表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/74

そのごー

 どこかで読んだ小説に書いてあった。

 魔法はイマジネーションによって、現実を騙す技法であると。


 脳から出る波動が、現実という世界の量子に投影されて、世界がそれを本物だと思い込み、実際化してしまうのだという。

 そのために、魔法使いは薬を使い、朗々と呪文を唱え、トランス状態へ陥っていく。

 人数が多ければ多いほど成功するのも、集団催眠という形で、より大きな波動を生み出せるから……らしい。

 とにかくだ、自分で現実、本物だと思えないようなことが、実際になることはないって話だ。

 だから、自分を見失うくらい集中し、酔うんだろう。


 で、だ。


 魔法使いへの第一歩は、頭に白いキャンパスを生み出すことからはじまるのだそうな。


 太陽を見上げて、まぶたを閉じる。

 するとまぶたの裏には焼き付きが残っている。

 この焼き付きを、まぶたの裏に広げていく。

 これが中々難しい。

 毎日寝る前に電灯を見て、電気を消して、真っ暗な中、寝落ちするまで頑張った。

 できるようになったら、焼き付きの色を自分で選ぶ。

 どんな色でも、まぶたの裏を染められるようになるまで、やっていく。


 次の段階は、妄想だ。

 その白いキャンパスに、現実が騙されてくれるぐらいの、リアルな映像を投射する。


 第三段階では、まぶたを開いたまま、リアル映像を実際に見ている景色に投影する。

 ちゃんとした導師、導き手がいないと、この辺りで現実に見ているものと、空想とか妄想とかと、区別の付かなくなる奴が出るらしい……んだけど、俺はまあ、この辺りで諦めた。


 ただ、思ったんだ。


 空想が現実と見まがうほどリアルだと、現実が騙されて空想を実際化してしまうというのなら……。

 リアルすぎるゲームは、リアル化する可能性があるんじゃないかって。

 それが、俺がこのドラゴンレジェンドを選んだ理由だった。

 余りにもリアルな作りは、本当に第二の世界、異世界だと思わせてくれるものだった。

 そして俺の願いは叶った、と言えるのかも知れない。


 ……ディーナの件を除いてな!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ