真相の二部公開。
投稿に失敗して文章消失。
書き直したものの、なんか元と違ってる。
そういうことって……ありませんか?(涙
とりあえず……この天の彼方までぶっこ割れで伸びてるテクスチャ……。
これ、どっからでも見えてんじゃないだろか?
うーにゃーって、ことらんが飛びついてるけど、すかっと手が通り抜けてる。
まんまゲームのバグ絵だな、これ。
っていうかこういうのって、普通、グラボのメモリ不足とかで起こるもんじゃないの?
どういう扱いの現象なんだろう?
「けど、今までにだって、そういう攻撃はあったはずなのに」
今更? っていう、ねえさんの言うことはもっともだった。
こういうのは定期的に、大きな……それこそ、そこの国の一番大きな掲示板から発祥し、結託して行われるものだけでも、年に数回は起こっているのが確認できる。
それでも問題になっていないのは、対策がしっかりと取られてるからだ。
「回線には余裕があっても、ホストコンピューターは違っていたと言うことではないでしょうか?」
「そりゃ確かに、ドラゴンレジェンドって、ホスト側でプログラム処理をしてくれてるけど」
だからって、最盛期ならともかく、今はログイン人数も減ってるし。
かなりの余裕があるはずなんだけどなぁ。
「ホストコンピューターの規模縮小とか、そんな記事はなかったと思うし」
計算は全部向こうまかせ。
こっちは送られてくる映像に反応を返してるだけ。
極論したらそんな感じで、そこに過負荷がかかったって、フィードバックに問題が起こった?
んでも同じような攻撃は、今までにだってあったわけで。
桁が違ったんだろうか?
やっぱなんか怪しいんだよなぁ……。
まあ誰が何をしたかなんて、調べようがないんだけどさ。
「まあ、もともとのシステム、仕様にも、問題があったようですが」
「どういうことなの?」
「あなた方の行動記録を送るだけにしても、その総量は決して少ないものではありません」
まあ、何万人分ってあるわけだからなぁ。
最盛期は過ぎてるにしても、それでもまだ少なくない人間が遊んでる。
「通信というものは、その途中で様々なものからの影響を受けるものです。恒星、超重力、空間歪曲、数え上げればきりがありません」
いやなんか影響を発生させてるもんが、おかしかないですか?
「もちろん、使用されている通信波には、エラー訂正がかけられています。それでも、訂正用のレコードファイルが、本体の四倍以上にまで膨れあがっているとなると、綱渡りどころか、こんな計画がよく実行に移されたなと、呆れるしかない内容となりますね」
「ええっと?」
同じデータを何度も送るから照合してくれやって勢いで、データの正当性の確認が行えるように、訂正、修正、修復、補修用と、やたら肥大化してるサブデータを加えて送信して、なんとかしてたってことなのかなぁ?
「これほどのデータが歪み無く、変質も無しに届くなんてことは、普通は期待もしないものです。それをやろうというのは、無理、無茶、無謀の、三無主義を良しとしたと言うことになるんですよ?」
近距離ならばともかく、と。
「地球までの距離は……わからないのよね?」
諦めてくださいと、申し訳なさそうに口にされた。
「わたしは機械ですから……使用されている通信機と同型のデバイスが搭載されない限りは、詳しく精査し、解析することはできないんです」
レイドさんがこぼす。
「シルフィードは探査や索敵が目的の船じゃないからな、そういうのは積んでないんだよ」
ハッキングも本職じゃないし、と。
「この星のメインシステムをハックできれば、あるいはって感じではあるんだが……」
そもそも、これだけの規模のことを成しているコンピューターだ。
一戦闘艦の電子精霊ぐらいではどうにもできない相手らしい。
そういえば、と。
「俺たちを呼び込んだのは、わりと標準的な通信波だったよな?」
救難信号ですから、とシルフィードさん。
「ただ……、ワープアウト直後にこの星に激突し、故障したために、以降の調査は行っていませんので、深くは……」
つっかえねーって思ったら、なんかシルフィードさんがにっこりと笑って、遠くに向かって弓を引く仕草を……?
「光の矢」
魔力……電子? で弓と矢を作……ってえええええええええええええええ!?
視界が真っ白に染まりました。
──ドォオオオオオ……。
地面をえぐり取りながら、直系三メートルはあるかって光がぶっ飛んでって、なんか遠方の山の頂をかすめて消えてった。
あれか!? 陽電子砲とか電子ビームとかそんなんか!?
「…………」
あの、山のてっぺんの煙、あれって吹き飛ばされた山頂の土砂が舞ってるの?
「なにか……『思い』ました?」
ぶんぶか首振って否定する。
「なんでも!」
「ばか」
ねえさんの横でことらんが真似して笑ってやがる。
ちくしょう。
「遊んでんなよ」
遊びってレベルじゃないッスよ、レイドさん!
「遊びだよ。お前らの魔法だってそうだろが」
っていうんですがね?
そうなんだろか?
ここ、ゲームとは関係ないんだよね?
いいの? あんなことして。
「結論から言って、この星はなんなんだ?」
あ、逃げた。
「人工の自然資源衛星ですね」
人工で自然て……。
「なんですかその矛盾したの」
ふぅむとレイドさん。
「人工よりも、自然物の方が高値がつくのはどこでも同じだ。小惑星で星を作ったのも、仮想生命体をばらまいて、有機、無機物、関係なく、金になりそうなものが生まれるような循環世界を作ったのも、実は金儲けのためってことか?」
「金儲けが目的なのかどうかはわかりかねますが、ゲーム的なシステムアシストは、環境保全に対するメインシステムの負荷軽減のために用いられたようです」
難しくなってきたのでねえさんにパス!
「どういうこと?」
「ん。生まれたもんを集めたり変化させたり、また埋もれさせて年月を経たせたり、生命体ってのはそういうことをするもんだろう? 微生物から、知的高等生命体まで、程度の差はあるけどな」
糞便から遺跡までって感じだろうか?
「微生物から始まって、植物、生物と言った食物連鎖に、発掘された地下資源を用いて、新たな物質を生成したり、世界の循環は生物が居なければ成り立ちません、でなければ、星は、ただの岩塊として固定されます」
「けどなぁ……、生命体が存在できる環境ってのは、実はまれなもんなんだよな。それを人工的に成り立たせようと思うとだな、かなり大がかりな環境維持システムが必要となってしまうんだよ」
「そのためには、管理システムに、限りなく負荷が少ない方法を取る必要があります。たとえばアバターです」
「この体ッスか?」
「そうだな、お前ら、そのお前の大きさが、本当のお前の体と同じ大きさだと思ってんのか?」
この体が? と、ねえさんが自分の体を見下ろした。
ローブを押し上げてる胸がでけぇわけだが。
元は幼女なわけで……って、まあ、そういう意味じゃないよな?
「違うの?」
「わからん」
「は?」
「俺は、お前らの種族を見たことがないからな。この宇宙には、太陽系規模の大きさを持った高等知性体だって存在してるんだ。重力によって生命体の大きさなんて無茶苦茶違ってくるんだよ。無重力空間じゃ、星よりでかく育つなんて当たり前だし。となると、俺は、今のお前らが、元の十分の一になっていたとしても、驚かないね」
そうですねとシルフィードさん。
「アバターとは作り物です。アシストシステムに関わってきますが、筋肉量や骨密度、運動能力や耐久力に関連性はありません。全てを決定しているのはパラメーターとシステムです。脳のサイズすら問題になりません。記憶や記録はシステム側で用意されている記憶領域に保存されますからね」
俺は思わず頭を撫でるように、髪に指を絡めて揉んだ。
この中身がすっかすかとか……?
確かに、電子化状態でシルフィードさんは存在できてたわけなんだから、思考能力や判断能力だって、デジタル化したりできるんだろうな……。
「今の運動能力や魔法の力は、ナノマシンによる補助があってのもんだ。これだけナノマシンが濃い環境なら、アバターは形さえ整っていれば良いって感じだろ。食ってるもんだって、元は同じ組成のもんだ。ナノマシンの補充って感じだろうな」
「そうですね。固形化されたナノマシンを摂取して、充填している。そんな状態ですね」
味けねぇなぁ……裏事情。
「まあ、さっきも言ったが、これだけの環境を維持するためには、システムへの負荷軽減が不可欠なんだよ。その辺のことは、そこにもかかってくんだよな」
「どういうことッスか?」
「アシストシステムですよ」
そうだなとレイドさん。
「アバターってもんは、走ろうとすれば走り出して、歩こうとすれば歩き出す。そういうもんだ。そんでもって、その動きはパラメーターによって制限されて、決定されてる。アバターでは体を鍛えても結果は変わらないんだよ。もしそれで変わってしまうようなら、お前たちがスキルって呼んでる技なんか、人によって動きが違ったもんになってしまうだろ?」
「スキルによる結果、ダメージなどについては、パラメーター上の数値と、使用する技の計算式、多少のランダム数値が盛り込まれて、決定されることとなりますが、その動きについては、誰が使ったとしても、同じスキルであれば、同じ速度で、同じ動きが行われるようになっています。同じスキルが人によって違う動きになることはありません」
「もしあったとしたら、それはバグ扱いだ」
さっきお前がやったことだよと言われた。
「走る速度、歩く速度、跳ぶ速度に泳ぐ速度、それらは全部パラメーターによってきっちりと計られてる。そうやって、それによって発生する乱数は制限されてる。なぜならお前らのその体は作りもんだからだ」
「骨も筋肉、内臓も全部見た目だけですからね。成り立たせるために制御プログラムが働いているんです」
「制御プログラムって言えば、環境についても言えるな」
「はい?」
「先ほどの風の大砲魔法ですが、足下の草花が吸い上げられたり、巻き込まれていましたか?」
そういや、ゲームの背景画像みたいに、なんにもなってなかったなぁ……。
「この世界の大気は、フィールドによって押し込められてるわけだが、じゃあなんで対流なんてしてるんだ? って話だよな」
風はあるわけだし、と。
「これだけ多くの仮想生命体が存在する環境を維持するためには、いくつかの点において簡略化と調整は必要不可欠です。生物が呼吸するだけで大気は動きます。万を超える生物が呼吸すれば大気組成成分の調整だけでも大変な手間となります。さらに生物がそれぞれに無秩序な運動を行えば?」
ドラゴンが羽ばたけばどれだけの風が起こるのかって話らしい。
でもドラゴンに乗った時は、それなりの風を受けたわけで。
……基準がわからん。
「不自然な現象に関しては、自然現象が反応を起こさないってのは、制御の結果だよな」
「単に自然環境を構築しているプログラムに、魔法やスキルに対するエミュレート項目が欠けているという、手抜きである線も捨てきれませんが……」
あ~~~、その辺はゲームでも同じだよなぁ。
普通のゲームだと、性能の低いパソコンでやる場合、足跡とか攻撃の痕とか、草とか木の動きとか、そういうの削れるようになってるし。
負荷を軽くするために敢えて削ってる、組み込んでないってのは、あるのかもな。
「重力もだ、こんな小っさくてまともに自転も公転もしてない星なんかで、ちゃんとした重力が発生してるわけがない」
「恒星も適度な距離にありませんし」
「そういうことだな。安定した熱を受けることができない。放射線を防げるだけの大気の層もない。生き物がまともに発育できるような重力も働いてない。あげく、時間的な調整だ。分子運動を制御して時間の経過速度を速めてる。こんだけの不都合やらなんやらを、全部人工的に制御してんだから」
どっかで手抜きは行われてるってわけなのか。
「発生する資源物資は、環境によって結果が変わってしまいますからね。欲しいものを得るためには、数値を維持し続けなければなりません」
「しかしなぁ……」
レイドさんが顎をなでさすった。
元の体はひげ面なんだろうか? アバターにはひげは生えてないけど、そういうのをさすってる感じだった。
「なにかわかんないことでもあるんスか?」
うーんと、レイドさんは唸りながら話し出した。
「救助を求める信号を拾ったんだ。罠でないなら、計画が頓挫したってところなんだろうが」
「罠だとしたら、狙いはわたしたちの船でしょうか?」
「思ったより負荷が大きくなって、回収船が離脱できなくなっているとか、あるいは回収の迎えが来ないとかか? 確率としては後者っぽいが」
それにしてはと口にする。
「リアクションがなさ過ぎる」
そもそもと。
「鉱物なんかの資源を自然物としてのレベルで誕生させるには、分子運動の制御は問題になるだろ? それこそ、不自然な結果を生むことになるし、システムへの負荷も大きくなる」
「そうまでして、何かのために、ということでしょうね」
情報が足りないな、と、ふんっと鼻息を吹いて、レイドさんは雰囲気を切り替えた。
「しかしまあ、安心したぜ」
「なんですか?」
「最悪、囚人惑星って線もあったからなぁ」
囚人て。
「マジスか……」
ああって頷かれてしまった。
「意外とあるんだぜ? 家畜に意識体を投影されて、延々屠殺されるだけの刑とかな」
とかて。
「ひでぇ……」
「まあ、そんな刑を受ける奴らなんて、ろくでもないのばっかりだけどな。大半は意識を摩耗させて、廃人になって、処分行きだよ」
「うぅわぁあぁ」
「ただし、救いもある。改心したと認められたら、もうちょいマシな家畜にされるんだ、あるいは人間とかな。それで完全に更正が認められたら釈放って流れもある。……ま、大半は逆戻りが当たり前だが」
もともとろくでなしだから、かな?
「ただ、ここで計画されてんのも、ろくでもないものっぽいからな、労働力として囚人が利用されてる可能性は、まだ捨てきれないんだが」
ふと、姫様のことを思い出し……。
「そうですねぇ。移送中の囚人収容船の行方不明事件なんて、いくらでもありますし」
姫様、転生回数が足りないとか言ってたよな……?
間でなんか酷い生まれ変わりやってるとか……か?
人間まで行って、また家畜に戻って、とか。
だから記憶が飛んでたり?
「で、船の方はどうなんだ?」
「はい。最低限の修復後に、惑星上へ再突入するようセットしておきました」
「俺たちは待つしか無いってことか」
着陸予定地点に移動するかと思案しだした。
けど、俺たちはそれに付き合う必要は無いんだよな。
「あたしたちはどうする?」
「そッスねぇ」
まあ、あとで合流はするつもりなんだけど。
ちと、この星って、このまま生きてくにはやばそうだし。
そこで。レイドさんからの提案が入った。
「この星で生きてくのが嫌なら、外で生きてけるアバターを用意してやっても良いけどな」
ってのはありがたい申し出だったけど。
「ファンタジーから、SFに飛び出すのかぁ……」
「宇宙を飛び回る生活ってのも憧れるけど」
でもとねえさん。
「宇宙船とか、簡単に手に入るものじゃないでしょ?」
んなことはないとか、え?
「手に入るぜ?」
「マジスか!?」
「漂流船だの難破船だのスクラップ船だの、船自体は新品新古レベルから材料単位までいくらでも拾えるからな」
まあ、だからって、そうそう甘い話でもないらしい。
「問題は維持費です」
だな、と。
「装備がエネルギー系でまとめられてても、エンジンのオーバーホールは必要になるし、実体弾になると生産工場を船内にってわけにはいかないからな、どっかと契約する必要は出て来るよ」
「食料もですけどね」
「そうだな。で、仕事となると、荒事で戦闘がメインだ。輸送を請け負ってても、襲われることはざらだしな」
「傷むんですよねぇ、船体が……」
「あとまあ、お前たちの場合は、アバターだからな。前にも言ったと思うけど、本当の体じゃない以上、精神的なケアが必要になる。専門医にかかるしかない」
「そうなると、あまり文明圏から離れて生活することはできませんねぇ」
「てか、文明圏ってのが、どこにあるんだか……俺たちも迷子だからなぁ」
問題だらけじゃねぇか。
そうそう、うまい話が転がってるわけもないか。
「まあ、その体は、お前たちがゲームで慣れ親しんだものなんだから、この星の上にいる間は、どうこうなったりしないだろうが」
「そうなら良いんですけどねぇ」
「むしろ、あなたがた本人のことの方が心配ですが」
「はい?」
「地球……でしたか? 唐突に技術拡散の始まったバーチャルリアリティシステムに、高速通信技術。できすぎだって言ってたでしょう?」
「まあ、でも、思っただけですし」
「いいや。新しい技術ってのは、拡散すると、素人さんはいじってみたくなるもんなんだよな。けど、そこに不審なとか、おかしな技術が見つからなかったってなると、怪しいのは目に見えない何かになる。お前たちのところじゃどうだった?」
「どういうことすか?」
「高速無線通信機能だよ。送受信の機械について、誰が見てもおかしくないのなら、それを可能にしているのは、新しく発見された通信帯とか、そんな感じになるだろう?」
ピンと来る。
「量子通信?」
「それこそまさかだな。送受信の機械は、お前らから聞いた技術レベルじゃ、異様なものになっちまう、なら」
「大気に通信帯を作り出す粒子が散布されている……といったところでしょうね」
「ええ!?」
「わかりませんか? この星に高濃度で散布されているものと同じです」
「ナノマシン!?」
「ああ。それがあってのこの星か? この星の資源採掘や加工は、お前らの星で使うために使われている?」
なんのために!?
「惑星一個分となると、相当な量になるけどな、できないことでもない。となれば、この星からお前らの星へは、資源の移送、輸送が可能である……ってことになっちまうな」
「案外近いのか、あるいは、ワームホールでもあるんでしょうか?」
「ワームホール?」
「局所的な空間湾曲だよ。出口と入り口が双方向ってことは珍しいけどな。どこかにあるのかも知れん」
それは直感だった。
「足の下」
「なに?」
「あ……や、あのですね。ゲームだと、地面って、ポリゴンで作られてるから、その下って、なにもないんです」
「……それから?」
「何もない……イコール、ワームホールとか」
みんなで足下を凝視してしもうた。
「ありえますね」
いやいやいや。
否定してくださいよ。
「いや、良い勘してるかもな。ワームホールを取り囲むように岩塊を集めて、ワームホールの吸引力を利用して惑星状になるよう組み合わせたか?」
「でもそれって、くっついてる岩の、どれかがずれたら……」
「連鎖的に吸い込まれるな。その先は……お前らの星だ」
「…………うぉう」
「ワームホールが、双方向かどうかはわからないが、その辺りにこの星とそっちの星とでやってる、妙な計画の骨子があるのかもしれないな」
なんか言葉に迷うんスけど。
「どうしたら良いんスかね……あ、や、違う、どうしたら良いんだ……でもなくて」
「混乱すんなよ」
これもまた、まだ想像での話だと……でもなぁ。
安心できねぇ!
なにしろこの人がフラグっぽいことを言うと、外れた上に妙な方向にすっとんでくし! 酷くなるし! 怖くなるし!
「まあ、とにかく、何かしていないと気が済まないというのであれば、当初の目的通りに、目指しませんか?」
「谷へですか?」
「はい。モンスターのポップには、大量の魔素……という扱いになっている、ナノマシンの吹きだまりが必要です。そしてイベント用のボスクラスのポップには、吹きだまり程度の魔素では、ナノマシンが足りません」
「谷には、精製機があると見て間違いないだろうな」
「それを使用すれば、簡単にあなた方専用のアバターを作成できます」
「どういうことッスか?」
「……返した方が良いのでは、と思うのですが?」
どうでしょうかと……シルフィードさんは、ディーナを見た。