嫉妬の理由
ごめんなさい。ノリで書きました
「あのさ、あたしが海斗と付き合い始めてからもう、2年じゃない?」
久々に同じ日が空いたので、デートに行こうとした矢先、陽菜が俯きがちに言った。
何故突然そのようなことを言い出したのか分からなかったが、海斗はそこに触れることはなく、ただ陽菜の質問に答える。
「そうだな。明日で2年か」
長かったようで短かったな、と海斗は続けた。
「この間朋と話をしてたわけよ」
「朋って、お前の友達の?」
「うん。でね、まだ家に行ったことが無いって話したら、驚かれたの」
「まあ、そりゃあそうだろうがな。それと今の状態は何か関係があるのか?」
「そんな酷い状態?
関係あるのか無いのか分からないけど、そういえば嫉妬なんてしたこと無いなあって」
海斗は、思わず体の動きを止め、陽菜の顔を凝視した。
陽菜はその様子に首を傾げるもそれ程気にならない様子で、そのまま続ける。
「恋人の家に行くのって二股とかしているかどうかを確認しに行くためなんだって。
だから、あたしはそういうのに無頓着なのかなって。君に嫉妬の感情を覚えたこと無いし、滅多に合わないしさ」
「人それぞれだと思うけどな。それに、お前って人恋しいとかそういうのないからそういうもんだと思っていた」
「それは事実だよねー。でも、嫉妬してみたいかなーなんて」
「・・・・・・・嫉妬は、したいと思ってするもんではないと思うが。
それに、嫉妬なんていろんな種類あるぞ?僻みとか焼き餅とかさ。羨望とかも嫉妬のうちに入るんだっけ。
陽菜だって高校ンときそうだったろ。勉強できなくて俺に強くあたってきたしな」
「あれは忘れなさいって言っているでしょうが」
ぎん、と睨むが、若干涙目だったので怖くはなかった。
どれだけ思い出したく無いんだ、と海斗は苦笑いする。
「まあ要するに嫉妬はしない人はいないってことだな」
「そっか。あたしも嫉妬はしてるんだね」
そう言うと、彼女は顎に手を当てなにやら考え始めた。
ブツブツと呟いていたが、やがて顔を上げると海斗の胸倉を掴んだ。
「昨日、女の子と歩いていたけどさ、それはいいのよ。でも、昨日バイトだっつってたのに、何してるのかな、かな?」
「ちょっと待て!勘違いだ!」
昨日陽菜の誕生日プレゼントを妹を連れて行っていたのだが、彼女は勘違いしていたようだった。
海斗はそれを必死に説明したら、彼女は簡単に納得した。
どうやら、本気で思っていたわけではなかったらしい。
ホッとした海斗はふと気付いた。
「というか、それ、嫉妬だと思うぞ」
「へ?」