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異世界転生THE(駄)フラグ(仮題)  作者: nakaya
二日目。そろぷれいw
13/74

…ひどいゲームだな、これ。

 クエスト失敗に伴うペナルティ。


 これがあるのは、気軽にあれもこれもと受けるだけ受けて、めんどくさいと放り出す奴がいるからだ。


 しかしこのゲームは、オンラインRPGである。


 討伐系の依頼などは、一定数以上のプレイヤーが受けられないように調整されている。

 そうでないと、対象エリアでの、モンスターの沸きが足りなくなるからだ。

 だがこの枠を、受けるだけ……という連中に埋められてしまうと、つまらない話になってしまう。

 そこで、ペナルティがもうけられている、というわけだ。

 必然的に、ペナルティは、護衛、討伐、採取、探索、調査に、尾行などの、サブクエストに限られて設定されている。


 メインクエストは、失敗して当たり前の難しさだからな……くり返しチャレンジできないと、攻略法も見つけられんし。


 んでもって。


「いーやーだー!」


 俺が投げたのはチュートリアルレベルのクエストだって話だ。

 だって、チュートリアルをスキップしただけじゃん!

 なんでペナルティがあるんだよ!?


「地下送りだけは勘弁してくれぇ!」


 と、王城裏手で、兵士に両脇を抱えられてごねていた。


 この街は、魔族との大戦を目的として作られた城塞都市である。

 その大戦は既に過去のものであるが、かなり派手な攻防があったようで、空に地上に地下にと、魔族の侵攻は苛烈を究めた……ということになっている。


 このゲーム、細部まで凝ってるのは良いけど、全部文章ですませてるのがなぁ……。


 んで、地下の話。


 虫型の魔物が地面を掘って都市の内部にまで侵攻したらしい。その時に掘られた穴が今も健在で、地下迷宮の様相を呈している上、どこかに繋がっているのか、魔物や、魔物とは言いがたい危険な虫などが沸いている。


 でも、そこはそれだけの場所なんだ。

 お宝なんてものは無く、ただただ駆除して回るだけなんだけど。


 出るんだよ。

 来るんだよ。

 飛ぶんだよ。

 カサカサと。

 ヌラヌラと。

 テラテラと。

 それは人類の天敵だ。

 そしておそらくは真の魔王。

 その姿は闇よりも暗い黒。

 人類史が始まって以来、終わることなく果てしない戦いを演じてきた、最強最悪、最初にして最後の敵。

 硬くて光ってて臭くて奇妙な声をあげるせーぶつ。

 その名を呼ぶのもおぞましく、誰もが仮称でその名を言う。

 それすなわち、『G』。


 正式名ジャイアントコックローチ。


 体長一メートル前後。

 知ってるか? あいつら、腹の面って異常にキモイんだぜ?

 それを完全再現した開発チームは死ぬべきだと思う。

 せめて病院に入ってくれ。

 んでもって、こいつら、時々は地上にも現れるため、最重要討伐対象になっている。

 あほかと。

 殺虫剤で殲滅しろよと。

 それができないのは、こいつらが地下での掃除屋としての役割があるからだ。

 食物連鎖など存在しない地下道迷宮なだけに、そこで出る魔物や虫や小動物なんかの死骸を駆除する、なにかしらの動植物は、根絶させるわけにはいかないらしい。

 というわけで、個体数調整のための討伐が、罰ゲームとして課せられていた。


 設定的には。


 本当のところは、低レベルプレイヤーのレベル底上げのためだ。

 依頼を失敗>お前、レベルを上げて出直してこいや。

 というわけで、レベルが上がるまでそこからは出してもらえないんだが……。

 俺、レベル70なんです。

 限界突破クエスト受けてないんですよー!


 いやぁあああ!


 もちろん救済措置はあるんだけど、100匹倒すコースなんです。


 やめてぇええ!


 しかも、現在、リアル化してるんです。

 倒したって証拠も、取らなきゃならないんです。


 ひぃいいいい!


 つまり魔法なんかで、跡形もなくってのはだめで、弓なんかの飛び道具じゃ、刺激するだけだろうし、暴れられたり、ましてや、飛んでこられたりしたら……。


 ゾゾゾゾゾゾ!


 つまり、方法としては、メイスなんかで。

 ぐちゃっと。


「お願い許して、なんでもしますから、神様助けて神様!」


「そのお願い、かなえましょうか?」


 神様! って思って振り向いたら、悪魔がいました。

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