、とてもきれいでした。またらいねんも、このおまつりに行きたいです。


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― 新着の感想 ―
[一言] 自分の知っている『ほのぼの』とは違う!(笑) キモ面白かったです。 で、結局『ぼく』は何者だったのですか?
[一言] なぜほのぼのタグ付けたし。 読んでいて、どう感じたらいいんだろうなぁこれはと、すごく微妙な気持ちになりました。
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