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異世界転生THE(駄)フラグ(仮題)  作者: nakaya
二日目。そろぷれいw
12/74

着地点が見えないので裏設定を作ってみた。

 このゲームには、勇者として、というありがちな話は定められていない。

 ドラゴンレジェンドという名前の通り、ドラゴンに関する伝承、伝説、神話を追って、世界を旅する。そういうゲームだ。


 まあ、下級ドラゴン、中級、上級、そして神レベルのドラゴンと相まみえる……という流れもあるが、かかわらなくても十分遊べる。そういうゲームになっているのだ。


 別に世界の破滅が迫ってるわけでもないから、適当に過ごしていてもかまわない。

 だけど、普通にしていても、日常を繰り返すだけになってしまう。


 大半が、ここでつまんねーっと投げてしまう。


 しかし、冒険とは、非日常にこそあるもんだ。

 つまり、冒険を堪能したければ、非日常を選ばなければならない。

 だから、まずは、旅立たなければならないのだ。

 街とか、ギルドとか、枠組みとかから、卒業しなければいけないんだが……。


 この辺りも、クソゲーと呼ばれたゆえんだろう。


 日本人プレイヤーは、基本的に、敷かれているレールを好む傾向がある。

 無軌道に、たとえばギルドに加入せず、迷宮を荒らすとか。

 配達クエストを妨害し、アイテムを奪うような、盗賊になるだとか。

 帰ってこられるかどうかわからない、異境の地へ旅立つだとか。

 そのために、仲間を募ったり、徒党を組んだり、組織を作ったりだとか。

 そういうことをしない、できない、発想がない。

 だから、敷居が高すぎる、ということになっていた。

 だけど、それができた奴らには、面白すぎるゲームとなったのだ。


 攻略本通りのことしかできない連中には、とっつきにくいだけのゲームになってしまったんだが……。


 だけど、そんな中にも、勇者、英雄と呼ばれる連中が生まれ出た。

 大規模クエストなどで、勇気ある振る舞いを行い、名を売ったりだとか。

 女風呂に突撃して牢屋行きになったりだとか。

 俺のことだけどw

 勇者とは、役職のことではない。

 勇者とは、勇気ある者のことを言うのだ。

 だから、勇者と呼ばれたければ、勇者っぽく振る舞って頑張ってねと言う、なにその投げっぱなし? って感じだったりするんだけど……。

 うん、日本メインのゲームで、それは無茶だったね。

 だって、ヒーローっぽくとか、なにマジになってんの? って話じゃん?

 んで、このゲーム、基本的に、廃人とかオタク向けじゃん?

 勇者とか、斜め方向に行くに決まってんじゃんねーかw


 あ、でも、魔王さん居ます。


 ただ実装前で、設定だけだったけどw


 なんか光と闇のパワーバランスが、うんとかとか、やたら凝った設定になってた。

 光と闇は、裏と表、善と悪と同じ、等質のものであるらしい。それがどちらか一方に染まるとき、世界は滅ぶとかそんな感じで。


 世界に正義の力が溢れれば、光の比率が大きくなり、世界が闇で包まれれば、闇の比率が大きくなる。


 神様が信者を求める理由だそうな。


 しかし、だからと言って、どちらの神様も、直接的には戦えないし、世界の動きにも介入できない。


 なぜなら、光と闇は、質が違うだけで、同じものであるからだ。


 つまり、光と闇が戦えば、ただの削り合いになってしまう。


 そうなれば、残るのは、その時に質量の比率で勝っていた側の神となる。


 それも、削り合った末に残った、削りかすだけの存在としてだ。


 ならば、どうするかと言うと、光の場合、勇者、英雄に、期待するしかないという。

 そう呼ばれるようになる者たちが、闇の勢力を押し戻し、光と闇の均衡を取り戻すことを期待するのだ。


 勇者召喚ですね、わかります。


 魔王招来も似たようなもんらしい。


 この辺りが、大規模クエストの、裏設定となっている。

 闇が溢れた、光よ、希望を取り戻せ! ってなもんだ。

 逆に闇が払拭されすぎると、運営から調整という名の追加クエストがプレゼントされますw


「ディーナが居ない間に、レベル上げっとっかな……」


 ディーナのレベルは150だが、カンスト組でパーティを組まないとクリアできないクエストも、多々存在している。

 今は、彼女が所属しているギルドメンバーと出張中だ。

 遠出になるので、時間がかかる。だからしばらくは一人で行動できる。


「まあ、考える時間は、たんまりとあるんだけど」


 だめだ、やっぱり動けない。

 俺は浮かしかけた腰を落とした。


 クエスト……戦いに行きたくないのは、不安要素があったからだ。


 これが転生なのか、デスゲームなのか、それがわからなくて困っていた。


 転生なら、定期イベントやクエストが、知っているとおりとは限らない。

 なにが起こるかわからないというのは、案外怖いものだった。

 だが、そうなると、チュートリアルスキップのアナウンスが、なんだったのかという話になる。


 なら、俺は、ゲームの世界に囚われて、デスゲームに参加させられているんだろうか?

 しかし、それなら、ディーナの存在が不可解だ。

 誰かが、俺の別アカウントで、アクセスしている?

 あるいは、デスゲームを仕掛けた奴が?

 だがなんのために? 俺なんかをハメてなんの得があるっていうんだ?

 愉快犯の可能性もあるが、こっちもやはり、なんの確証もない話だった。


「フラグっていう人間が、ちゃんと生まれて存在してたんなら、あのタイミングでチュートリアルって、おかしいよな」


 カンストキャラであるディーナの倉庫として、初期上限であるレベル70まで成長している以上、あれが初クエスト、というのは不自然で、チュートリアルを受けるような、素人であるはずがないからだ。


「つまり、あれは、俺に対するアナウンスだったはずなんだよな」


 どういうことなんだかなぁと、首を捻っていると、また、あの、ぽーんって音が聞こえてきた。


『依頼:商人の護衛 結果:失敗 違約金の支払いが行われなかったため、強制奉仕活動への召喚を行います』


「へ?」


 気がつけば、がっちがちに鎧を着込んだ兵士さんたちに取り囲まれてました。


「へーーー!?」

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