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異世界転生THE(駄)フラグ(仮題)  作者: nakaya
二日目。そろぷれいw
15/74

フラグ建築中。しばらくおまちくさい。くさいっ!?

投稿しようとしたらブルースクリーン食らいました。

負けないモン!(⊃Д`)、

 ギルド会館へ連行されマスタ。


「勘弁してくださいよ、ねえさぁん」


「どれがいっかなー」


 ショッピングのように眺めてるのは依頼掲示板だ。


 討伐:亜竜族 ブラッディドラゴン Lv108。

 討伐:巨人族 アサルトギガント Lv102。

 討伐:魔族  グレーターデーモン Lv115。

             ・

             ・

             ・

             ・

             ・


「なんでレベル100越え限定なんスか!」


「罰ゲームだし?」


「死ぬから! これデスゲームだから!」


「きっとなにかに目覚めるって」


「上限解除クエ受けてないから! レベルキャップ解放されてないから!」


 リーダーが罰ゲームとしてのクエストを選べるのはともかくとして、選んでるリーダーのレベルが上限になるのはどうなんだよ!


「PT組んでけばぁ?」


「ねえさん! 俺にそんな社交性があると思って!?」


「……面白いくらいディーナと真逆なんだから」


 いやほらディーナやってるときは、向こうから寄ってくるから。


 そんなバカをやってると、ギルド会館の二階へ続く階段から、知った顔がふたつ下りてきた。


「あ!」


 声を上げて、子虎が階段を飛ぶように下りてきた。

 ついでに母虎も小走りにやってきた。


「よ!」


 間違いなく、あの時の二匹だ。

 手を上げて挨拶すると、子虎が足にしがみつき、にへーっと俺を見上げてきた。

 にへーっと笑い返してやると、がしがしとよじ登りだしてきた。

 服が後ろに引っ張られ、のど元が襟で「ぐえっ」ってなるのを頑張って耐えると、子虎は俺の頭にしがみつくように位置取った。

 肩車してやっていると、母虎も側に来た。

 すこし近い……ってか、寄りすぎじゃね?

 両手をお腹の辺りに合わせて、頬を染めて見上げてくる。

 見つめてくる?

 なんだこれ?


「昨日は、ありがとうございました」


「ギルドで保護してもらったの?」


「昔、祖父が、ギルド長と旅をしていたんです」


 そういうつてかぁ。

 ギルド長の契約獣人だったってことか。


 話を聞いていくと、街に入るために必要な身分証として、ギルド長がゆかりのものに渡しているという、特別なメダルを持っていたらしい。

 ところが、やっと街にたどり着いたと思って気を抜いたところ、そのまま立ち上がれなくなってしまい、意識も怪しくなってしまったところへ現れたのが俺だった。

 というわけだ。


 ……なんでこんな、うっとりと見上げてくるんだ?


「ギルドの方だったんですね」


「まあな」


 気まずい。

 だって! 俺、ギルドに登録されてて、門を通れるなんて知らなかったんだもん!

 あの苦労、全部無駄だよ。


「本当なら、わたしと一緒でなくても、門をくぐれたのに」


 ん?


「宿を……って、おっしゃっていたので、探したんですよ?」


 ああ……宿場の方の家が使えちゃったからなぁ。


「そりゃ悪いことしたなぁ」


 なんだろう、この人の俺を見る目。

 すっげーそわそわするんだけど。

 あれか? 薬代の罪悪感を持たせないように、嘘まで吐いて去って行った奇特なお方とか。

 そういう流れか?


「あの、やっぱり、なにかお礼を」


 フラグktkr?


「夫がいてくれたなら、薬代もお支払いできたのですが」


 ですよねー!

 夫とか言われたよ、ちくしょうめ!


「ねえさん、にやにやせんでください」


「まあ良いじゃん。人助け。猫ダスケ。虎?」


「虎ッスね」


「んで、なにやったの? えろいの?」


「えろくない! でも微エロ!」


 俺は大ざっぱな感じで昨日のことを話した。

 きゃーっとねえさん。


「舌とかやらしー!」


 母虎が赤くなりながら補足する。


「すみません、つい (>ωっ)」


 奥さん!?


「エロイよ、この人妻! 昼下がり!」


「昼じゃねーよ!」


「じゃあ夜討ち朝ぶっかけ?」


「夜通し頑張るとか耐久力あんな!?」


「あんたスタミナは?」


「1024です!」


「エロエロじゃん!?」


 話が進まねー。


「んで、母虎さん、昨日のあれ、どういうことだったの?」


 母虎さん、お毛毛の下のほっぺが赤くなってるのを気にしてるのか、肉球ハンドで顔を挟んでさすってます。

 いいなー、この人。

 でも、話し出した内容は、ちょっとろくでもないことだった。


「実は、わたしが縄張りとしていた場所に、ゴブリンが出るようになったんです」


 ゴブリン? と、ねえさんは怪訝そうにたずねた。


「でも、虎種の敵じゃないでしょ?」


「普通なら……でも、その中におかしなゴブリンが居て」


「どんな?」


「動物の骨を被って、奇声を上げてるような……」


 ねえさんは、ゴブリンシャーマンか、と呟いた。


「んじゃ、あんたがやられたの、ゴブシャの魔法ね」


 俺も少し考えた。


「その略し方はないかと」


「んじゃゴブーマン?」


「なんか別のものになった!?」


 しかもカッケー!?


「虎種は力は強いけど、ケダモノ系だから、魔法耐性が低いもんねぇ……」


「んじゃ、病気か疫病の魔法にやられたんスかね?」


「単純に、混乱とか弱体かも知れないけどね。それで体長崩して病気になったとか」


「母虎さんの旦那さんは?」


 母虎さんは頭を横に振った。


「あの人は」


「そっか……」


「他の子たちのところへ」


「……ん?」


「わたしは、捨てられたんです」


 なんだとぉ!?


 どうどうと、ねえさんが説明してくれた。


「虎種ってか虎は、旦那さんのテリトリーの中に、複数の奥さんがテリトリーを持ってんの」


「なん……だと?」


「人の来ないような森の中で、ハーレム作って暮らしてんのよ」


 ねえさん、事件です。


「つまり、その野郎は、母虎さんを置いて? ……他の?」


 はい……と、彼女は寂しげに笑う。


「わたしとこの子を守るために傷ついて、他の子たちを守ることができなくなったのでは、世話がありませんから……」


 俺的には許せん話だ。


「ハーレム作るんなら、全員守って見せろっつの! それが男の甲斐性だ!」


「一人も囲えてない奴が言うと、寒いを通り越して痛いわー」


「泣くよ!? 本気で泣くからね!?」


「あの……お独りなんですか?」


「「え?」」


「え! いえ、あの」


 きょろきょろと辺りを見たあとで、思い切ったように、くっと顔を上げた。


「わたしを、雇ってもらえませんか?」


 俺は、ねえさんに目配せをした。

 ねえさんも、あれ? ってな感じだった。


「母虎さん、戦えんの?」


「あ! いえ、それは……」


 だよなぁ。

 戦闘用のNPCとして仲間にできる虎種は雄だけのはずだし。


「でも、身の回りのお世話ぐらいなら」


 あー、そういうことね。

 つい、ゲーム的な意味での雇う=戦闘要員って解釈しちゃったわ。


 でも、その勘違いを抜きにしても、ねえさんは、できないでしょ、っと冷たかった。


「虎種って、必要がなかったら素っ裸の四つ足で走り回って狩りをして暮らしてるじゃない? 人の世話とかできるの?」


「それは……」


「それに、こいつに助けてもらったとき、正体を隠してたの、奴隷狩りに見つからないようにしてたんじゃないの?」


 しゅんっとされると……萌えるなぁ。

 とか、うずうずしてしまう。

 しかし現実問題としては、確かに家政婦としては難しい。

 人間の世話ができるか、どうとかってだけじゃなくて、この間の話もある。

 口の臭かった件だ。

 虎種は、火を恐れたりはしないけど、使うかっていうと、使わない。

 体が資本の、野性的な種族なんだ。

 歯を磨く、湯や水で体を洗う、そういったことさえしない。

 ねえさんの言うとおり、けだもののように暮らしてる。


 それでも、そうですよね、と、しゅんとしているところを見ちゃうと、なぁ。


「ギルドマスターは、なんて言ってるんだ?」


「誰か、知り合いのいい人を、探してくださると」


「ギルドマスターが庇ってくれるんじゃないの?」


「虎種は、色々な方に、狙われますので……この子も居ますし」


 ギルドマスターには迷惑をかけたくないけど、俺なら良いってことなんだろうか?

 なんか違うっぽいと首を捻っていたら、ねえさんが教えてくれた。


「宿場町の家、防犯機能があるでしょ」


 あれか!

 許可してるプレイヤー以外は出入りできなくなる奴。


「あれ、NPCにも効果あるんですかね?」


「あるんじゃない? 契約モブとか連れて入ることができるんだから」


 なるほど。

 後頭部に張り付いてる子虎をゆらゆら揺らして考える。

 なんか、俺の頭にお腹貼り付けて、額のあたりに顎を落として、むふーっとか言ってる。

 気持ちよさそうだな。

 母虎さんは、なにかを期待して、ちらちらとこっちを見てる。

 同じ誰かに預けられるなら、信頼できる人の方が良い、ってことなんだろうな。


「でも、ディーナがなぁ……」


「それよりも、旦那さんの方じゃない?」


「へ?」


「もし奥さんが、他の雄んとこに行くようなことになったら、取り戻しにくるんじゃないかなぁ」


「いやいやいや! 虎種と修羅場とか、シャレになんないっすよ!」


「まあそれがなくっても、旦那さんがどうなったのかは、調べるべきだろうし」


 ちょうど、っと、ねえさんは、討伐依頼を一つ選択した。

 そのフィールド情報を母虎に見せる。


「ここ、あなたの根城だった森?」


「はい」


 待って!

 ねえさん、その顔はヤバス!

 ひっじょーに良い顔でした。

 黒い意味で!

 ねえさんは、館内全域に響くような大声でシャウトした。


「けってー! 罰ゲームはゴブ退治~!」


「うえぇ!?」


「んでもって旦那と決闘!」


「ないっ、それはないから!」


 母虎さんが顔をのぞき込んできた。


「頑張ってください!」


 むんって。

 なんで両拳(にくきゅうハンド)を脇にひいて応援なんですか!?


「いやいやいや、旦那さんと、よりを戻してくださいよ!?」


「人は過去に囚われていては前に進めません!」


「虎ですよね!?」


「雨季が繁殖期です!」


「家政婦とかって話でしたよねぇ!?」


「いまならその子も付いてます!」


「付けんなぁ!」


 とりあえず、第一にゴブリン退治、二番目に旦那捜索。三番目に……交渉と言うことになりました。


 子連れ寝取りで親子どんぶりとかねーよ。

 どんだけ上級者なんだ、俺は。


「頑張れDT(どーてー)


「俺、生きて帰れたら、非DT(ひどーてー)になるんだぁ……」


 逃亡したいの意味だから、フラグの建て方は間違ってないと思います(TωT)



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